転生者、兵器道を極める

山風狭霧

第5章 第5話

 「近付いてくるぞ…」

 「まだだ。…200メートル、200メートルまで来たら撃つぞ」

 「魔法の最大射程、だっけか」

 「そうなのか?」

 「あぁ。前に司令が言ってたのを聞いたことがある」

 「小銃の有効範囲、か」

 「あぁ。…目標の数、12。全員が将校級の制服だ。階級章は見えん」

 「報告、終わらせてきたぞ。発砲許可が下りた」

 「あぁ、ライナーか…お前の銃はどこまで届く?」

 「800は余裕だ」

 「そうか…敵、前方900メートル。射程に入ったら威嚇射撃を行うぞ」

 「了解」

 



 「不明部隊が接近中?」

 「はい、その数12。将校級と思われます。それと、旗を上げていました」

 「旗?色は…この暗闇じゃ分からないか」

 「明色系の色だそうです」

 「なら、降参か、それとも騙し討ちか

 …近辺に展開する砲兵隊に連絡。歩兵部隊隷下の軽迫も使うぞ。機甲部隊にも連絡。東部方面隊ならルクスがあるはずだ」

 「了解しました!」





 「…」

 ひたすら足を進める。

 前方から、左方から、右方から。

 …背中からも。

 殺気を感じる。

 何かの駆動音…それこそ、帝国で見た魔導鉄道のような音が奥でしている。

 だが、歩みを止める訳にはいかない。

 我々は、部下の死を背負って行かなくてはならないのだ。





 「敵800メートル。威嚇射撃しろ」

 「いや、俺達の役目は無いぞ」

 「? どういうことだ」

 「奴らの後ろを見てみろ、例の斥候部隊だ」

 「あぁ、実戦試験をしてるって噂の…」





 「止まれ」

 突如、背後から声がかけられる。

 その声には、なんの感情もこもっていない。

 「そのまま手を上げて膝まづけ、でなければ殺す」

 「わかった…」

 「よし、今から手足を拘束するが下手な真似はよすことだ」

 「そんな事しないさ…できる訳が無い」

 「ならいいんだがな」

 何か柔らかく冷たい物が手首と足首につけられる。

 恐らく金属ではない。

 「動くなよ」

 腕に鋭い痛みが走りー





 特殊部隊「ブリッツ」

第一遊撃大隊 "The Un-Dead"
・攻撃歩兵隊「食屍鬼グール
…通常の遊撃任務を全うする部隊。
・威力偵察隊「木乃伊マミー
…少数の歩兵と数両の偵察車両(歩兵戦闘車や機動戦闘車によって編成)によって敵地の威力偵察を行う。
・高速機甲隊「妖星ドラウグル
…機動戦闘車によって電撃戦を行う。他に歩兵戦闘車によって目標地点への輸送も行う。
・前線空挺隊「復讐者レヴァナント
…戦闘の激化が避けられない最前線の早期戦闘終了を目的とする部隊。空挺降下によって敵司令部への攻撃を行う。
・航空輸送隊「黒装束ナズグル
…高速機によってレヴァナントの輸送を行う。敵地への高高度侵入のみを目的とした航空機集団。
・航空偵察隊「観測者スペクター

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