転生プログラマのゴーレム王朝建国日誌~自重せずにゴーレムを量産していたら大変なことになりました~
18 戮と巴蛇
エマニエルさんが暴走している間にゴブリン達は柵に近づいていたが、3メートル以内に入ったところであっという間にサムライゴーレムたちに刺殺されてしまった。
最後に1匹、図体のいいゴブリンが飛び出してくる。が、目の前の光景に目を見開き、そのまま足を止めてしまった。
くそー、3メートル以内に近づいてくれないとサムライゴーレムが仕事をしてくれないではないか。これも後で行動の修正が必要だな。
「あれはボブゴブリンじゃな。今回の親玉じゃろ。 どうする主?」
どうするって言われてもなあ。最大数でゴーレムを作ってしまったから魔法量は残ってないし。
まさか『最大数=魔法量すべてを注ぎ込む』だとは思って無かったよ。今回1番の反省点だな。
「ガッ?!」
ボブゴブリンが一声叫び倒れた。
見れば、額に短剣が突きたっているようだ。
「はっはっは。たまたま命中したようですな。運が良かった」
投げたのは龍一郎じいさんのようだった。……たまたまなのか? 龍一郎じいさんからボブゴブリンまでは20メートルぐらいあるんだが。とてもじゃないが、たまたまで当たるような距離じゃないぞ。
サムライゴーレム達は役目を終えたのを感じたのか、皆音を立てて土に還っていった。その場に残る84対の鎧兜、刀、弓。……どうしようこの装備品……。
「うむ。皆、主が迷惑をかけたがこれでしまいじゃ! ご苦労様じゃった! 」
鈴音が俺を抱えながら戦いの終わりを告げる。相変わらず良く通る声だ。
「エマニエル達もご苦労様じゃったな」
「いえ、元々森の監視は我々の仕事でしたから。もうそれも今日でおしまいですが」
「ふむ? 一体何の監視をしておったんじゃ」
「……200年前に『錬成の覇者』との契約を打ち切り、森の奥へと姿を消した鬼の監視。つまり、鈴音様のことです。」
200年前の錬成の覇者? 鈴音の前の契約者だろうか。しかし鈴音のやつ、200年も引きこもるとは日本のニートもビックリだな。
「……錬成の覇者か。懐かしい名だ」
鈴音の視線が遠くへ移る。だがその視点は定まっていない。
きっと見ているのは今ではなく過去のなにかだ。
「? どうかしましたか? 鈴音様?」
「……ん? いや、なんでもないぞい。ちょっと昔を思い出していただけじゃ」
「ブラボー! すっばらしいショーでしたネ!」
突然の声に皆一斉にそちらを向く。
いつの間にそこに居たのだろう。突然現れたそいつは、まるで闇から染み出したかのようだ。
「何者じゃお主」
鈴音が警戒をしながら問いかける。
「これはこれは、自己紹介が遅れてしまい真に申し分けない。ワタクシは戮と申します」
男はタクシードの襟を正すと神妙に挨拶をした。 背は2メートル程だが、手足がヒョロヒョロで、まるで蚊蜻蛉のようだ。存在感が希薄で、ふとした瞬間に闇に溶け出しそうな印象を受ける。
「そしてこちらが、第6支の己。名前は巴蛇です。以後、お見知り置きを」
俺はぎょっとした。戮の指し示す肩には真っ黒なヘビが鎮座しており、赤い目をした顔を覗かせていたからだ。
第6支の己。鈴音は第13支の猫だと言っていた。
――つまり、こいつは俺と同類の、契約者って訳だ。
最後に1匹、図体のいいゴブリンが飛び出してくる。が、目の前の光景に目を見開き、そのまま足を止めてしまった。
くそー、3メートル以内に近づいてくれないとサムライゴーレムが仕事をしてくれないではないか。これも後で行動の修正が必要だな。
「あれはボブゴブリンじゃな。今回の親玉じゃろ。 どうする主?」
どうするって言われてもなあ。最大数でゴーレムを作ってしまったから魔法量は残ってないし。
まさか『最大数=魔法量すべてを注ぎ込む』だとは思って無かったよ。今回1番の反省点だな。
「ガッ?!」
ボブゴブリンが一声叫び倒れた。
見れば、額に短剣が突きたっているようだ。
「はっはっは。たまたま命中したようですな。運が良かった」
投げたのは龍一郎じいさんのようだった。……たまたまなのか? 龍一郎じいさんからボブゴブリンまでは20メートルぐらいあるんだが。とてもじゃないが、たまたまで当たるような距離じゃないぞ。
サムライゴーレム達は役目を終えたのを感じたのか、皆音を立てて土に還っていった。その場に残る84対の鎧兜、刀、弓。……どうしようこの装備品……。
「うむ。皆、主が迷惑をかけたがこれでしまいじゃ! ご苦労様じゃった! 」
鈴音が俺を抱えながら戦いの終わりを告げる。相変わらず良く通る声だ。
「エマニエル達もご苦労様じゃったな」
「いえ、元々森の監視は我々の仕事でしたから。もうそれも今日でおしまいですが」
「ふむ? 一体何の監視をしておったんじゃ」
「……200年前に『錬成の覇者』との契約を打ち切り、森の奥へと姿を消した鬼の監視。つまり、鈴音様のことです。」
200年前の錬成の覇者? 鈴音の前の契約者だろうか。しかし鈴音のやつ、200年も引きこもるとは日本のニートもビックリだな。
「……錬成の覇者か。懐かしい名だ」
鈴音の視線が遠くへ移る。だがその視点は定まっていない。
きっと見ているのは今ではなく過去のなにかだ。
「? どうかしましたか? 鈴音様?」
「……ん? いや、なんでもないぞい。ちょっと昔を思い出していただけじゃ」
「ブラボー! すっばらしいショーでしたネ!」
突然の声に皆一斉にそちらを向く。
いつの間にそこに居たのだろう。突然現れたそいつは、まるで闇から染み出したかのようだ。
「何者じゃお主」
鈴音が警戒をしながら問いかける。
「これはこれは、自己紹介が遅れてしまい真に申し分けない。ワタクシは戮と申します」
男はタクシードの襟を正すと神妙に挨拶をした。 背は2メートル程だが、手足がヒョロヒョロで、まるで蚊蜻蛉のようだ。存在感が希薄で、ふとした瞬間に闇に溶け出しそうな印象を受ける。
「そしてこちらが、第6支の己。名前は巴蛇です。以後、お見知り置きを」
俺はぎょっとした。戮の指し示す肩には真っ黒なヘビが鎮座しており、赤い目をした顔を覗かせていたからだ。
第6支の己。鈴音は第13支の猫だと言っていた。
――つまり、こいつは俺と同類の、契約者って訳だ。
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