転生者、兵器道を極める

山風狭霧

第4章 第6話

ー臨時消防本部ー

 カーン、カーンと鐘が鳴る音がテントの中まで響いてくる。

 「何が起きてる!?」

 一番ここで偉いと思える人物が、テントの司令部とも思えるような場所で聞き始める。

 「街の中心部で火災が発生しました!
現在消火と負傷者の収容・手当を行っていますが火災の発生が内壁街です!夜間は門が閉じる為民間人の脱出がほとんど出来ていません!」

 「外壁街の民衆の一部が暴徒と化しました!脱出してきた内壁街の民間人を殺害しています!」

 部下の中の2人が現状を報告する。

 「軍は何をしているんだ!?」

 「軍なんて頼れませんよ!近くの基地は応答無し、街の兵士は内壁街に居るし暴徒になってる奴もいるんですよ!?」

 「落ち着けお前ら!!

…仕方がない、内壁の門を閉じろ」

 「なっ!」

 「まだ内部には多くの市民が居るんですよ!!」

 「そんなこと分かっている!!

 だが、外壁街にまで延焼したらどうするつもりだ!?

 内壁街は富裕層の街だ、精々市民の1割2割…」

 「っ…分かりました。門の開門作業を」




ーこの日、ポート共和国の首都、ゼブルは陥落した。

 外遊していた生き残りの政府関係者と軍部は唯一首都から脱出していた者が居た為、臨時政府は構成できた。

 しかし、城塞都市で大陸でも有名なゼブルがただの火災で内壁街…つまり中の富裕層や政府の重要施設が全滅したことにより、国力が低下した。

 しかし、それでも彼らの軍は驚異的であった。

 駆逐艦240隻、軽巡洋艦80隻、重巡洋艦50隻、前弩級戦艦12隻、弩級戦艦15隻、超弩級戦艦8隻、水上機母艦18隻。

 我々の戦力に換算するとこれほど大量の軍艦を一国が保持しているのだ。

 我々の持ちうる戦力で対抗できるのか。

 それは可能だ。

 だが、圧倒できるか?

 最も重要なのは数と、個々の力による力押しだ。

 つまり、多数精鋭。

 これは、彼らが第2次艦艇計画、スサノオの発案の発端となった。

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