魔導学園での下剋上 

味噌ラーメン

新入生編 #69 落花流水


あの時、、、、、俺は一体どうしたんだ?

フラッシュバックする戦いの光景

手に残る、戦いの感触と懐かしい高揚感

あの戦いが初めて出ないような、そうまるで

”あれが俺の本当の日常のような感覚




「てめえ、力を取り戻したのか!!」

目にも留まらぬ速さで雷真へ肉薄する襲撃者

天理「だめ!逃げて!!」

明日奈「雷真ー!!!!」

「くたばっちまいな!!!!!」

その一撃を片手で受け止める雷真

「なあ!?」

その行動に一同が驚く

雷真「不思議な感覚だ、体が軽い」

天理「!!!!」

天理は声にならず口を抑えながら涙を流しその場に立ち尽くす

明日奈「ら、雷真なの、、?」

「この!偽物野郎が!!!」

雷真から離れ、高速での攻撃を繰り出す

雷真「見える、この速度では俺は捉えられない」

「あ、当たらねえ!!!!」

カウンターで雷真の拳が襲撃者を捉える

雷真「引け、襲撃者の男これ以上やるならお前の命を貰う」

「ッハ!丸腰の男が何を言ってんだかな!!!」

雷真「丸腰か、だがそれでもお前はこの力に勝てない」

ゆっくりと構える雷真

「はあああああああああ!!」

今日一の渾身の攻撃を繰り出す襲撃者

雷真「雷光一閃ライコウイッセン

激しい爆煙が発生する

「くそ、俺の負けかよ」

見上げた先には雷真がいた

雷真「最後に教えろ、何故俺を狙っ!?」

何だこの頭痛は!?

雷真「ぐっ、、クソ!!あああああ」

天理「翼!!!」

”どうやら時間切れだなお前に力を貸せるのはここまでだ”

雷真「なん、、だと、、」

そこで意識を失い倒れる雷真

明日奈「ら、雷真!!!!」

雷真に駆け寄り心配する明日奈

「っち!興醒めだ、負けたのは俺だしな」

天理「ま、待ちなさい!!あんた達の目的は何!?」

「そいつは教えられねえ、クライアントに消されるのはゴメンだからな」

だがといい、襲撃者は語る

「お前らは、その男が誰でも守り通すか戦わせるか選択を迫られる」

天理「それは!」

「目が覚めたらそこのガキに伝えろ」

真剣な眼差しを向け言う

「お前が再び戦場に立つならそれは、お前が消えあいつが戻ることに」

襲撃者はその言葉を残し去っていく





天理「以上が今回の報告よ」

暁「なるほどね、では小鳥遊雷真彼が翼で間違いないんだね?」

天理「ええ、間違いなく体はそうだと思う」

雅「どういうこと?」

天理「彼には、小鳥遊雷真には記憶が無いし纏う雰囲気も翼とは違ったけど」

舞姫「天理?大丈夫ですか?」

天理「ええ、ちょっと外の空気を吸ってくる」

皆を残し、部屋を出る天理

天理「ねえ、あなたは其処にいるの?」

舞姫「天理」

そこへ舞姫がやってくる

天理「舞姫、なによ」

舞姫「彼とは話をしたのですか?まだ目を覚まさないのでしょう?」

天理「いいのよ、それに」

舞姫「それに?」

天理「あの人は、翼じゃないから」




雷真「俺は、あの時」

魔力の感覚、俺の体を動かしていたのは俺か?それとももうひとりの俺?

その時、扉が開く

雅「小鳥遊雷真でいいのよね?出なさい」

雷真「あんた達は一体何なんだ?俺は家に帰りたいんだが?」

雅「いいから、言うことに従いなさい」

そう言われ大人しくついていく雷真

雅「ここよ、入りなさい」

そう言われ部屋に入る雷真

其処には、3人の男女がいた全員が美形である

雷真「あんた達誰だ?」

その一言に全員が暗い表情をする

どうしてそんな顔するんだ?

