異世界に飛ばされたが選択肢を間違うと必ず死んでしまうなんてあんまりだ!~早く元の世界に帰らせてくれ!~
2度あることは3度ある
目が覚めたら大草原だった。
……っていうのは正直もういい。
目が覚めたら、何時もの日常に戻っていることを願ったがそんなうまい話は無かった。
だが、あんなに空腹で喉もカラカラになり動けない状態だったのに、今は元気だ。
そして辺りを見渡すとやはり遠くに森のようなものが見える。
「薄々気づいていたけど、死ぬとループするのか……?」
どういう原理かわからないが、死ぬと元の場所に戻され生き返るようだ。所謂ループというやつだろう。
とはいっても、ここは大草原で俺一人しかいない為、時間ごとループしているのか、時間は進んだ上で生き返り、元居た場所に戻されているかはわからない。
確かめるすべがないのだ。
「せめて誰かいればわかったんだけど」
その辺の草をむしりまくって死んでみれば一人でも検証できるが、そんな勇気は正直ないし、このループが何回も出来るとは限らない。
ゲームの様な残機というものがあるかもしれないし、次はもう目覚めることが出来ません、なんて事も十分ありうる。
「……でも、やれるだけのことは一応しておくか。」
ブチブチと辺りの草をむしっていく。
勿論死にたくはないが、もし死んでしまっても、目覚めた時に少しでも情報は多い方がいい。
一応、死んでしまってループした時に持っている物が消えるかどうかも検証する為、むしった草の一部をポケットにも入れておいた。
――ひとしきり草をむしり終えた頃、またあの選択肢が現れる。
「結局どっちの選択肢を選び続けても死んだんだよな……何回か選択肢が出たってことは、途中で違う選択肢を選べば正解のルートに行けたのか? 」
うーん……と悩む。
だがいくら悩んでも正解はわからないし、とりあえず此処に留まっても餓死するだけとはわかっている。
森のような場所と反対方向に歩き続けても、町や人は見つからないし、恐らくまた襲われて死ぬだろう。
暫くどうするか悩んでいたが、移動する方向には選択肢がでなかったことを思い出した。
あまり気は進まないが、今回は森のような方向に進んでみようと、移動するを選択した。
ごくりと唾をのみ、深呼吸をして森の方に進んでいく。
前回は足がすくんで全く動けなかったが、今回はすんなり進むことができた。
死ぬのに慣れてしまったとか、恐怖に打ち勝ったというよりは、どうにか生きる道を探したいという想いからだろう。
ゆっくりと森の中へと進んでいく。
入る瞬間、浮遊感のような謎の感覚があったがあれはなんだったのだろうか?
「まぁ、身体に異変はないみたいだし別に気にすることないか」
森は思っていたより荒れていなく、人が歩けるような道があったことから、もしかしたら人里があるかもしれないという希望が生まれてきた。今のところ、モンスターらしき生き物もいない。
時折小鳥が飛んでいたりリスのような生き物が走っているくらいだし、特に襲ってくる様子もない。
リスのような、という表現をしたのは普通のリスとは違い角が生えていたからだ。
改めてここは異世界なのだと思い知る。
「集落があったりするんじゃないかって期待したけれど全然見当たらないな。」
一応、何かあった時に元の場所に戻れるよう木に印をつけて歩く。
そのまま暫く印をつけながら更に歩き続けたが、途中で足を止めた。
遠くで歌のようなものが聴こえたからだ。
誰かいる! 助けてもらえるかもしれない! と思った瞬間また選択肢が現れた。
―――――――――――――――――――――――
・歌の聴こえる方に走る
・ゆっくりと歌の聴こえる方に向かう
・無視して他の方向に進む
―――――――――――――――――――――――
迷わず歌の聞こえる方に走るを選択する。
聞こえている間に向かわなければ、何処かに移動してしまうかもしれないと思ったからだ。
少しずつ近づく歌声に、誰かいるという喜びと、助かるかもしれないという希望が生まれる。
あと少しなはずだ! と言うところで突如歌が止まった。
だがこの先に居るのは間違いない。
構わず進んでいると突如胸に衝撃が走った。
「ぐっ……」
胸が真っ赤に染まる。
真っ赤に染まった胸の真ん中には矢が刺さっていた。
あっ、これ死ぬやつだわって冷静に思ってしまったのは死ぬのが3回目だからだろうか。
――最後に見たのは、耳の尖った美しい少女が弓を持っている姿だった。
