転生者、兵器道を極める

山風狭霧

第5章 全軍、攻撃せよ

 彼は元々、脳筋だ。

 いや、何も省みず突っ込む馬鹿、という訳では無い。

 だが、そこに戦略的ななにかがあるかと言われると少し…いや、結構返答に困る。

 彼が謳う軍隊の目標、「多数精鋭」が一番分かりやすい例だろう。

 つまり彼は強い兵士を大量に欲しい。なんとも欲張りなことだが。

 まぁ、それは置いておいて。

 彼は学園を研究生という形で授業を放棄し、ドワーフの大陸に攻撃を加えた。

 これも、彼の(浅はかな)考えのうちのひとつではあるのだが。

 (そもそも彼は前世で18歳で自殺しただけでありそこまで人生経験が積めてないというのもある)

 しかし、王国に戻る彼らには予想外でありながら嬉しい出来事が起きた。

 それは、『隣国との戦争』

 王国の領土は一つ一つが小国には勝る程の規模がある為、独自の交戦権がある。

 ここでまずガーランド領の軍を説明しよう。

 まず、陸軍は首都を含む中央隊、北部の冬には積雪する山脈部を担当する北部方面隊、森林の東部と高原の西部にそれぞれ方面隊。

 前から配備されている戦車の種類が変わったりと少し変化がある。

 俺達が開発したミネルヴァ、アルビオン、スルトの3機種は中央隊と海兵隊に装備され、レオパルドⅡが森林東部に、T-80とStrv.103が山岳北部、メルカバMk.1が高原西部に配置された。

 火砲扱いでは無い自走砲も更新され、ダナ自走榴弾砲が採用された。

 しかし艦艇と火砲、航空機は発展してるものの召喚では1940年代のものしか召喚できない。

 レベルアップのポイントも入手条件がわからない。

 正直ここはどうしようも無いところだ。

 弾薬の違いは全ての主砲をミネルヴァの口径に変更し、それに合わせて車体やエンジン等変更するという大掛かりのものとなった。

 他にも小銃の口径は7.62mmのHK417やSCAR-Hが採用され、5.56mmの小銃はあまり採用されていない。

 DMRにはG28とM110Aが、機関銃にはMG5、PKPが採用された。

 独自開発された特殊口径弾及び対応した火器は特殊部隊にのみ配備される。

 航空機は未だ電子装置等が開発出来ていないため新規開発は出来ない。

 艦艇も相変わらずだ。拡張案の「スサノオ」の内容では、完全な実現は6年後と予想されている。

 「スサノオ」の詳細はまた違う機会にさせてもらおう。

 だが、今回侵攻して来たのは厳密には隣国では無い。

 帝国側に着く隣国を経由して侵攻してきた国家だ。

 …その名も「竜騎国家・ラルド」。

 竜騎の名の通り、ワイバーンとそれを操る竜騎士によって巧みな攻撃を仕掛ける。

 しかも、ワイバーンに爆弾の入ったゴンドラを吊り、爆撃してくるというなんともいやらしい軍を持つ。

 その領土は帝国南部の島、「ゼラルダ島」であり、彼らはここを侵攻し、占拠するという計画を立てる。

 (まぁ後々には侵攻する予定だったが)

 まぁこれによってまだ未召喚であった空母や戦艦が召喚されることになる。

 赤城や加賀、蒼龍と金剛型等スサノオ計画では入れられていなかった鑑定も召喚されることとなる。

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