白の血族

九条一

第一章(25)

『他にも手掛かりになりそうなものはいくつもあるが、ここでは割愛する。ただ、これだけは言っておこう。綺音の祖先と、千梨の祖先にはおそらく繋がりがある。私はひとつの血族だろう、と推測している』
 そう考えるのが自然だろう。オヤジが古代遺跡の発掘に没頭し続けている理由がわかった気がするぜ。
『――長くなったな。今回はこれぐらいにしておこう。もっと詳細に知りたいのなら、遺跡のベースキャンプまでくるがいい。もう一度言おう、お前が正しいと思う道を選べ。  榊大海』
 ふん、オヤジめ。選択肢を提示してはいるが、オレが遺跡に来るのを確信してるだろ。しかも、確実にオレを戦力として計算している。
 ……オヤジの思い通りに動くのは少し癪だが、行かないという選択はあり得ない。読めば読むほどわくわくしてしまうのは、オヤジ譲り、なんだろうなあ……。

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