……っていうのは正直もういい。
目が覚めたら、何時もの日常に戻っていることを願ったがそんなうまい話は無かった。
だが、あんなに空腹で喉もカラカラになり動けない状態だったのに、今は元気だ。
そして辺りを見渡すとやはり遠くに森のようなものが見える。
「薄々気づいていたけど、死ぬとループするのか……?」
どういう原理かわからないが、死ぬと元の場所に戻され生き返るようだ。所謂ループというやつだろう。
とはいっても、ここは大草原で俺一人しかいない為、時間ごとループしているのか、時間は進んだ上で生き返り、元居た場所に戻されているかはわからない。
確かめるすべがないのだ。
「せめて誰かいればわかったんだけど」
その辺の草をむしりまくって死んでみれば一人でも検証できるが、そんな勇気は正直ないし、このループが何回も出来るとは限らない。
ゲームの様な残機というものがあるかもしれないし、次はもう目覚めることが出来ません、なんて事も十分ありうる。
「……でも、やれるだけのことは一応しておくか。」
ブチブチと辺りの草をむしっていく。
勿論死にたくはないが、もし死んでしまっても、目覚めた時に少しでも情報は多い方がいい。
一応、死んでしまってループした時に持っている物が消えるかどうかも検証する為、むしった草の一部をポケットにも入れておいた。
――ひとしきり草をむしり終えた頃、またあの選択肢が現れる。
「結局どっちの選択肢を選び続けても死んだんだよな……何回か選択肢が出たってことは、途中で違う選択肢を選べば正解のルートに行けたのか? 」
うーん……と悩む。
だがいくら悩んでも正解はわからないし、とりあえず此処に留まっても餓死するだけとはわかっている。
森のような場所と反対方向に歩き続けても、町や人は見つからないし、恐らくまた襲われて死ぬだろう。
暫くどうするか悩んでいたが、移動する方向には選択肢がでなかったことを思い出した。
あまり気は進まないが、今回は森のような方向に進んでみようと、移動するを選択した。
ごくりと唾をのみ、深呼吸をして森の方に進んでいく。
前回は足がすくんで全く動けなかったが、今回はすんなり進むことができた。
死ぬのに慣れてしまったとか、恐怖に打ち勝ったというよりは、どうにか生きる道を探したいという想いからだろう。
ゆっくりと森の中へと進んでいく。
入る瞬間、浮遊感のような謎の感覚があったがあれはなんだったのだろうか?
「まぁ、身体に異変はないみたいだし別に気にすることないか」
森は思っていたより荒れていなく、人が歩けるような道があったことから、もしかしたら人里があるかもしれないという希望が生まれてきた。今のところ、モンスターらしき生き物もいない。
時折小鳥が飛んでいたりリスのような生き物が走っているくらいだし、特に襲ってくる様子もない。
リスのような、という表現をしたのは普通のリスとは違い角が生えていたからだ。
改めてここは異世界なのだと思い知る。
「集落があったりするんじゃないかって期待したけれど全然見当たらないな。」
一応、何かあった時に元の場所に戻れるよう木に印をつけて歩く。
そのまま暫く印をつけながら更に歩き続けたが、途中で足を止めた。
遠くで歌のようなものが聴こえたからだ。
誰かいる! 助けてもらえるかもしれない! と思った瞬間また選択肢が現れた。
―――――――――――――――――――――――
・歌の聴こえる方に走る
・ゆっくりと歌の聴こえる方に向かう
・無視して他の方向に進む
―――――――――――――――――――――――
迷わず歌の聞こえる方に走るを選択する。
聞こえている間に向かわなければ、何処かに移動してしまうかもしれないと思ったからだ。
少しずつ近づく歌声に、誰かいるという喜びと、助かるかもしれないという希望が生まれる。
あと少しなはずだ! と言うところで突如歌が止まった。
だがこの先に居るのは間違いない。
構わず進んでいると突如胸に衝撃が走った。
「ぐっ……」
胸が真っ赤に染まる。
真っ赤に染まった胸の真ん中には矢が刺さっていた。
あっ、これ死ぬやつだわって冷静に思ってしまったのは死ぬのが3回目だからだろうか。
――最後に見たのは、耳の尖った美しい少女が弓を持っている姿だった。
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