勇者にとって冒険の書は呪いのアイテムです
④たびのはじまり(5)
「いいか、セツリ。報酬の800Gだが、これから旅に出るのに金がかかる。酒場とぱふぱふはお預けだ」
『いいえ』
セツリとユージーンは報酬の使い道で争っていた。
「本来、この宿に一泊50Gだ。今回は街道に出たひとつめの怪物の討伐が認められたから特別一泊タダにしてもらえたけど、この800Gは食料と装備に使わなきゃならない。わかるよな?」
『いいえ』
セツリは頑なに首を振る。
「だーめーだ。この間の戦いでわかったろ?ひのきでできた棒だとああいうやつにダメージを与えられない。もし鉄の剣でも持っていたら…もしかしたら洞窟に入った時にセツリの一撃で決着してたかもしれないんだ」
『…はい』
セツリは残念そうな顔をしながら頷く。
「あとは防具だ。盾でもあれば一撃でやられなくて済む。ただ、さっき武器屋と防具屋を調べたら鉄の剣は1本600G、皮の盾1つで150Gだ。旅の食料と荷物を揃えたら50Gはする。とりあえず鉄の剣はお前の分を買って、俺は素手で戦う。今の俺の拳ならひのきでできた棒よりは強いはずだ。あとはこの周辺で金を稼ごう。酒場に行けば今回みたいなモンスターで困っている人や護衛なんかの仕事が見つかるかもしれない」
『はい!』
セツリは元気よく返事をする。
「…いいか、ぱふぱふしに行くんじゃないからな」
チッ!セツリは舌打ちをする。
『いいえ』
セツリとユージーンは報酬の使い道で争っていた。
「本来、この宿に一泊50Gだ。今回は街道に出たひとつめの怪物の討伐が認められたから特別一泊タダにしてもらえたけど、この800Gは食料と装備に使わなきゃならない。わかるよな?」
『いいえ』
セツリは頑なに首を振る。
「だーめーだ。この間の戦いでわかったろ?ひのきでできた棒だとああいうやつにダメージを与えられない。もし鉄の剣でも持っていたら…もしかしたら洞窟に入った時にセツリの一撃で決着してたかもしれないんだ」
『…はい』
セツリは残念そうな顔をしながら頷く。
「あとは防具だ。盾でもあれば一撃でやられなくて済む。ただ、さっき武器屋と防具屋を調べたら鉄の剣は1本600G、皮の盾1つで150Gだ。旅の食料と荷物を揃えたら50Gはする。とりあえず鉄の剣はお前の分を買って、俺は素手で戦う。今の俺の拳ならひのきでできた棒よりは強いはずだ。あとはこの周辺で金を稼ごう。酒場に行けば今回みたいなモンスターで困っている人や護衛なんかの仕事が見つかるかもしれない」
『はい!』
セツリは元気よく返事をする。
「…いいか、ぱふぱふしに行くんじゃないからな」
チッ!セツリは舌打ちをする。
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