桜幽幻録書

あきさか

回想録書 第3録 『桜と私』

—幽園兒家・過去—

神奈子『それでね燈に話したい事があるの。』

燈『何かしら?』

神奈子『”加奈桜かなざくら”って知ってる?』

燈『ええ、神奈子の家の庭に咲いている桜の事よね?前に教えて貰ったわ。それがどうかしたの?』

神奈子『早くこの事を言いたかったんだけと中々話せずにいてね……1番大きい桜の名は”幽園兒桜ゆうえんじざくら”って言うのよ。』

燈『それが問題でも?』

神奈子『…あの桜は一見普通の大きな桜だけど、私達妖怪や巫女から見ると化け桜なの。』

燈『それをなぜ早く言わなかったの?』

神奈子『言うかどうか迷ったんだよ。でも、あの桜の前で死に行く人々をもう見てられなくてね…あの化け桜を封印するのよ。』
 
燈『そう…アレを封印しない限り、アレはどんどん人の生気を吸い取って行くわ。』

神奈子『ええ。だから協力して欲しいなって思ってね…。』

燈『そういう事なら別に構わないわよ。友達だしね…私は強力な封印術を勉強してくるわね。』

神奈子『ありがとう燈…。』

燈『良いのよ、良いのよ。』

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品