受験生でしたが転生したので異世界で念願の教師やります -B級教師はS級生徒に囲まれて努力の成果を見せつける-
実践テスト
「で、みんな勉強は進んでるか」
「「はーい!」」
順調なようだ。
『全員教師作戦』もライヤが音頭を取らずとも生徒たちだけで始めていた。
教師として、勉強に積極的なのは非常に喜ばしいことである。
「あと2日もすればテスト範囲が張り出されるだろうから、ちゃんと確認しとけよー」
「先生!」
「お、なんだゲイル」
「こんなのがあるなんて聞いてません!」
「そりゃ言ってないからな」
ゲイルが張り紙を指さしながら憤慨する。
「テストが4日もあるなんておかしいと思ってたんですよ!」
テスト4日目。
それは担任の教師との模擬戦である。
授業でも模擬戦は行っているが、テストでは何が違うのか。
「下の注意事項に書いている、『教師は一切の手加減をしないものとする』っていうのは何ですか!?」
「言葉通りの意味だよ。あぁ、もちろん殺すわけじゃないから安心してくれ」
「当たり前でしょう」
学年末テストの事情を既に知っていたらしいウィルとエウレア以外はもはやパニックである。
シャロンに至っては言葉を失って今にも気絶しそうな顔色をしている。
「シャロンさん!? 今からそんなことではテストまでもちませんよ?」
ウィルがケアしてくれているようだが、本当にテストでライヤと向き合った時にシャロンが意識を保てるかどうかははなはだ疑問である。
「まぁ、手加減しないって言っても俺B級だからさ。他のクラスの担任に比べれば対処はしやすいはずだぞ」
教師陣は普段のストレスを開放するかのようにでかい魔法を連発するのだ。
それこそ、平民のクラスでは一方的な蹂躙が行われる。
ライヤが生徒だった時は1年時に勝ってしまったので翌年から教師陣も、それこそライヤを殺してやるくらいの気概で臨んでいたので学園長が監視に当たるほどの盛り上がりを見せていた。
「アドバイスしておくと、俺には力押しが出来ないだろ? だから、何かしらの搦め手を使ってくると予想されるよな?」
「先生」
ウィルがウキウキと手を挙げる。
「先生に一発入れたらお願いを聞いていただけたりします?」
「え? うーん……」
体育祭の時は許可したが、少しでもモチベーションになればと思ってのことだ。
テストのモチベーションがそれでいいのか。
「……いいだろう。だが、本当に手加減しないからな?」
「もちろんです」
生徒という立場を最大限利用している。
「じゃあ、テストまであと2週間だ。用意を怠らないようにな」
「ライヤさん、私はどうしましょう」
「……あ、そっか。ヨルはどうしようもないもんな」
「魔法の技能を見るためのものですよね。私がやるとなると、先生に剣で斬りかかることになりますが」
「確かに、そういうテストじゃない。どうしようかな……」
学園長に確認取ってみるか……。
「特別枠でいいのでは?」
「生徒から文句が出ませんかね」
「テストの状況なんて同じクラスくらいしか互いに知らないですから、大丈夫でしょう。S
級の皆さんはヨルさんに理解があるのでしょう?」
「……そうですね、生徒を信じることにします」
「……あぁ、少し待ってください」
学園長室を後にしようとしたライヤは呼び止められる。
「アンさんから直々に学園に封書が届いてましたよ」
嫌な予感しかしない。
「内容はどんなものです?」
「……」
にっこりと笑って一度開けられた形跡のある封書を差し出してくる学園長。
―アジャイブ魔術学校へ
王国第一王女の名において、迫る戦争において1年S級担任のライヤ・カサンの招集求める。なお、大佐としての運用を考えているため、その旨伝えられたし
アン・シャラルー
「……大佐?」
馬鹿程階級が高い。
大佐ともなれば、一つの部隊を率いるのが当然な階級だ。
「やってんなぁあいつ……」
「「はーい!」」
順調なようだ。
『全員教師作戦』もライヤが音頭を取らずとも生徒たちだけで始めていた。
教師として、勉強に積極的なのは非常に喜ばしいことである。
「あと2日もすればテスト範囲が張り出されるだろうから、ちゃんと確認しとけよー」
「先生!」
「お、なんだゲイル」
「こんなのがあるなんて聞いてません!」
「そりゃ言ってないからな」
ゲイルが張り紙を指さしながら憤慨する。
「テストが4日もあるなんておかしいと思ってたんですよ!」
テスト4日目。
それは担任の教師との模擬戦である。
授業でも模擬戦は行っているが、テストでは何が違うのか。
「下の注意事項に書いている、『教師は一切の手加減をしないものとする』っていうのは何ですか!?」
「言葉通りの意味だよ。あぁ、もちろん殺すわけじゃないから安心してくれ」
「当たり前でしょう」
学年末テストの事情を既に知っていたらしいウィルとエウレア以外はもはやパニックである。
シャロンに至っては言葉を失って今にも気絶しそうな顔色をしている。
「シャロンさん!? 今からそんなことではテストまでもちませんよ?」
ウィルがケアしてくれているようだが、本当にテストでライヤと向き合った時にシャロンが意識を保てるかどうかははなはだ疑問である。
「まぁ、手加減しないって言っても俺B級だからさ。他のクラスの担任に比べれば対処はしやすいはずだぞ」
教師陣は普段のストレスを開放するかのようにでかい魔法を連発するのだ。
それこそ、平民のクラスでは一方的な蹂躙が行われる。
ライヤが生徒だった時は1年時に勝ってしまったので翌年から教師陣も、それこそライヤを殺してやるくらいの気概で臨んでいたので学園長が監視に当たるほどの盛り上がりを見せていた。
「アドバイスしておくと、俺には力押しが出来ないだろ? だから、何かしらの搦め手を使ってくると予想されるよな?」
「先生」
ウィルがウキウキと手を挙げる。
「先生に一発入れたらお願いを聞いていただけたりします?」
「え? うーん……」
体育祭の時は許可したが、少しでもモチベーションになればと思ってのことだ。
テストのモチベーションがそれでいいのか。
「……いいだろう。だが、本当に手加減しないからな?」
「もちろんです」
生徒という立場を最大限利用している。
「じゃあ、テストまであと2週間だ。用意を怠らないようにな」
「ライヤさん、私はどうしましょう」
「……あ、そっか。ヨルはどうしようもないもんな」
「魔法の技能を見るためのものですよね。私がやるとなると、先生に剣で斬りかかることになりますが」
「確かに、そういうテストじゃない。どうしようかな……」
学園長に確認取ってみるか……。
「特別枠でいいのでは?」
「生徒から文句が出ませんかね」
「テストの状況なんて同じクラスくらいしか互いに知らないですから、大丈夫でしょう。S
級の皆さんはヨルさんに理解があるのでしょう?」
「……そうですね、生徒を信じることにします」
「……あぁ、少し待ってください」
学園長室を後にしようとしたライヤは呼び止められる。
「アンさんから直々に学園に封書が届いてましたよ」
嫌な予感しかしない。
「内容はどんなものです?」
「……」
にっこりと笑って一度開けられた形跡のある封書を差し出してくる学園長。
―アジャイブ魔術学校へ
王国第一王女の名において、迫る戦争において1年S級担任のライヤ・カサンの招集求める。なお、大佐としての運用を考えているため、その旨伝えられたし
アン・シャラルー
「……大佐?」
馬鹿程階級が高い。
大佐ともなれば、一つの部隊を率いるのが当然な階級だ。
「やってんなぁあいつ……」
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