勇者にとって冒険の書は呪いのアイテムです

ハイイロチョッキリ

⑨ぜつぼうのるーぷ(7)

「こっちだ!」

「赤化」を発動したユージーンがパンデラの死角から炎を突き破って飛び出し、弓を持った正位置の左腕と、その下にあった左脇から生えた腕をゾンビキラーで斬り飛ばした。

「グガァァァア!!!?」

パンデラが弓を落とし、突然発生した痛みに悶える。

黒い液体が切断面からほとばしり、ユージーンがそれを盾で防ぎながら、弓を蹴り飛ばし、距離を取る。

ここまでは作戦通りだ。

まず、ミリが「イフリ」の炎でパンデラの視界を奪い、「稲妻斬り」で注意をセツリに向け、セツリを狙わせる。

セツリの前に「氷壁」を出現させ、セツリをそれで守ると見せかけ、実はセツリはその壁を蹴り、矢の範囲から離脱。

パンデラの注意が向いている間に「赤化」を発動させたユージーンが死角へ回り込み、炎を突き破ってパンデラの弓を奪ったのだ。

「ギ…ザマらぁ!」

パンデラが怒り狂い、地面に潜る。

そして一瞬でセツリの背後に移動し、その首を………

取ろうとした瞬間、セツリがぐるんと振り返り、振り向きざま、パンデラの胸に鉄の剣を突き立てた。

「ギィヤァァァア!!!」

聖属性を付与された剣がパンデラの身体を瞬く間に消滅させる。

セツリ達はパンデラを倒した!

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