転生者、兵器道を極める

山風狭霧

第1章 第19話 新装甲車構想

「これより、第3次基地拡張計画会議を始めます」

 もう1人の副官ラインザーク・ギルバルトが各部門の最高責任者の面々に向かって開始を淡々と告げる。

 「まずは新設された空軍航空部隊からお願いします」

 そう、今回の「森林部侵攻部隊救援作戦」によって急増した航空機と地上滑走路、格納庫の管理を陸軍のみが管理するには荷が重い。

 そこで新設された空軍は陸軍、海軍と続き設置された部隊であり、2番目の実質的な実働部隊となっている。

 「はい、こちら航空部隊からの要求は2つです。
①双発、もしくは4発のペイロードが多い爆撃機の開発・量産。
そして
②更なるジェット機の配備。
以上です」

 「了解しました。航空技研の人員を増加させます。それと指揮官にも航空機レベルを上げることを提言しておきます」

 そして彼は一呼吸起き、

 「次は空軍管制部隊、お願いします」

 空軍航空部隊が戦闘部隊とすると、管制部隊は後方支援、となるだろう。滑走路や期待の整備から建設なども行える万能部隊だ。

 「はい、こちら管制部隊からの要求は3つ。
①早急な警備部隊の配備。
②燃料貯蔵庫の増設。
③整備部隊の人員増加。
以上です」



〜以下、中略〜



 「こちら機甲部隊としての要求は2つ。マングースBTR-60より打撃力があり、レーベティーガーⅡより軽快な装甲戦闘車両…つまり『MCV機動戦闘車』の開発です」

 つまり、MBTの攻撃能力と装甲を引き継ぎながらもAFV並の軽快さが求められる、ということ。

 「100mm並のライフル砲を有し、MBTに追随可能な不整地突破能力。
これを持つ装甲ユニットを早急に開発し、配備すべきです」

 その言葉の後に、彼は少しの間を空けて話し出す。

 「…そして今回はあり物の改造ではなく自主開発をすべきです」

 「自主開発」という言葉の重みは会議に参加している者達にざわめかせるのには十分であった。

 「複数の装甲車等の特徴や長所、その全てを組み合わせ、主砲も仕組みは流用した方がいいでしょう」

 「そこで2つ目の要求です─」





 「ふむ…機甲部隊は大きく出たな」

 会議の内容を纏めた報告書を読みながら呟く。

 「む〜…全然分からないよ〜…」

 俺の読んでいる報告書を覗き込み、読もうとしてライリーが四苦八苦している。

 全く可愛いやつだ。

 「要するにもっと強い戦車を開発する為に、俺に

 『スキルのポイントを割り振れ』

 と言っているのさ」

 実際には彼の言った言葉は「技術力の更なる飛躍」、としか言っていない。

 だが、そこの中身を敢えて言わないということは既に答えは1つだ。

 その言葉を聞いてライリーは─

 「む〜何ソイツ!生意気!私がやっつけてくる!」

 …血気盛んだな。

 「まぁまぁ、あいつらも基地の事を考えて言ってくれてるんだ、無下には出来ないさ」

 「指揮官さんがそう言うならいいや〜」

 そう言いながらライリーはどこかへ行ってしまった。

 確か…今あるポイントはいくつだろうか。

 航空機は震電改とか火龍から研究させてるけどいかんせん全ての部位を、だ。

 時間が掛かる。そこで新しい機体を研究させても効率が落ちるだけだ。

 となると…戦車辺りの《車輌》に割り振るのが吉、か。

 そう思いながらスキルとペアリングさせたパソコンでポイントを確認する。

 あったあった…


 ー兵器ー 所持解放ポイント:20

 ・Lv.2 艦艇
 ・Lv.3 車輌
 ・Lv.2 航空機
 ・Lv.2 重火器
 ・Lv.10 小火器
 ・Lv.10 装備 
(Lv.1=〜1930年代
 Lv.2=〜1940年代
 Lv.3=〜1950年代
 Lv.4=〜1960年代
 Lv.5=〜1970年代
 Lv.6=〜1980年代
 Lv.7=〜1990年代
 Lv.8=〜2000年代
 Lv.9=〜2010年代
 Lv.10=消費魔力を半減)


 車輌の解放は今1950年代だな。

 解放には4ポイントと次はそれの二乗の16ポイントだ。

 前の魔物狩りとまだ低レベルであることからポイントは溜まりやすいが…

 最近は成長が低迷気味だ。久しぶりに師匠に手合わせしてもらうのもいいかもな。

 …最悪艦艇は第二次世界大戦レベルの設計図のみを出して改造する方がいいかもしれない。

 ふむ、装甲車となるならばストライカーファミリーのようにした方がいいな。

 技研にはストライカー装甲車の原型、「ピラーニャ」を1970年代のLv.5まで上げて召喚する。主砲については六一式戦車やレオパルト1、MBT-70を参考にする。

 そうなるとレーベも近代化改修が必要だな…

 増加装甲として傾斜装甲でも取り入れてみるか。楔型砲塔にして、IV号戦車のようにさらなる追加装甲も採用しよう。

 あとは主砲、機銃に機関砲も軒並み換装だ。

 …これは戦車技研にも人員を振らなければ。

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