地獄流し 〜連鎖の始まり編〜

あきさか

一章幕 第1話 『憎いイジメっ子に復讐を…』

「イタッ…。」

はあ、またやられた…。
私は”矢野 志保”…私の姿はまさに悲惨…服はハサミで破かれ靴は泥だらけ…もう何年も変えてない。うちは貧乏だし買うお金はあるけど生活にいっぱいだからあまり自分には使わない…でもそろそろ変えないとな。またアイツらにイジメられるし…靴は汚いからって脱がされ泥に塗り、服は臭いからハサミで切る…アイツらまさに非道だよ…。
明日も始まるのかな?嫌だよ。
どうせならアイツらに復讐したい!

『復讐するの?』

「えっ?」

辺りを見回すと誰もいない…だけどさっき高い声がした。
可愛らしい声。

「貴方は誰ですか?」

『私は”復魔 彩”復讐と言う名の”地獄流し”をやってるの。』

まさか本当にあるなんて驚いたわ。
体験談によると黒いセーラー服を着た少女が復讐をしたい人物に手を貸してくれるんだなんて。

『ふふっ、驚いた〜?世間では都市伝説だもんね〜?』

「えっ?貴方、心の中に直接声を送信できるの?」

『まあ、そうだね。』

復讐…でも…でも……ダメだ、私には…。

『どうしたの〜?復讐やるんでしょ〜?』

「でも…。」

ああ、手が震える…手だけじゃない全身も……怖い…でもやらないと私にもやる人が増える…。

「…わかった。」

『?』

「やる。復讐を…。」

『とうとうやるんだね?』

彼女の決意は目からでもわかるぐらい固いな〜。

『じゃあ貴方の代償を貰うね?』

「代償?」

『だって、代償がないと契約できないよ?』

「…お金?」

『違うよ。貴方の1番大切なもの。』

1番大切なもの…なんだっけ。

「いいよそれくらい。」

『じゃあ、はいこれ。お面と釘!』

お面に釘?
これで復讐?

「これだけで復讐ができるの?」

『そうっ。このお面に今まで味わってきた苦痛や復讐の対象者への憎しみや怨みを力一杯込めてね?そうしないと失敗するから。』

失敗…。

「失敗するとどうなるの?」

『失敗すると復讐した人物へ今まで味わってきた以上の苦痛を味わう事になってるから。』

これまで以上の苦痛……。
アイツらさえ居なければ今に至る事なんてなかった!
アイツらユルサナイッ…!
私が強くお面に釘を打ち込むとバリッ!と破れたような音がした。

『やったね〜!成功だよっ!お疲れ様。』

やった…私はアイツらに復讐した…!

「うん。ありがとう。なんかスッキリしたよ。」

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