幼馴染の妹の家庭教師をはじめたら疎遠だった幼馴染が怖い 〜学年のアイドルが俺のことを好きだなんて絶対に信じられない〜
久しぶりの帰り道
「勘弁してくれ……」
今から明日の学校が気が重い。いや明日は休みか。良かった。いやでもダメージを背負う時間が長引いただけな気もする。
「あははー。康貴にぃ、元気だして?」
「お前のせいだからな!」
「わー!」
髪の毛を強めにグリグリとやってやったが、まなみの方はそれでも楽しそうに笑うだけだ。
あれから逃げるように学校を離れ、ようやく落ち着ける場所まで出てきたところだった。
「まなみ。こういうのはもうやめなさい」
「えー……」
なし崩し的に一緒に帰ることになった愛沙からも注意が飛ぶ。
「康貴も困ってるじゃない」
「困ってるのー? 康貴にぃ?」
2人揃って困らされたのでコメントがしづらい……。
黙っているとまなみはニヤリと笑ってくっついてきて、愛沙の視線が鋭く歪んだ。
双方良い方と悪い方に勘違いしている。
「康貴にぃは優しいから大丈夫だよねー?」
「そう……。まなみと楽しく帰ってくればいいわね」
「おい」
一気に不機嫌になった愛沙をどうしようかと悩んでいたら俺にくっついていたまなみが飛び出すように愛沙に抱きつきにいった。
「おねーちゃーん!」
「きゃっ」
可愛らしい叫び声。
「ひゃっ!」
そしてまた可愛らしい声が漏れる。これはくっつきにいったまなみがそのまま耳元でなにか囁いたせいだ。よく聞こえないが愛沙の表情が徐々に柔らかくなってるのを見ると、なんかしらフォローを入れてくれているらしい。
ただいちいち「んっ」とか「ひゃっ……ちょっと近すぎるわよ」とか聞こえてくるのはやめてほしい。妙な気持ちになる。
しばらく小声でなにか囁き合って、ため息を吐きながら愛沙が隣に並んだ。
「はぁ……仕方ないわね……」
「えへへ。私はお姉ちゃんも康貴にぃも大好きだから! 一緒に帰りたかったの!」
「はいはい……」
仕方なさそうに笑って頭を撫でる愛沙。やっぱり睨んでなければ、ほんとにかわいいな……。
「なに?」
と、見ていたのがバレていつもの顔に戻ってしまう。
「康貴にぃはお姉ちゃんに見惚れてたんだよ」
「なっ?!」
まなみの言葉に顔を赤くしたのは俺よりも愛沙の方だった。まなみがいるとお互い振り回されっぱなしである。
「でしょー? 康にぃ!」
「あー……」
返事をしないのはまずい方向に転ぶというのを先程学んだばかり。
そして何より、愛沙のこちらをちらちらと不安げに伺う様子が可愛くて、思わずうなずいてしまった。
「えへへー。そうだよね! お姉ちゃんは可愛いもんね!」
上機嫌なまなみと、顔の赤い2人が影を伸ばしながら、そこからは特に誰かがなにか言うでもなく、家まで歩いていく。
久しぶりに3人で歩く道は、いつもの道なのに懐かしく感じられた。
今から明日の学校が気が重い。いや明日は休みか。良かった。いやでもダメージを背負う時間が長引いただけな気もする。
「あははー。康貴にぃ、元気だして?」
「お前のせいだからな!」
「わー!」
髪の毛を強めにグリグリとやってやったが、まなみの方はそれでも楽しそうに笑うだけだ。
あれから逃げるように学校を離れ、ようやく落ち着ける場所まで出てきたところだった。
「まなみ。こういうのはもうやめなさい」
「えー……」
なし崩し的に一緒に帰ることになった愛沙からも注意が飛ぶ。
「康貴も困ってるじゃない」
「困ってるのー? 康貴にぃ?」
2人揃って困らされたのでコメントがしづらい……。
黙っているとまなみはニヤリと笑ってくっついてきて、愛沙の視線が鋭く歪んだ。
双方良い方と悪い方に勘違いしている。
「康貴にぃは優しいから大丈夫だよねー?」
「そう……。まなみと楽しく帰ってくればいいわね」
「おい」
一気に不機嫌になった愛沙をどうしようかと悩んでいたら俺にくっついていたまなみが飛び出すように愛沙に抱きつきにいった。
「おねーちゃーん!」
「きゃっ」
可愛らしい叫び声。
「ひゃっ!」
そしてまた可愛らしい声が漏れる。これはくっつきにいったまなみがそのまま耳元でなにか囁いたせいだ。よく聞こえないが愛沙の表情が徐々に柔らかくなってるのを見ると、なんかしらフォローを入れてくれているらしい。
ただいちいち「んっ」とか「ひゃっ……ちょっと近すぎるわよ」とか聞こえてくるのはやめてほしい。妙な気持ちになる。
しばらく小声でなにか囁き合って、ため息を吐きながら愛沙が隣に並んだ。
「はぁ……仕方ないわね……」
「えへへ。私はお姉ちゃんも康貴にぃも大好きだから! 一緒に帰りたかったの!」
「はいはい……」
仕方なさそうに笑って頭を撫でる愛沙。やっぱり睨んでなければ、ほんとにかわいいな……。
「なに?」
と、見ていたのがバレていつもの顔に戻ってしまう。
「康貴にぃはお姉ちゃんに見惚れてたんだよ」
「なっ?!」
まなみの言葉に顔を赤くしたのは俺よりも愛沙の方だった。まなみがいるとお互い振り回されっぱなしである。
「でしょー? 康にぃ!」
「あー……」
返事をしないのはまずい方向に転ぶというのを先程学んだばかり。
そして何より、愛沙のこちらをちらちらと不安げに伺う様子が可愛くて、思わずうなずいてしまった。
「えへへー。そうだよね! お姉ちゃんは可愛いもんね!」
上機嫌なまなみと、顔の赤い2人が影を伸ばしながら、そこからは特に誰かがなにか言うでもなく、家まで歩いていく。
久しぶりに3人で歩く道は、いつもの道なのに懐かしく感じられた。
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