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幼馴染の妹の家庭教師をはじめたら疎遠だった幼馴染が怖い 〜学年のアイドルが俺のことを好きだなんて絶対に信じられない〜

すかい@小説家になろう

高西姉妹の作戦会議

「お姉ちゃん、素直じゃないなぁ」


 嬉しいのと恥ずかしいので顔が真っ赤のお姉ちゃんに話しかける。


「うるさい!」
「でも良かったね、美味しいって言ってもらえて」
「それは……うん……そうだけど……」


 顔を真赤にしてクッションに沈む姿。こんなの男に見せたらイチコロだと思う。康貴にぃも多分、そうだ。
 妹の私でさえちょっとドキッとしちゃう。


 さすが私の学年にまで噂が流れる超絶美少女の姉だ。私にもこのくらいの可愛さがあったら、康貴にぃももうちょっとちゃんと見てくれたかなぁ。


 ま、いまはお姉ちゃんだね。


「もうちょっと素直にならなきゃねぇ」
「わかってるわよっ!」


 わかってない様子で応えるが、目に涙を浮かべているので精一杯さは伝わってきている。


「なかなか素直になれないお姉ちゃんのために、私が一肌脱いであげましょう」
「嫌な予感がする」
「失礼なっ!」


 人の善意を何だと思ってるんだこのお姉ちゃんは!


「私、康貴にぃに勉強教えてもらってるでしょ?」
「そうね……。私は声すらかけてもらってないのに……まなみは……」


 あ、なんか地雷踏んだ。
 まぁ面倒だから話をすすめちゃおう。


「で、テスト前はほら、康貴にぃも勉強しなきゃだから来ないんだけど」
「え、来ないの……?」


 ほとんど会話してないどころか来ても睨みつけて威嚇してるだけなのに、来るのは楽しみにしてたのかあ。重症だなぁ……これ。
 ま、今はいいや。


「でもね! 勉強会ってことなら、来てくれるんじゃないかなぁと思って!」
「勉強会……?」


 うつむいていた顔が上がる。
 うるうるした上目遣い。ほんとにもう、これ見せただけで康貴にぃはイチコロだと思うんだけどなぁ。
 そうされちゃうと私の可能性が全くなくなっちゃうから言わないけど!
 ちょっとは手伝ってあげるけど、決定的なところまで譲ってあげる気にはなれない。私も私で、複雑だなぁと思う。


「そ! 勉強会! そしたらほら、お姉ちゃんも自然と混ざれ――」
「ムリムリムリムリムリ!」


 言い切る前に食い気味で否定されちゃった。


「えー……」
「だって……あいつ私のこと……嫌いだろうし……」


 それは絶対ないだろうけどなあ。
 ほんとお互い、こんなのばっかで世話の焼けるお兄ちゃんお姉ちゃんだよね。


「こんな素直じゃないのがいたら居心地悪いだろうし」


 そこは否定できないけど。


「勉強も……あれ? もしかして」
「お?」


 なんか急に立ち上がって学校のかばんをガサゴソ漁り始めた。


「あ! これなら!」
「これ?」
「ノート! ほら、あいつ今回、風邪引いて休んでたとこがあるはず!」


 確かに康貴にぃ、1学期の途中休んでたんだった。
 お姉ちゃんが「今日もいなかった……」ってめちゃんこテンション低かったから私まで覚えちゃったよ。


「おー! じゃあノートを借りるってことで、お姉ちゃんを巻き込めばいいんだね!」
「うん! そしたらほら、ノートだけでもあいつと勉強できる!」
「え、お姉ちゃんは来ないの?」


 それよりノートだけでも一緒に勉強できるってどういうことなの? 大丈夫? お姉ちゃん???


「私がいたら……あいつ……」
「あー! もう! めんどくさいな! いいからお姉ちゃんも参加! 強制!」
「でも」
「でもじゃない! はい!」
「ちょっと落ち着い」
「返事は!」
「えーっと」
「返事ははい!」
「はい……」
「よし」


 このくらいしないとお姉ちゃんはだめだ!
 ほんとにもう、この調子ならほんとに、康貴にぃ取っちゃえるんじゃないかって、思えてきちゃうよ。


「勉強会……あいつと……」


 ほわほわと乙女の表情を浮かべるお姉ちゃんを見てると、その気持ちはぐっとこらえて胸の奥にしまっておこうって、毎回なっちゃんだけどね……。

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