白の血族
第一章(14)
「ただ、これだけは言っておく。オレは千梨をこの上なく愛していた。……過去形で言わなきゃいけないのが本当に残念だけどな」
「パパ、杏奈もパパのこと大好きだよっ」
またもや杏奈がひしっと抱きついてきた。……かわいい娘というのもいいものだ。
「そ、そうなんだ……。うん、統詞くんがいい加減な気持ちで女の子と付き合うわけないもんね」
オレの気持ちが通じたようだ。思いの外あっさりと納得してくれた。
「……で、これから杏奈ちゃんはどうするの?」
「ああ、とりあえずオレたちの妹ということにする。夏休み明けからは富士原中学に転入できるように手続きは済ませてあるらしい」
「じゃあ、杏奈は学校に通えるんだねっ! キャンプの人たちは良くしてくれたけど、ひとりぼっちの時が多かったから寂しかったんだ。大海おじちゃんはあんまり戻ってこなかったから……」
それを聞いた綺華は、杏奈をぎゅっと抱きしめた。
「これからずっと一緒だよ。……お姉ちゃんって呼んでね」
「う、うん。……お、お姉ちゃん」
杏奈はちょっと俯いて、上目遣いでつぶやいた。
「かっ、かわいいー! わたしこんな妹欲しかったんだ!」
杏奈をぎゅうぎゅうと抱きしめる綺華。ぐいぐいと頬ずりをしまくっている。
「……う、ぐぅ……」
「おい、もっと優しく扱ってやれ。嫌われるぞ」
「うっ、嫌わないでね……」
そういって綺華は杏奈の頭を撫でた。
「大丈夫だよ、お姉ちゃん」
「じゃあ、オレのことはお兄ちゃんと呼んでくれ。さすがにこの年でパパと呼ばれると、オレの世間体が危うい」
「わかったよ、お兄ちゃん!」
「うんうん、杏奈はいい子だなー」
「杏奈『は』って何よ」
綺華にジロリと睨まれた。ここは無視して話を続けよう。
「パパ、杏奈もパパのこと大好きだよっ」
またもや杏奈がひしっと抱きついてきた。……かわいい娘というのもいいものだ。
「そ、そうなんだ……。うん、統詞くんがいい加減な気持ちで女の子と付き合うわけないもんね」
オレの気持ちが通じたようだ。思いの外あっさりと納得してくれた。
「……で、これから杏奈ちゃんはどうするの?」
「ああ、とりあえずオレたちの妹ということにする。夏休み明けからは富士原中学に転入できるように手続きは済ませてあるらしい」
「じゃあ、杏奈は学校に通えるんだねっ! キャンプの人たちは良くしてくれたけど、ひとりぼっちの時が多かったから寂しかったんだ。大海おじちゃんはあんまり戻ってこなかったから……」
それを聞いた綺華は、杏奈をぎゅっと抱きしめた。
「これからずっと一緒だよ。……お姉ちゃんって呼んでね」
「う、うん。……お、お姉ちゃん」
杏奈はちょっと俯いて、上目遣いでつぶやいた。
「かっ、かわいいー! わたしこんな妹欲しかったんだ!」
杏奈をぎゅうぎゅうと抱きしめる綺華。ぐいぐいと頬ずりをしまくっている。
「……う、ぐぅ……」
「おい、もっと優しく扱ってやれ。嫌われるぞ」
「うっ、嫌わないでね……」
そういって綺華は杏奈の頭を撫でた。
「大丈夫だよ、お姉ちゃん」
「じゃあ、オレのことはお兄ちゃんと呼んでくれ。さすがにこの年でパパと呼ばれると、オレの世間体が危うい」
「わかったよ、お兄ちゃん!」
「うんうん、杏奈はいい子だなー」
「杏奈『は』って何よ」
綺華にジロリと睨まれた。ここは無視して話を続けよう。
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