リロードバレロ

あきさか

#8 アンデルセン一族。

—ナヴァロンから離れたとある都市にて—

?『おーい。』

…………

?『ねえってば!』

ん………

?『全く…』

何者か両手を勢いよく叩いたと思ったら僕はその衝撃で目覚めた…いや起こされたと言った方が正しいか…

「…ふぁ?……って、よく見るとリリーさん?何故ここに?」

リリー『もう全く……あの”破壊神”と戦うなんて聞いてないよー?それにこんなにむちゃしちゃってー…』

ん?破壊神?………あー、アイツの事か?

「リリーさん、破壊神ってルナ・アンデルセンの事ですか?」

リリー『そそ。今回の話には関係ないが一応聞いてね。アンデルセン一族は昔天界で”天使職”と言う仕事をしていたんだよ。』

「……でも、何らかの理由によって追放されたんでしょ?」

リリー『うんそーだね…その理由が悲惨だから……聞く?』

「……一応と言う形で…」

リリー『りょー。今から六百年程前に天界にてある英雄が生まれた…その英雄の名は”初代・フェルリル・アンデルセン”。』

「”初代”って事は最初の一族って事?」

リリー『”最初の一族”ねぇ…良いとこ突くねぇ。こっちの世界では”始祖一族”は初めの一族って意味ね。話戻すよ?』

「あ、はい。」

リリー『英雄にして最高の天使として天界に君臨くんりんしていたフェルリルは、ある”大罪たいざい”を犯してしまった。』

大罪……

リリー『ある日フェルリルはいつもと変わらぬ日常を過ごしていたが、フェルリルの元に美しい女性が訪ねてきた…美しい女性はこうフェルリルに話した……「フェルリル、あと二日に来る”紅月の夜あかつきのよ”にてある妖怪が天界を襲う……フェルリル貴女はあの妖怪に戦ってはいけない。」…これだけを残して美しい女性は姿を消した…』

「”紅月の夜”……僕のいた世界では妖怪主に吸血鬼が暴走する日でもある…って本に書いてありました。」

リリー『一般的にはそれが正しいねー。そして二日後本当に天界を襲ってきた…フェルリルはその妖怪を退治出来たは良いがフェルリルは一族のとある掟を破ってしまった事に気付いた。』

「”掟”…」

リリー『”天使が妖怪や人間を退治または、襲うと堕天使になってしまう”と言う掟……これがフェルリルが起こした大罪だよ。はい、終わり。』

「え?続きは?」

リリー『続き話そうと思ったんだけどもうすぐ起きる時間だから……それと今回私が出てきたのは”元気にしてるかなー?”って見にきただけだから〜。じゃあねー。』

そう言うとリリーはまた両手をポンと叩いた。

「待って話しの続きが気になるんですけどー!」

リリー『あ、後起きる時痛みがあるかもだから気を付けてね〜それじゃ〜。』

リリーがそう言うと眩しい光が僕を包み込んだ…

「眩しっ…」

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