転生者、兵器道を極める
第1章 第5話 開かれた「冒険者」の道
  B級冒険者「ダリル」は比較的有名な冒険者であった。
 その耐久力から、パーティ「土人形」のタンク役として活躍していた。
 近々Aランクになる予定で。
 死ぬなんてことは考えてなくて。
 まるで、人間の、子供に。
 機械音と共に、衝撃も、閃光も、声すらも届かなくなる。
 まるで、自分の存在を─
 自分が生きる場所を─
 自分という強さを─
 見せつけるように。
 40発のマガジンが全てを吐き出し、満足したように硝煙をたなびかせる。
 目の前には頭を蜂の巣にした男と、薬莢がばら撒かれているのみ。
 あぁ、殺ってしまった。
 うーん、これは犯罪者になっちゃうのかな。
 それは少し困っちゃうな。
 ─ダリル・E・ラスカルを殺害─
 ─全てのロックが解除されます─
 ーLv Upー
 ーLv Upー
 ーLv Upー
 ・
 ・
 ・
 …あぁ、確か初めて殺人すると全ロック解除か。
 それは1930年代の兵器が操れるということ。
 確かギリギリT34とか陽炎型駆逐艦、飛龍
にシャルンホルスト辺りか。
 まぁこの兵器群があればティア王国がどれほどのものかはあまり分からないが突破は可能だろう。
 よし、逃げよう。
 そう思ったんだが…
 「ふむ、キミの武装はダリルの防御力を破ったばかりでなく体力も数発で削り取ったのか」
 「しかし、それ程の武器を使う本人も高度な訓練と高いステータスが必要だ」
 「ふむ…」
 なんだこいつ…
 まぁいい、帰るか。そう言えばレーションも現代までのが開放されてたんだ。
 それ食うか。
 「ねぇ、キミ」
 …?俺のことか?こういう手合いは無視するに限るな。
 「おい、ガキ。聞いてんのか?」
 ─刹那、殺意が噴き出される。
 《物質保存》から既に自分の体に合わせた
《王者たる命》を肉体に沿わせるように召喚する。
 そして左腕に《深淵の宝石》を召喚。
 「ふむ、召喚魔法?いや、それとは根本的に異なるな。ますます君を引き入れたくなってきた!!」
 彼の長剣が1番鎧が薄い部分─
 《死神》を振るうが為に軽量化された右手を狙う。
 (そうはさせないぞ。)
 咄嗟に半身に構え、そして左腕の盾剣で防ぐ。
 そして敵が長剣を引いた瞬間、突っ込む。
 上段から振り下ろされる盾剣は防がれる─
 が、俺は速度を緩めず─
 「お腹ががら空きだよ?」
 彼が放ったのは、ただの「蹴り」。
 膝蹴りでも、回し蹴りや飛び蹴りでもない。
 それだけで─
 俺は血を吐き出しながら建物の壁にまで吹っ飛んだ。
 ─理解した。理解させられた。こいつは全力を投入すべきだと。
 ─そうだ。最初から相手の戦力を見間違え、あまつさえ戦力の逐次投入など─
 ─最初から負けている─
 「まだまだ甘い。甘すぎる。素材が良すぎるが故に目立つ未熟さが─」
 取っておきの《透槍》を放つ。
 ─彼の肩が、吹き飛んでいた。
 「…部位、欠損?」
 彼がまるで幻でも見るように─
 「部位欠損は魔人か魔物としか使えないはずだ…」
 「魔人の使う魔法も、スキルも両方に当てはまる」
 あっ魔人が使う魔法も部位欠損起きるのね
 「魔人が使う魔法は闇魔術だけだ…」
 「まさか、魔人が秘密にしていた魔法…?」
 「そんなことはありえない。あいつらはいつだって自分達の力を見せびらかすものだ」
 「ならば時空間魔術か…?なら…」
 「あぁ、そういう事か。」
 なんか1人で納得しちゃったぞこいつ。
 「ふむ、キミをA級冒険者として特別昇進しようと思う」
 「…は?」
 こんなこと言うってことは、こいつギルドの職員か?
 「あぁ、慰謝料はいくらでも払おう」
 いや、待てよ…これは元々の目的を達成してるではないか。
 「ふむ…」
 「な、なら!S級でもいい!」
 …さすがにそれはやりすぎだ。S級は世界に十数人しかいない。
 「ギルド長!S級は本部の認証が必要です!」
 …え?こいつがギルド長?
