転生プログラマのゴーレム王朝建国日誌~自重せずにゴーレムを量産していたら大変なことになりました~
74 ちんぴら退治
「ちょっと放して下さい」
「おいおい、そう冷たくすんなよ」
「ちょっと飲みに行くだけだって。ほら行こうぜ」
門での手続きを終え龍都に入った後、千春さんは宿を取るため別行動をとることになった。俺、鈴音、エマニエルさんは城へ向かう事にしたのだが、向かっている途中で女の子にちょっかいを出しているごろつき達に出くわす。
やっぱいるよなあこういう奴ら。森谷村の人たちがいい人しかいないから忘れてたよ。
「仕方ないのう。どれワシが一つ助けてやるか」
「お、珍しいな鈴音。ちなみにどうやって助けるの?」
「うむ。奴らの足元に錬成剣を作り出し、しりの穴から串刺「よし、俺が助けよう」
女の子にちょっかいを出しただけで後ろをうばられてしまってはやつらも浮かばれまい。
めんどうだが、ここは俺が穏便にすませてやるか。
「あのーすみません、嫌がってるみたいなのでやめてあげた方がいいですよ」
「なんだ坊主? 邪魔だからあっちへ行ってろ」
むかっ。言葉が通じない猿人類だったか。
見れば20歳前後の若造だ。年長者への敬意というものを知らんのか。
「ほら、行けって言ってんだろ! 大人ぶってんじゃねえぞガキが!」
「私は魔法を行使する」
そう言いながら俺はゴロツキの服をつかむ。
「おい、気を付けろ! そのガキ魔法を詠唱してるぞ!」
「はあ? そんなわけねえだろ。魔法を使えるガキなんて……」
「サポート・ゴーレム」
ズズズズズ……
俺の足元から土が持ち上がり、体の関節を覆っていく。
「おい、ずらかろうぜ! こいつやべえ」
「いや、それがこいつすげえ力で! くそ、放しやがれ!」
男はそう言うと、俺の顔面目がけて拳を振り下ろす。
パシ。
「え゛……」
ゴーレムで覆われた右手でしっかりと受け止め、そのまま男の体を宙に持ち上げる。
うむ。サポートゴーレムバージョン2はうまく動いているみたいだ。
「お、下せ化け物!」
ぐっと力をこめる。
サポートゴーレムが魔力を力に変換。キュイーンと甲高い音が鳴る。
「ちょ! まって!」
俺はチンピラににっこりと微笑み――
「いえ、待てません」
そのまま背負い投げをする……つもりが、体格差がありすぎたためか、男の顔面が地面へ激突してしまった。
「あれ、壊れちゃったな」
サポートゴーレムにヒビが入り、砂に戻ってしまった。
うーん、出力をかなり落としたんだけど、まだまだコントロール出来ていないみたいだ。
さて、と男のほうを確認すると、顔が見事に地面に埋まっている。……死んでないよねこれ。
「あのう、生きてますか?」
返事の代わりに足がピクピクと痙攣する。うん、たぶん生きてる。きっとそうに違いない。
「主、殺るならサクッとやってやらんと可哀そうだぞ。ワシに任せてくれればこうサクッと」
「いや、そんなつもりじゃなかったんだけど! ってか、いちいち考えが物騒だなおまえは!」
「ひぃいいいいい! 人殺しだあああ! た、助けてくれええ!!」
「いやいや、生きてますって。……たぶん」
「こら! そこで何をやっている! 全員動くんじゃないぞ!」
そこには羽織を肩にかけた服装の三人組。額には鉢巻きをしている。雰囲気からして警察みたいなものだろうか? 人込みをかき分けてずんずんとこちらに近づいてくる。
「く、首なし死体! 貴様そこを動くな! 白昼堂々殺人とは。龍選隊をなめるなよ!」
いや、違うんです。
そう言った俺の声はいつの間にか俺たちを取り囲んでいたギャラリーの喧騒にかき消されてしまった。
「おいおい、そう冷たくすんなよ」
「ちょっと飲みに行くだけだって。ほら行こうぜ」
門での手続きを終え龍都に入った後、千春さんは宿を取るため別行動をとることになった。俺、鈴音、エマニエルさんは城へ向かう事にしたのだが、向かっている途中で女の子にちょっかいを出しているごろつき達に出くわす。
やっぱいるよなあこういう奴ら。森谷村の人たちがいい人しかいないから忘れてたよ。
「仕方ないのう。どれワシが一つ助けてやるか」
「お、珍しいな鈴音。ちなみにどうやって助けるの?」
「うむ。奴らの足元に錬成剣を作り出し、しりの穴から串刺「よし、俺が助けよう」
女の子にちょっかいを出しただけで後ろをうばられてしまってはやつらも浮かばれまい。
めんどうだが、ここは俺が穏便にすませてやるか。
「あのーすみません、嫌がってるみたいなのでやめてあげた方がいいですよ」
「なんだ坊主? 邪魔だからあっちへ行ってろ」
むかっ。言葉が通じない猿人類だったか。
見れば20歳前後の若造だ。年長者への敬意というものを知らんのか。
「ほら、行けって言ってんだろ! 大人ぶってんじゃねえぞガキが!」
「私は魔法を行使する」
そう言いながら俺はゴロツキの服をつかむ。
「おい、気を付けろ! そのガキ魔法を詠唱してるぞ!」
「はあ? そんなわけねえだろ。魔法を使えるガキなんて……」
「サポート・ゴーレム」
ズズズズズ……
俺の足元から土が持ち上がり、体の関節を覆っていく。
「おい、ずらかろうぜ! こいつやべえ」
「いや、それがこいつすげえ力で! くそ、放しやがれ!」
男はそう言うと、俺の顔面目がけて拳を振り下ろす。
パシ。
「え゛……」
ゴーレムで覆われた右手でしっかりと受け止め、そのまま男の体を宙に持ち上げる。
うむ。サポートゴーレムバージョン2はうまく動いているみたいだ。
「お、下せ化け物!」
ぐっと力をこめる。
サポートゴーレムが魔力を力に変換。キュイーンと甲高い音が鳴る。
「ちょ! まって!」
俺はチンピラににっこりと微笑み――
「いえ、待てません」
そのまま背負い投げをする……つもりが、体格差がありすぎたためか、男の顔面が地面へ激突してしまった。
「あれ、壊れちゃったな」
サポートゴーレムにヒビが入り、砂に戻ってしまった。
うーん、出力をかなり落としたんだけど、まだまだコントロール出来ていないみたいだ。
さて、と男のほうを確認すると、顔が見事に地面に埋まっている。……死んでないよねこれ。
「あのう、生きてますか?」
返事の代わりに足がピクピクと痙攣する。うん、たぶん生きてる。きっとそうに違いない。
「主、殺るならサクッとやってやらんと可哀そうだぞ。ワシに任せてくれればこうサクッと」
「いや、そんなつもりじゃなかったんだけど! ってか、いちいち考えが物騒だなおまえは!」
「ひぃいいいいい! 人殺しだあああ! た、助けてくれええ!!」
「いやいや、生きてますって。……たぶん」
「こら! そこで何をやっている! 全員動くんじゃないぞ!」
そこには羽織を肩にかけた服装の三人組。額には鉢巻きをしている。雰囲気からして警察みたいなものだろうか? 人込みをかき分けてずんずんとこちらに近づいてくる。
「く、首なし死体! 貴様そこを動くな! 白昼堂々殺人とは。龍選隊をなめるなよ!」
いや、違うんです。
そう言った俺の声はいつの間にか俺たちを取り囲んでいたギャラリーの喧騒にかき消されてしまった。
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