転生プログラマのゴーレム王朝建国日誌~自重せずにゴーレムを量産していたら大変なことになりました~
55 実験成功?
「巧魔ちゃん頑張ってーー!!」
乙葉が10メートル程離れた場所から大きな声で応援している。相変わらず可愛いなあ乙葉ちゃんは。後でよしよししてあげよう。
「私は魔道を行使する――クリエイト・サポートゴーレム」
俺の周りの地面が震動し、土が足元から延び上がってきた。魔力を帯びた土が俺の体を這い登り、腰の両サイド、腕や脚の関節部分へと集まってゆく。集まった土はピキピキと音をたてて黒色の金属へと変貌していった。腰にピタリとくっついた楕円形の金属の中心が青白い光を灯し、魔法の発動が完了したことを示した。
「信じられないです! ゴーレムと人の融合なんです?! これは一体どんな目的で……いや、言わなくていいです巧魔氏、当ててみせます。これは、えっと、わからない! あはは、解らないですよ巧魔氏! 説明してください!」
うん、千春さんがナチュラルハイだ。興奮してすっかり頬が紅潮している。ちょっとだけドキドキしてしまったのは内緒だ。
「これは運動サポートゴーレムです。僕が元々いた世界に介護用に開発されていたものをヒントに作りました。腰に設置された円盤形の機械が本体ですが、これが各関節に設置されたゴーレムと魔法で経路を結んで……」
「難しくて乙葉全然わからないんだよ」
「ああ、ごめんごめん。つまりは……」
僕は目の前に置いておいた大きな石に手をかけ、両手にグッと力を込める。
100kgはありそうな石が軽々と持ち上がった。
よし、ちゃんと動いたぞ。
「わあ! すごいすごい! 巧魔くん力持ちだよ!」
「うん、まあこんなもんかな」
よかった。ほんっとよかった。二人に見られながら上手くいかなかったら赤っ恥だった。
前回の正義さんとの戦いの反省点のひとつは、どうしてもゴーレムだよりになってしまうところだ。ゴーレムを潜り抜けられてしまうと、前回の結果の通り、一撃でやられてしまう。なら、僕もゴーレムになればいいんじゃない? との発想で作ったプロトタイプ版が今回の魔法だ。これで上手くいけば、第2、第3段の開発にも取りかかっていきたい。
「巧魔氏巧魔氏! まだですよね! 脚の関節部分にもゴーレムが設置されてるじゃないですか! そちらの性能もぜひ見せてくださいです!」
「ええ、ではジャンプ力のテストをしてみましょう」
≪マスターお気をつけて≫
心配性だなあ。コン先生は。別に失敗したって死ぬわけじゃないのに。
「じゃあいきますね」
僕は足にグッと力を込める。
と、そこで俺の心に好奇心が芽生えた。こいつの最大出力はいかほどだろうかと。俺はさらにグッと足を深く曲げた。
≪マスター?≫
「せえの!」
拍子抜けするほど軽い反動と共に体が飛び上がった。
3m、5m……10m。うん、なかなかの性能だ。
「巧魔くん飛んでるんだよー!」
「た、巧魔氏?! 大丈夫なんです??」
15m……20m……25m……50m。
下を見下ろすと、小さくなっていく乙葉と千春さん、東商店の屋根の上には、黒猫姿の鈴音が目を丸くしてこちらを見ていた。ーーうん、死んだなコレ。
「コッ、ココッ、ココココン先生!ヘルプぅ! ヘルプミー!」
だから申し上げましたのにと、コン先生には似合わない愚痴めいた発言が聞こえた気がした。
乙葉が10メートル程離れた場所から大きな声で応援している。相変わらず可愛いなあ乙葉ちゃんは。後でよしよししてあげよう。
「私は魔道を行使する――クリエイト・サポートゴーレム」
俺の周りの地面が震動し、土が足元から延び上がってきた。魔力を帯びた土が俺の体を這い登り、腰の両サイド、腕や脚の関節部分へと集まってゆく。集まった土はピキピキと音をたてて黒色の金属へと変貌していった。腰にピタリとくっついた楕円形の金属の中心が青白い光を灯し、魔法の発動が完了したことを示した。
「信じられないです! ゴーレムと人の融合なんです?! これは一体どんな目的で……いや、言わなくていいです巧魔氏、当ててみせます。これは、えっと、わからない! あはは、解らないですよ巧魔氏! 説明してください!」
うん、千春さんがナチュラルハイだ。興奮してすっかり頬が紅潮している。ちょっとだけドキドキしてしまったのは内緒だ。
「これは運動サポートゴーレムです。僕が元々いた世界に介護用に開発されていたものをヒントに作りました。腰に設置された円盤形の機械が本体ですが、これが各関節に設置されたゴーレムと魔法で経路を結んで……」
「難しくて乙葉全然わからないんだよ」
「ああ、ごめんごめん。つまりは……」
僕は目の前に置いておいた大きな石に手をかけ、両手にグッと力を込める。
100kgはありそうな石が軽々と持ち上がった。
よし、ちゃんと動いたぞ。
「わあ! すごいすごい! 巧魔くん力持ちだよ!」
「うん、まあこんなもんかな」
よかった。ほんっとよかった。二人に見られながら上手くいかなかったら赤っ恥だった。
前回の正義さんとの戦いの反省点のひとつは、どうしてもゴーレムだよりになってしまうところだ。ゴーレムを潜り抜けられてしまうと、前回の結果の通り、一撃でやられてしまう。なら、僕もゴーレムになればいいんじゃない? との発想で作ったプロトタイプ版が今回の魔法だ。これで上手くいけば、第2、第3段の開発にも取りかかっていきたい。
「巧魔氏巧魔氏! まだですよね! 脚の関節部分にもゴーレムが設置されてるじゃないですか! そちらの性能もぜひ見せてくださいです!」
「ええ、ではジャンプ力のテストをしてみましょう」
≪マスターお気をつけて≫
心配性だなあ。コン先生は。別に失敗したって死ぬわけじゃないのに。
「じゃあいきますね」
僕は足にグッと力を込める。
と、そこで俺の心に好奇心が芽生えた。こいつの最大出力はいかほどだろうかと。俺はさらにグッと足を深く曲げた。
≪マスター?≫
「せえの!」
拍子抜けするほど軽い反動と共に体が飛び上がった。
3m、5m……10m。うん、なかなかの性能だ。
「巧魔くん飛んでるんだよー!」
「た、巧魔氏?! 大丈夫なんです??」
15m……20m……25m……50m。
下を見下ろすと、小さくなっていく乙葉と千春さん、東商店の屋根の上には、黒猫姿の鈴音が目を丸くしてこちらを見ていた。ーーうん、死んだなコレ。
「コッ、ココッ、ココココン先生!ヘルプぅ! ヘルプミー!」
だから申し上げましたのにと、コン先生には似合わない愚痴めいた発言が聞こえた気がした。
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