 「…いえ、A級でいいです。
─さぁ、ギルド長さん。「交渉」を始めましょうか?」
 《透槍》…時空間魔術下級魔法。
 空間に断裂を起こす槍状の魔力を飛ばす。  
 その耐久力から、パーティ「土人形」のタンク役として活躍していた。
 近々Aランクになる予定で。
 死ぬなんてことは考えてなくて。
 まるで、人間の、子供に。
 機械音と共に、衝撃も、閃光も、声すらも届かなくなる。
 まるで、自分の存在を─
 自分が生きる場所を─
 自分という強さを─
 見せつけるように。
 40発のマガジンが全てを吐き出し、満足したように硝煙をたなびかせる。
 目の前には頭を蜂の巣にした男と、薬莢がばら撒かれているのみ。
 あぁ、殺ってしまった。
 うーん、これは犯罪者になっちゃうのかな。
 それは少し困っちゃうな。
 ─ダリル・E・ラスカルを殺害─
 ─全てのロックが解除されます─
 ーLv Upー
 ーLv Upー
 ーLv Upー
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 …あぁ、確か初めて殺人すると全ロック解除か。
 それは1930年代の兵器が操れるということ。
 確かギリギリT34とか陽炎型駆逐艦、飛龍
にシャルンホルスト辺りか。
 まぁこの兵器群があればティア王国がどれほどのものかはあまり分からないが突破は可能だろう。
 よし、逃げよう。
 そう思ったんだが…
 「ふむ、キミの武装はダリルの防御力を破ったばかりでなく体力も数発で削り取ったのか」
 「しかし、それ程の武器を使う本人も高度な訓練と高いステータスが必要だ」
 「ふむ…」
 なんだこいつ…
 まぁいい、帰るか。そう言えばレーションも現代までのが開放されてたんだ。
 それ食うか。
 「ねぇ、キミ」
 …?俺のことか?こういう手合いは無視するに限るな。
 「おい、ガキ。聞いてんのか?」
 ─刹那、殺意が噴き出される。
 《物質保存》から既に自分の体に合わせた
《王者たる命》を肉体に沿わせるように召喚する。
 そして左腕に《深淵の宝石》を召喚。
 「ふむ、召喚魔法?いや、それとは根本的に異なるな。ますます君を引き入れたくなってきた!!」
 彼の長剣が1番鎧が薄い部分─
 《死神》を振るうが為に軽量化された右手を狙う。
 (そうはさせないぞ。)
 咄嗟に半身に構え、そして左腕の盾剣で防ぐ。
 そして敵が長剣を引いた瞬間、突っ込む。
 上段から振り下ろされる盾剣は防がれる─
 が、俺は速度を緩めず─
 「お腹ががら空きだよ?」
 彼が放ったのは、ただの「蹴り」。
 膝蹴りでも、回し蹴りや飛び蹴りでもない。
 それだけで─
 俺は血を吐き出しながら建物の壁にまで吹っ飛んだ。
 ─理解した。理解させられた。こいつは全力を投入すべきだと。
 ─そうだ。最初から相手の戦力を見間違え、あまつさえ戦力の逐次投入など─
 ─最初から負けている─
 「まだまだ甘い。甘すぎる。素材が良すぎるが故に目立つ未熟さが─」
 取っておきの《透槍》を放つ。
 ─彼の肩が、吹き飛んでいた。
 「…部位、欠損?」
 彼がまるで幻でも見るように─
 「部位欠損は魔人か魔物としか使えないはずだ…」
 「魔人の使う魔法も、スキルも両方に当てはまる」
 あっ魔人が使う魔法も部位欠損起きるのね
 「魔人が使う魔法は闇魔術だけだ…」
 「まさか、魔人が秘密にしていた魔法…?」
 「そんなことはありえない。あいつらはいつだって自分達の力を見せびらかすものだ」
 「ならば時空間魔術か…?なら…」
 「あぁ、そういう事か。」
 なんか1人で納得しちゃったぞこいつ。
 「ふむ、キミをA級冒険者として特別昇進しようと思う」
 「…は?」
 こんなこと言うってことは、こいつギルドの職員か?
 「あぁ、慰謝料はいくらでも払おう」
 いや、待てよ…これは元々の目的を達成してるではないか。
 「ふむ…」
 「な、なら!S級でもいい!」
 …さすがにそれはやりすぎだ。S級は世界に十数人しかいない。
 「ギルド長!S級は本部の認証が必要です!」
 …え?こいつがギルド長?
 「…いえ、A級でいいです。
─さぁ、ギルド長さん。「交渉」を始めましょうか?」
 《透槍》…時空間魔術下級魔法。
 空間に断裂を起こす槍状の魔力を飛ばす。  
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