転生者、兵器道を極める

山風狭霧

第2章 第4話 領土

 アーリー公爵家と隣する2つの貴族家が事実的に滅びた為、王命によりアーリー公爵家が領土を広めることとなった。

 …この国は貴族家が少ない。替わりの貴族家すら見つからなかったのだろう。

 まぁ、そこで《セイレーン》との交戦や裏切り、アイギスの発現等をなしえた俺にも褒美が出ることになった。

 本当は未だ残るアーリー公爵家の敵対派が俺の父さんだけに力が集中することを恐れ、他の貴族へも分配しようとしたのだろう。

 まぁ、敵対派もそんな上手くいくわけない。そしてまんまと俺はアーリー公爵家の交渉の道具に使われたわけだ。

 そもそもこの国の貴族とは、アイギスを発現できる者のみがなれたといい、貴族家自体が不足しているのもこれが原因だ。

 …話を戻そう。

領土というのも、海に面し、港を持つ街が数個と比較的大きい街セボン、それと大きなビューゲル湾という湾1つである。帝国と面しているとかそういう面倒な話題はよそう。俺だって敵対したかない。

 でも、これなら港をつくれるのだ。港を。

 こんな早くにつくれるとは思っていなかった。正に棚からぼたもちだ。

 しかし、肝心の魔力量が足りない。

 …まぁ、船の建造ならばせめて設計を少し変えた方がいいだろう。

 魔力を使ったエンジンやら武装やらもつけれるはずだしな。ミネルヴァでさえ試製の魔導反動制御装置を使って148mm砲を使えるのだ。

 戦艦ならばもっと反動が大きい主砲を積んでも、大型のこれを使えばいける。大和型ならば51cm三連装砲なんてのも軽々いけるだろう。

 それと今は8月だが、9月からは学園に入学する。

 帰って来れるのは4月辺りだろう。

 それまで代理を置くしかない、ということで…

 「アダマント基地を領土に引っ張ってきました」

 「おおー!指揮官すっごーい!!!」

 「ちょ、ちょっと待ってください!?」

 「どうしたギルバルト。ただ単に新しく発現した時空間魔法を試しただけだぞ?」

 「そんな試しに基地を使わないでください!?」

 「あぁ、基地はセボンの俺の館の真下にあるからな、バレる心配はない。山脈もあるから航空機の運用も今まで以上にバレにくくなるぞ」

 「そこじゃないんですよ!?」

 「あぁ、艦艇の建造の話か?建造予定の空母8隻、戦艦16隻は船体は既に召喚済みだ。今頃既に艤装の建造と内装工事が着工されてるだろう。さすがに主砲やらなんやらを変えなくちゃいけなくてな」

 さすがに駆逐艦やら巡洋艦は手間が掛けられず、召喚になるが。

 …まぁこれだけで1ヶ月間寝込むくらいの魔力消費はあった。死ぬかと思った(泣)

 でも艤装の建造だけでも数十ヶ月、下手したら学園卒業の4年後までに終わるかどうか。実を言うと魔導装置の開発次第だ。

 まぁ、それまでみんなには頑張ってもらおう。

 「はぁ…まぁいいです。それであなたのお父さんの許可は?」

 「そんなものある訳無いだろう。ここの領主は俺であって父さんではないし、親子というコネが使えるだけの関係だ」

 「すごいドライな関係なんですね…」

 ちなみに従者は居ない。近衛部隊はいるが。

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