攻略対象たちが悪役令嬢の私を熱く見つめてきます!
ヒロインと接触
──な、なんでこの子がここにいるの?
思わずギョッとする理紗を、ヒロインが目を丸くしてみている。
できれば会いたくなかった相手ナンバーワンから話しかけられてしまった。
──どうしたらいいの?
理紗はヒロインを見た。相手もじっと見つめてくる。
何かを待っているようだ。
はっ、そうか初対面だから自己紹介をしなきゃいけないのね? そうねそうよね。そしたらまずはこちらからよね。
「私はメアリローズ。あなたは?」
「アリスです」
へえ、アリスって言うんだこの子。
「じゃあごきげんよう」
そそくさと立ち去ろうとすると、アリスがすがるような目をして言った。
「あの~、学園の寮に行きたいんですけど、場所はご存じありませんか?」
「えっ、寮?」
寮があるんだ。へえ…なんて考えてる場合じゃない。悪いが理紗にはわからない。
「ごめんなさい、存じ上げないわ。誰か他の人に聞いてくださる? あ、ほらあそこにちょうど騎士っぽい男性が……、やばっ! じゃあこれで!」
「?」
困惑顔の相手を無視してワンピースの裾を翻し孟ダッシュした。
ちらりと見えた騎士っぽい男性はまさしくさきほどの人物だった。
気づかれる前に隠れなくちゃ…!
必死に走り、いくつか角を曲がっていくと、袋小路に迷い込んでしまった。
息を切らして来た道を引き返そうとしたときだった。
「なぜ逃げる」
低い声が理紗の背中に浴びせられた。
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