転生者、兵器道を極める

山風狭霧

第1章 第22話 手榴弾

 バイクを飛ばすが、別荘から400キロ程離れている。

 大体横浜から仙台ぐらい?

 今は時速60キロぐらいで飛ばしている為、サイルに戻るには7時間ぐらい。

 ただ出たのが正午過ぎ。サイルの城壁は5時には閉じ、朝の5時に開く。

 つまり何処かで野営をする必要がある。

 焚き火やテントを用意し、レーションを食す。

 「おーい、そろそろ寝るぞー?」

 「ん、分かった〜ちょっとまって〜」

 そう間延びする声で彼女は愛銃、G41の手入れをしながら答える。






 ガサガサと、嫌な足音がする。

 …多分足音からして人型。しかしこの森の浅さでは強力な人型など出てくることは無い。つまり山賊。

 《物質保存》から先に収納しておいたサプレッサーが付いたUMP45を416cと悩みながら召喚する。

 暗視装置が着いたヘルメットを被り、その四ツ目で周囲を索敵する。



 …見つけた。

 斧持ちが5、短剣持ちが3、弓が2。

 弓は既に引き絞られている。

 固まっているな。そう来るなら…

 グレネードのピンを抜き、2秒ほど待つ。

 …今!

 敵の場所へぶん投げ、未だ寝ているライリーに覆いかぶさりながら耳を塞ぐ。



 バァンッ!!!!



 そう音が響きながら、爆風と破片が背中に少しばかり突き刺さる。

 大分近くまで来ていたので、負傷してでもこうした方が良かっただろう。

 そして即座に立ち上がりながらUMP45を敵に向けて射撃する。

 サプレッサーによる独特な低音が辺りを響かせる。





 結局その日は警戒したままだった。

 しかしどうやらライリーの熟睡具合は耳を塞いでいたとしてもグレネード程度では気にならないらしい。

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