第4章 遠征

 ーリュート大陸ガーランド領ビューゲル湾戦略地下軍港｢オルカ｣より巡航速度16ノット(約時速30キロメートル)にて第三艦隊第一水雷戦隊所属駆逐艦、第五艦隊支援部隊所属多用途水上機母艦及び揚陸艦･輸送艦にて構築された臨時艦隊が南東に位置する帝国領ザイル半島沖を経由しながらレンド大陸ポート共和国へと航行中ー

 ｢全艦に通達、旗艦『神威』及び『秋津洲』、『神州丸』、『瑞穂』によって給油を行う｣

 この主な水上機母艦は、航空機運用能力を保持しながら、指揮能力や給油能力を追加し改造したものである。

 ｢これからザイル半島沿岸部に接近する。飛行魔獣･魔物の接近が予想される。対空警戒を厳に｣

 ｢対空警戒を厳に｣

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 ｢前方に帝国籍と思われる3隻のフリゲート｣

 ｢砲撃戦で仕留めるぞ｣

 ｢砲撃戦了解｣


 二十数隻の駆逐艦の主砲が一斉に駆動する。その砲門数は80門を超え、弾幕を形成する。

 ｢敵影無し、全艦撃沈！｣

 ｢右舷からワイバーン接近中！数は50！1分後に主砲射程に入ります！｣

 ｢全艦、主砲を右舷に！最大戦速！敵を1匹残らず叩き落とせっ！｣

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 艦隊左端 第三艦隊第一水雷戦隊所属睦月型駆逐艦五番艦｢皐月(DD-315)｣

 ｢見えました！9時の方向16km先！｣

 ｢せっかく時間をかけて改装したんだ、存分に暴れろ！対空射撃！撃ぇ！！｣

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 ｢左端のDD-315が迎撃を開始。現在2体を撃墜｣

 ｢零観は出せるか？｣

 ｢出せます！｣

 ｢よし、順次射出しろ！｣

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 ｢2時の方向！！突撃してくるぞ！｣

 ｢目標600ｍ！！｣

 ｢機関砲撃ぇー！｣

 ｢直上ー！衝撃に耐えろぉー！｣

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 ｢へへっ…観測機だからって舐めんじゃねぇぞ！｣

 ｢大漁だな！｣

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 ｢零観です！零観の航空支援です！｣

 ｢間に合ったかっ…！反撃だ！｣

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 ｢なんとか切り抜けたか…｣

 ｢ですが零観1機が撃墜、皐月が小破…ここは空母や戦艦はまだしも巡洋艦レベルも召喚すべきでは？｣

 ｢今は無理だな…訓練の時間がない。あっちに着いたら、だな｣

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〈睦月型駆逐艦改造型〉

-武装-

｢15cm連装砲4基8門｣
…陸軍の五式十五糎高射砲を連装砲として4基(第二砲塔を第一魚雷発射管を撤廃した場所に、第一砲塔より高く船体に装甲･設備を増設した後設置)

｢40mm連装機関砲4基8門｣
…旧来の第二砲塔、第二魚雷発射管を撤廃し設置･増設

ｰ船体ｰ

･排水量 1850トン
･全長     118メートル
･出力     42500馬力
･速力     35.6ノット
･乗員     168名