転生者、兵器道を極める
第1章 第13話 救援要請
 『CP、こちらHQ。これにて作戦を完了。自走砲部隊帰還準備。砲撃陣地には臨時編成の回収部隊を送る。オーバー。』
 『こちらCP了解。オーバー。』
 『こちらCP、全自走砲は反転。基地に直接帰投せよ。オーバー。』
 『こちらセイバー1。第1自走砲大隊から撤退する。オーバー。』
 『こちらCP。3個軽砲大隊は撤退準備。回収部隊が向かう。』
 『こちらフォックストロット1。了解。砲撃陣地アルファから順に回収を要請する。オーバー。』
 『こちらCP。Wilco。オーバー。』
 『こちらCP。回収部隊は砲撃陣地アルファから回収に向かえ。オーバー。』
 『こちらホテル1。了解。第1部隊として牽引車18輌、戦車6輌が出撃。オーバー。』
 よし、部隊も撤退を始めた。
 あとは…
 「…ボウズ、やるな」
 ふぅむ。まだ話せるのはこの人だけみたいだ。
 「えぇ、やりましたよ。他の人の傷の手当もあります。早く帰りましょう」
 こちらにも負傷者が出ている。程度がわからない以上、早急な撤退が必要だ。
 「おう…だが、今動けるのは…」
 男が周りを見渡すが…
 腰を抜かすもの、気絶するもの、開いた口が塞がらない…と死屍累々。
 この状態では撤退はおろか立て直すことや自衛すら出来ない。
 このままではまずい、非常に。
 更には日が沈みつつある。
 この場合、夜間行動をしてでも撤退するか、翌日まで野営をして留まるかの決定をグループリーダーは判断しなくてはならない。
 しかもこの場合の撤退では、負傷者全員を連れて行ける訳では無いのだ。
 「どうしますか?撤退ですか?野営ですか?」
 「あ、あぁ…ちょっと待ってくれ」
 「今決めてください。もうすぐで日が完全に沈みます。その場合我々の生存すら困難になる」
 うじうじと決めれない…が仕方の無いことだ。なにせパーティは彼を除いて全滅。死んではいないが…死んでいないだけなのだから。
 
「チッ…『こちら《コマンダー》ズールー。HQ、応答願う。オーバー。』」
 「…野営だ。野営をする」
 …遅い。だがまぁその選択は多数を救うという意味では正解だろう。
 「俺の仲間を呼びます。少々珍しいドワーフ製の武器を持ってきますがいいですね?」
 ここは珍しいドワーフ製の武器、嘘をついていたほうがいい。
 「あ、ああ。…喜んで」
 『こちらHQ。オーバー。』
 「『こちらズールー。救援要請。機甲部隊の支援を要請する。オーバー。』」
 『こちらHQ。roger out。』
 「よし、これであと少しで到着します。それまでは2人で対処しましょう」
 『こちらHQ。ズールー、応答願う。オーバー。』
 「『こちらズールー。オーバー。』」
 『こちらHQ。そちらに2個重戦車中隊及び1個機甲偵察中隊を送る。オーバー。』
 「『こちらズールー。救援に感謝する。Roger out。』」
これで重戦車16輌、軽戦車9輌、装甲兵員輸送車8輌が到着する。
 十分すぎる量だが、これくらいないと安心出来ない。今の俺ですら、この森を一夜過ごすのは無謀がすぎる。
 「よし、負傷者全員を1箇所に集めましょう」
 「…分かった」
 まだ仲間の生死が気になるようだから、少しだけサボらせてあげよう。
 「…あなたは、仲間を見てきてあげてください。…それ以外の方々はどうしますか?」
 気絶するものはおいといて、他の心ここに在らず、みたいな顔をしてる奴らだ。
 「おい、お前ら」
 少し乱暴な言い方をすると、こちらに目を向けるが…焦点が合ってない。
 …しかも全員腰を抜かしてるし
 〜ある戦車兵〜
 「救援部隊は準備急げ!!」
 現場監督のような部隊長が皆に催促する。
 まぁその気持ちは分かる。なにせ、我らが指揮官、テオバルト少将が直々に要請されたからだ。
 「こちら1個戦車中隊準備完了しました!」
 「よし、先に戦車中隊を上げろ!」
 『第1大型エレベータ、発進します。』
 甲高い警告音、女性の声に似せた機械音声と共にエレベータのロックが外れる音が車内まで響く。
 このエレベータは指揮官が唯一召喚ではなく建設したものだ。その工期は人海戦術によって大幅に短縮され、僅か1ヶ月で完成した。
 巨大なエレベーターが計16輌の重戦車を軽々と運んで行く。
 『第1大型エレベータ、基地最上層部まで到達。』
 『地上開閉扉の開扉が開始されます。』
 再びなる警告音と機械音声。
 今まで車内灯と橙色の蛍光灯しか見えなかったのが、まるで閃光手榴弾のように外の光が入ってくる。
 そのまま扉はスライドしていく。
 『第1大型エレベータ開閉扉、開放完了。』
 厚さ数メートルもある開閉扉が完全に開ききると、何処とも無く一種の達成感や高揚が湧き上がる。
 それは同僚も同じようで皆少しばかり興奮している。男のロマンってやつだからな。
 『こちらティーガー01。地上に到着したら索敵及び脅威の排除を行え。』
 「ラジャーっと…」
 扉と接してる面はそのまま地上に進めるように斜面となっている。
 そこに突然─
 『ティーガー08より2時の方向!』
 一番に接敵したティーガー08から無線が入る。
 俺が乗ってるティーガー03が地上に着いた時には戦車用の特殊消音器によって発生する独特な砲撃音は止んでいた。
