罪作りな俺が異世界に転生して世界のために働いてみた!~ちょっと古めかしい文体でお届けします☆~

堀籠遼ノ助

罪作りな俺が異世界に転生して世界のために働いてみた!~ちょっと古めかしい文体でお届けします☆~

転生者来たりて曰く、我命終して阿鼻国に入る。命尽きたりと思えども実には命尽きること無し。無間地獄とは此なり。後悔もまた尽きること無し。苦痛に終わり無しと覚り百千万億日の時を経た所、此処に来たれり。汝は我に何を求めたりと問ふ。




 主人答えて曰く、汝は転生者也。転生とは宿命通に似たり。汝が罪、消して消えるべからず。他人を殺すは拳で水を穿つが如し。親を殺すは拳で石を打つが如し。汝は己が拳を破らん。いかでが罪が軽いことがあろうか。鉄錆を羽毛で撫でて落とさんと欲すれども、汝が罪は尚消すこと難し。然別と言へども汝が地獄に落ちなん事には酌量の余地有り。汝は己を救う法を求たるか。なれば先ず、我が願いを叶のうべく努力致すべき也。我が人生の大半を捧げし深秘の下法、あと一息にて到達となりそうらいしが、我一人ではその一息届かず、人の命の短きを嘆きたる所也。汝我に全てを捧げ奉公致さん。されば、汝が求めたる法を思い出すこともあらん。




 転生者額を地につけ承りし候。部屋を照松脂の音は傍観者となりて静かなる音を転生者に届けたり。



コメント

  • Sちゃん

    作者推しで読みました。
    阿鼻国が読めなくて(どう読んでいいのかわからなくて)少し残念でした。
    個人的には古めかしい文体が苦手かもしれないと気づけました。

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