受験生でしたが転生したので異世界で念願の教師やります -B級教師はS級生徒に囲まれて努力の成果を見せつける-
見解の相違
「思ってた聖女と違いました……」
「流石に聖王国も聖女のありのままを国外に伝えるのはまずいと思ってるんだろうな。俺とアンも会うまで知らなかったし。『誰にでも分け隔てなく接する聖女』ってとこだろ?」
「そう聞いています」
「その情報自体には何の間違いはないからな。馬鹿すぎて貴族にも普通に話しかけるし」
ヨルは混乱しているようだが、本物を見れば逆に落ち着くだろう。
ミリアリアの適当っぷりは想像を超える。
聖王国の貴族はあまり身分に厳しくないのでミリアリアは生きられている。
「聖女という称号が能力だけで決まるというダメな側面だな。馬鹿なだけで悪いやつじゃないのが救いだが」
「王国の賢者様みたいなものですね」
「あぁ、そうだな……。あの爺さんもなぁ……」
称号と中身の乖離が激しい例だ。
「ま、そんなわけで聖女が裏にいるっていうのは考えられないんだ。いや、いるにはいるんだろうが、どうせ利用されているだけだ」
「凄い理論ですね……」
「それが通じるくらいには馬鹿なんだよ」
「でも、それでアンさんと仲が悪いのは?」
「あー。まぁ、自分で言うのもなんだけど。ミリアリアは別に俺のことを好きじゃない。だけど、自分の思い通りにならないからと体の関係を迫ったわけだな? で、断ったけど俺が聖王国にいる間はアプローチが続いたわけだ」
ライヤにアプローチするということは、隣にいるアンの目にも入る。
「それが気に入らなかったというか……」
「だっておかしいでしょ!? 好きでもない人に体で迫るなんて……!」
「……? ちょっと解釈が違ったみたいなんですけど。アンさんは聖女様がライヤさんに迫ったのが嫌だったわけですよね?」
「違うわよ。いや、そうかもしれないけれど。少なくとも当時は私はそういう認識をしていないわ。ミリアリアの考え方が嫌いなの」
「あぁ、そういう……」
ヨルは自分が助けられた時のことを思い出す。
あの時もアンは自分のこと以上に怒ってくれていた。
女性の尊厳という考え方が強いのだろう。
「でも! 本人が楽しんでいる以上! 止めるのも違うでしょ!? 否定すべきなのは私のライヤに手を出そうとしたことだけ! だから嫌い!」
「要するに、ミリアリアのやり方は嫌いだけど、ミリアリアが嫌々やっていることじゃない以上、止める必要じゃないだろ? でも、アンは納得がいかない。で、嫌いという結論に至ったんだが。嫌いというよりは意地になってるだけだと俺は思ってる」
「違うわ!」
顔を横に向け腕を組み、プンプンと怒っているその様子はまるで子供。
肩をすくめるライヤとの対比で一層そう見える。
「まぁとにかく。ミリアリアとの関係って言ってもその程度なもんだ。互いに話もロクにしていない。だから関係と言えば、顔を合わせたことがあるってくらいだ。あの馬鹿が俺のことをまだ覚えていたことに驚いたくらいだ」
「はえー」
変な相槌を打つヨル。
「つまり、ライヤさんに現地妻がいるって話ですね?」
「今までの何を聞いていた!?」
「流石に聖王国も聖女のありのままを国外に伝えるのはまずいと思ってるんだろうな。俺とアンも会うまで知らなかったし。『誰にでも分け隔てなく接する聖女』ってとこだろ?」
「そう聞いています」
「その情報自体には何の間違いはないからな。馬鹿すぎて貴族にも普通に話しかけるし」
ヨルは混乱しているようだが、本物を見れば逆に落ち着くだろう。
ミリアリアの適当っぷりは想像を超える。
聖王国の貴族はあまり身分に厳しくないのでミリアリアは生きられている。
「聖女という称号が能力だけで決まるというダメな側面だな。馬鹿なだけで悪いやつじゃないのが救いだが」
「王国の賢者様みたいなものですね」
「あぁ、そうだな……。あの爺さんもなぁ……」
称号と中身の乖離が激しい例だ。
「ま、そんなわけで聖女が裏にいるっていうのは考えられないんだ。いや、いるにはいるんだろうが、どうせ利用されているだけだ」
「凄い理論ですね……」
「それが通じるくらいには馬鹿なんだよ」
「でも、それでアンさんと仲が悪いのは?」
「あー。まぁ、自分で言うのもなんだけど。ミリアリアは別に俺のことを好きじゃない。だけど、自分の思い通りにならないからと体の関係を迫ったわけだな? で、断ったけど俺が聖王国にいる間はアプローチが続いたわけだ」
ライヤにアプローチするということは、隣にいるアンの目にも入る。
「それが気に入らなかったというか……」
「だっておかしいでしょ!? 好きでもない人に体で迫るなんて……!」
「……? ちょっと解釈が違ったみたいなんですけど。アンさんは聖女様がライヤさんに迫ったのが嫌だったわけですよね?」
「違うわよ。いや、そうかもしれないけれど。少なくとも当時は私はそういう認識をしていないわ。ミリアリアの考え方が嫌いなの」
「あぁ、そういう……」
ヨルは自分が助けられた時のことを思い出す。
あの時もアンは自分のこと以上に怒ってくれていた。
女性の尊厳という考え方が強いのだろう。
「でも! 本人が楽しんでいる以上! 止めるのも違うでしょ!? 否定すべきなのは私のライヤに手を出そうとしたことだけ! だから嫌い!」
「要するに、ミリアリアのやり方は嫌いだけど、ミリアリアが嫌々やっていることじゃない以上、止める必要じゃないだろ? でも、アンは納得がいかない。で、嫌いという結論に至ったんだが。嫌いというよりは意地になってるだけだと俺は思ってる」
「違うわ!」
顔を横に向け腕を組み、プンプンと怒っているその様子はまるで子供。
肩をすくめるライヤとの対比で一層そう見える。
「まぁとにかく。ミリアリアとの関係って言ってもその程度なもんだ。互いに話もロクにしていない。だから関係と言えば、顔を合わせたことがあるってくらいだ。あの馬鹿が俺のことをまだ覚えていたことに驚いたくらいだ」
「はえー」
変な相槌を打つヨル。
「つまり、ライヤさんに現地妻がいるって話ですね?」
「今までの何を聞いていた!?」
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