 『こちらCP了解。オーバー。』
 『こちらCP、全自走砲は反転。基地に直接帰投せよ。オーバー。』
 『こちらセイバー1。第1自走砲大隊から撤退する。オーバー。』
 『こちらCP。3個軽砲大隊は撤退準備。回収部隊が向かう。』
 『こちらフォックストロット1。了解。砲撃陣地アルファから順に回収を要請する。オーバー。』
 『こちらCP。Wilco。オーバー。』
 『こちらCP。回収部隊は砲撃陣地アルファから回収に向かえ。オーバー。』
 『こちらホテル1。了解。第1部隊として牽引車18輌、戦車6輌が出撃。オーバー。』
 よし、部隊も撤退を始めた。
 あとは…
 「…ボウズ、やるな」
 ふぅむ。まだ話せるのはこの人だけみたいだ。
 「えぇ、やりましたよ。他の人の傷の手当もあります。早く帰りましょう」
 こちらにも負傷者が出ている。程度がわからない以上、早急な撤退が必要だ。
 「おう…だが、今動けるのは…」
 男が周りを見渡すが…
 腰を抜かすもの、気絶するもの、開いた口が塞がらない…と死屍累々。
 この状態では撤退はおろか立て直すことや自衛すら出来ない。
 このままではまずい、非常に。
 更には日が沈みつつある。
 この場合、夜間行動をしてでも撤退するか、翌日まで野営をして留まるかの決定をグループリーダーは判断しなくてはならない。
 しかもこの場合の撤退では、負傷者全員を連れて行ける訳では無いのだ。
 「どうしますか?撤退ですか?野営ですか?」
 「あ、あぁ…ちょっと待ってくれ」
 「今決めてください。もうすぐで日が完全に沈みます。その場合我々の生存すら困難になる」
 うじうじと決めれない…が仕方の無いことだ。なにせパーティは彼を除いて全滅。死んではいないが…死んでいないだけなのだから。
 
「チッ…『こちら《コマンダー》ズールー。HQ、応答願う。オーバー。』」
 「…野営だ。野営をする」
 …遅い。だがまぁその選択は多数を救うという意味では正解だろう。
 「俺の仲間を呼びます。少々珍しいドワーフ製の武器を持ってきますがいいですね?」
 ここは珍しいドワーフ製の武器、嘘をついていたほうがいい。
 「あ、ああ。…喜んで」
 『こちらHQ。オーバー。』
 「『こちらズールー。救援要請。機甲部隊の支援を要請する。オーバー。』」
 『こちらHQ。roger out。』
 「よし、これであと少しで到着します。それまでは2人で対処しましょう」
 『こちらHQ。ズールー、応答願う。オーバー。』
 「『こちらズールー。オーバー。』」
 『こちらHQ。そちらに2個重戦車中隊及び1個機甲偵察中隊を送る。オーバー。』
 「『こちらズールー。救援に感謝する。Roger out。』」
これで重戦車16輌、軽戦車9輌、装甲兵員輸送車8輌が到着する。
 十分すぎる量だが、これくらいないと安心出来ない。今の俺ですら、この森を一夜過ごすのは無謀がすぎる。
 「よし、負傷者全員を1箇所に集めましょう」
 「…分かった」
 まだ仲間の生死が気になるようだから、少しだけサボらせてあげよう。
 「…あなたは、仲間を見てきてあげてください。…それ以外の方々はどうしますか?」
 気絶するものはおいといて、他の心ここに在らず、みたいな顔をしてる奴らだ。
 「おい、お前ら」
 少し乱暴な言い方をすると、こちらに目を向けるが…焦点が合ってない。
 …しかも全員腰を抜かしてるし
 〜ある戦車兵〜
 「救援部隊は準備急げ!!」
 現場監督のような部隊長が皆に催促する。
 まぁその気持ちは分かる。なにせ、我らが指揮官、テオバルト少将が直々に要請されたからだ。
 「こちら1個戦車中隊準備完了しました!」
 「よし、先に戦車中隊を上げろ!」
 『第1大型エレベータ、発進します。』
 甲高い警告音、女性の声に似せた機械音声と共にエレベータのロックが外れる音が車内まで響く。
 このエレベータは指揮官が唯一召喚ではなく建設したものだ。その工期は人海戦術によって大幅に短縮され、僅か1ヶ月で完成した。
 巨大なエレベーターが計16輌の重戦車を軽々と運んで行く。
 『第1大型エレベータ、基地最上層部まで到達。』
 『地上開閉扉の開扉が開始されます。』
 再びなる警告音と機械音声。
 今まで車内灯と橙色の蛍光灯しか見えなかったのが、まるで閃光手榴弾のように外の光が入ってくる。
 そのまま扉はスライドしていく。
 『第1大型エレベータ開閉扉、開放完了。』
 厚さ数メートルもある開閉扉が完全に開ききると、何処とも無く一種の達成感や高揚が湧き上がる。
 それは同僚も同じようで皆少しばかり興奮している。男のロマンってやつだからな。
 『こちらティーガー01。地上に到着したら索敵及び脅威の排除を行え。』
 「ラジャーっと…」
 扉と接してる面はそのまま地上に進めるように斜面となっている。
 そこに突然─
 『ティーガー08より2時の方向!』
 一番に接敵したティーガー08から無線が入る。
 俺が乗ってるティーガー03が地上に着いた時には戦車用の特殊消音器によって発生する独特な砲撃音は止んでいた。
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