勇者にとって冒険の書は呪いのアイテムです
①ぼうけんをはじめる(6)
「グォォォォオオオオオ!」
ひとつめの怪物がうなり声をあげながら走って追いかけてくる。
「やばいやばいやばい」
ユージーンとセツリは逃げながらひとつめの怪物の振り回す腕をなんとかかわし、森に飛び込んだ。
ドスーン!と大きな音を立ててひとつめの怪物が木に衝突する音が真後ろで聞こえた。
木が悲鳴をあげて倒れていく。
「よし、これでなんとか…げっ!」
振り返ったユージーンが声をあげる。
その視線の先にはひとつめの怪物が倒れた木を掴む様子が見えた。
ひとつめの怪物が木を棍棒のように振り回すと周りの木々がまるで小枝のように易々と折れていく。
倒れた木々はセツリとユージーンの後ろから倒れかかってくるため、益々2人は窮地に追いやられた。
「危ねぇ。危うく潰されるとこだった。…でも、あいつもあんなに木を倒したら歩きにくいはずだ。どうする?二手に分かれてかく乱するか?」
『いいえ』
セツリは首を振る。
「そうだな。帰り道もわからないし、ここで2人ともはぐれて、あいつ以外のモンスターにも出くわしたら手の打ちようがないよな」
空は暗くなり、遠くからゴロゴロと雷の音が聞こえる。パラパラと大粒の雨も降ってきた。
「マジでヤバい。足元がぬかるんできやがった。それにあいつ、倒れた木を平気で踏んで迫ってきやがる」
振り返ってひとつめの怪物の様子を見ると一向にペースを落とさず、折れた大木を振り回しながらこちらに迫ってくる。
ひとつめの故に目が良いのか、あるいは他に獲物を捕捉するための器官があるのはわからないがこちらの位置もはっきり捉えているようだ。
「そろそろ疲れて走れねぇ。なんとかしたいと」
ユージーンが走りながら苦しそうに話す。
雨のぬかるみの中、ひとつめの怪物と迫り来る木々をかわすためにジグザグに走っているため、体力の消耗が激しい。
セツリも体力的に限界だ。
その時、森の視界が急に開け、大人1人がギリギリ入れるくらいの入り口の洞窟が目の前に飛び込んできた。
「セツリ、迷ってる暇はねぇ。あそこに飛び込むぞ」
『はい』
2人は洞窟に飛び込んだ。
ひとつめの怪物がうなり声をあげながら走って追いかけてくる。
「やばいやばいやばい」
ユージーンとセツリは逃げながらひとつめの怪物の振り回す腕をなんとかかわし、森に飛び込んだ。
ドスーン!と大きな音を立ててひとつめの怪物が木に衝突する音が真後ろで聞こえた。
木が悲鳴をあげて倒れていく。
「よし、これでなんとか…げっ!」
振り返ったユージーンが声をあげる。
その視線の先にはひとつめの怪物が倒れた木を掴む様子が見えた。
ひとつめの怪物が木を棍棒のように振り回すと周りの木々がまるで小枝のように易々と折れていく。
倒れた木々はセツリとユージーンの後ろから倒れかかってくるため、益々2人は窮地に追いやられた。
「危ねぇ。危うく潰されるとこだった。…でも、あいつもあんなに木を倒したら歩きにくいはずだ。どうする?二手に分かれてかく乱するか?」
『いいえ』
セツリは首を振る。
「そうだな。帰り道もわからないし、ここで2人ともはぐれて、あいつ以外のモンスターにも出くわしたら手の打ちようがないよな」
空は暗くなり、遠くからゴロゴロと雷の音が聞こえる。パラパラと大粒の雨も降ってきた。
「マジでヤバい。足元がぬかるんできやがった。それにあいつ、倒れた木を平気で踏んで迫ってきやがる」
振り返ってひとつめの怪物の様子を見ると一向にペースを落とさず、折れた大木を振り回しながらこちらに迫ってくる。
ひとつめの故に目が良いのか、あるいは他に獲物を捕捉するための器官があるのはわからないがこちらの位置もはっきり捉えているようだ。
「そろそろ疲れて走れねぇ。なんとかしたいと」
ユージーンが走りながら苦しそうに話す。
雨のぬかるみの中、ひとつめの怪物と迫り来る木々をかわすためにジグザグに走っているため、体力の消耗が激しい。
セツリも体力的に限界だ。
その時、森の視界が急に開け、大人1人がギリギリ入れるくらいの入り口の洞窟が目の前に飛び込んできた。
「セツリ、迷ってる暇はねぇ。あそこに飛び込むぞ」
『はい』
2人は洞窟に飛び込んだ。
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