転生した俺はポンコツ女神と迷宮の防衛?をすることになったようです。~転生のダンマス!~
敵の名は。
4人が30階層のフロアに着くと、そこにはすでに冒険者が居た。
「あれ? 俺たち抜かされたっけ?」
すかさず左手の刻印を確認するヒカルだったが、刻印は4/30のままだった。
「抜かれてねーのになんで冒険者が居るんだ?」
「アホね、下から来たんでしょ」
「な、なるほど。ディアーナにアホって言われるとスゲー腹が立つけど、確かにそうだな」
「え? あれってば……」
そこに居た冒険者のパーティーは見覚えのある冒険者だった。
「あれはアレキシスのパーティーじゃねーか! でもボロボロだぞ?」
――はぁ はぁ はぁ
「そ、そこにいるのは、ぼ、冒険者か? す、すまぬが……み、水を分けてはもらえんか?」
「あ、ああ。いいケドよ……何があったんだ?」
ヒカルに援助を求める男は、前にあったときにヤンチャそうにしていた剣士のシドだ。シドは見る影もなく傷つき、着ている服もボロボロだ。もうひとりの男、おそらく勇者アレキシスは横になったまま意識を失っているようだった。
「だ、だまし討にあった」
「誰にだ?」
「35階層のボス……デュランにだ」
話によれば、アレキシスパーティーは、数週間をかけて40階層を目指していたという。もちろん、帰還術式を使って何回かに分けてだが、40階層のダンジョンマスターに教皇からの伝言を伝えるためにだという。その事情を話したところ、35階層のダンジョンマスターデュランは協力を申し出た。そうして勇者アレキシスのパーティーを先へ通したのだ。しかし、先週、ロメオが安息日の準備で先に帰ったときソレは起こった。
「あの野郎、回復役のロメオが居なくなると背後から突然仕掛けて来やがったんだ!」
デュランの攻撃は用意周到で、まずはじめにアレキシスが狙われた。
「アレキシスは超ツエー! 最強と言っていい。だから本当はヤラれるハズなんてねーんだ」
アレキシスは背後から突然飛んできた毒矢に即座に反応し、そのことごとく叩き落とした。しかし油断があった。いいや、仲間への信頼を利用されたのだ。
「デュランのヤツは案内役とか言って部下のテトを同行させていた。ちょこまかとして……気のいい……まだガキだ」
前衛を任されていたシドも、敵の矢を難なく叩き落としていた。しかし……
「うがぁ〜」
気が付けばテトが倒れていた。腕に矢を受けているようだ。
「な、バカな! 全部叩き落としたはずだろーが! コノヤロー」
「待て!」
激情に駆られ、飛び出そうとしたシドをカラダを張って止めたのはアレキシスだった。
「おかしいぞ。矢はシドと俺でぜんぶ叩き落したはず」
「んなこと言ったってげんにテトがやられてるじゃねーか! どこかから見えない矢でも飛んできたのだろうよ」
「見えない矢?」
アレキシスがテトに刺さった矢を確かめようとしたその時、悲劇が起こる。
――ズサッ
テトがアレキシスの背中を刺したのだ。
「な、ん、だ、と! テト! オマエ裏切ったのか!」
シドがテトの胸ぐらをつかんで体を揺らすと、テトの顔に色が戻り、正気になっていった。。
「え? や、あ、ボ、ボクが……うわぁあああああ」
叫びだしたテトに向けてシドが剣を振り上げた。
「よ、よせ……シド……コレは罠だ。おそらくデュランの罠だ……テトは術で操られていただけだ……」
それだけ言うとアレキシスは気を失ってしまった。カラダは燃えるように熱く発熱し、カラダ中から汗が吹き出している。
「そこからは敗走につぐ敗走だ。俺はアレキシスを担いで、アリアが弓で援護して逃げ出したんだ」
ここまで一気にしゃべるとシドは地面を思い切り殴りつけた。
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