暁「すまない、自己紹介しよう僕は、、、宮本暁だよろしく」

舞姫「その、私は、、、その、、結城舞姫といいます」

雷真「ふ〜ん、俺は小鳥遊雷真って知ってんだろうなあんた達は一方的に」

暁「ああ、そうだね僕たちは君のことを知っている、それこそ君以上にね」

雅「なにをお通夜モードになってんのよ、私は三宮雅よ」

よろしくと相槌を返し未だ名乗らぬ一人の少女に目線を移す

舞姫「ほら、天理も」

天理と呼ばれた少女を見据え目が合う

天理「どう、、して」

全員が雷真を向き、言葉を失う

雷真「てん、り?え、なんだこれ?え、どうして」

雷真の瞳からは涙が流れ止まらなくなっていた

雷真「ご、ごめん!俺おかしいな?どうしてこんなに、、、こん、、、なに、、、嬉しくて、、懐かしいんだ、、?」

その言葉にたまらず部屋を飛び出す天理

舞姫「天理!!待って!!!」

雷真「ま、まって!」

雅「やめな!あんたが追いかけても余計にあの子を傷つけるだけよ」

暁「そうだね、雷真今はここで彼女の帰りを待とう」




やっぱり、あの人の中に翼はいるんだ!

天理「でもどうして、」

舞姫「ここにいたんですね天理」

天理「舞姫、、ねえあんたには彼は誰に見える?」

座り込む天理の横に腰を下ろす舞姫

舞姫「そうですね、雰囲気は別人ですが彼からはやはり翼君の面影が見えます」

そういいながら天理の方へ微笑む

舞姫「それに、あなたを見たときの彼のあの涙はきっと」

天理「でも彼は器に過ぎないのよね?龍我さんはそう言っていた」

舞姫「でも私は、きっと翼君を取り戻せると思っています」

星を見上げる二人

天理「そうね、」

笑い合う二人、その時大きな爆発音が発生する

天理「なに!?」

舞姫「いったん戻りましょう!」

駆け出していく二人、しかしその場には一人の男がいた

陸「鳴神翼が生きている?」




暁「これは、まずいことになった」

雅「暁!街にも被害が出てる!このままじゃ!」

雷真「お、おい!あの街には俺の大切な友人がいるんだ!行かせてくれ!」

雅「はあ?あんたそんな怪我してんのに何いってんの?戦えもしないのに!」

そこへ天理と舞姫が戻ってくる

天理「状況は!?」

暁「戻ったか!まちではぐれゴーレムが発生暴れている数は2体」

天理「ダモクレスの遺産か、打って出るは!」

雅「了解〜天理と舞姫が迎撃、私と暁で住民の避難と防衛ね」

暁「ああ、一人も死ぬなよ作戦開始!」

全員「了解」

暁「さて、雷真君はここに残って」

見渡すと雷真の姿が消えていた

天理「まさか!?」

雅「あの、バカ」



そこは地獄だった

見渡す限りの瓦礫と炎そして、人人人

これがこの世の地獄でないなら何という

雷真「明日奈、、、」

あの家に向かい走る、走る、走る

息をすることも忘れ走る、肺は圧迫され酸素を求めそれでもなお疾走る

雷真「角を曲がれば!!」

角を曲がったその光景に言葉が出ない

雷真「家が、、、」

その家は燃え盛り、不瓦礫の屑とかしていたそこへ横たわる人影

雷真「明日奈〜!!!!!!!」

その少女を抱き起こす

明日奈「雷真?」

ゆっくりと目を開ける明日奈

明日奈「よかった、会えた」

雷真「ばか!今すぐ助ける!」

明日奈「無理だよ、わかるでしょう?」

明日奈の体からは夥しい量の出血

本能が告げているこれは致命傷だと

明日奈「ねえ、雷真?雷真が来てからの半年は本当にすごく楽しかった」

雷真「おい、何いってんだよ!助けるから黙ってろ!」

明日奈「雷真がきてからは、本当にいろいろなことがあった、私の人生でこんな幸せな時間はなかったんだ、きっとこれは神様が最後に私にくれたご褒美だったんだよ」

雷真「やめろ!そんなことない!!これからだってもっと楽しいことが待ってる!!」

明日奈「ねえ、雷真、、、、、私はここが最後だけどでも雷真は、まだきっとやることがあるのこの世界で、だから空っぽになっても、こうしてまだ生きてる」

ゆっくりと頬へ添えられる手


明日奈「ねえ、きっと巡り会えたことが運命なら私達の出会いも運命だったんだよね?雷真、、、、、、」

雷真「ああ、空っぽになっていた俺に生きるための命をくれたのはお前だ明日奈、、」

涙が止まらない、きっとこれが最後になる

明日奈「ねえ、雷真はきっとたくさんの人を救える人なんだよ、、、、まだやるべき事があるんだきっと、、、、私も、最後まで見ているから、、、約束してね?」

雷真「ああ、約束だ、、お前はずっと見ていてくれ俺の戦いを、お前のその思いも俺は背負っていくよ」

ゆっくりと閉じるまぶた、落ちていく手

明日奈「雷真、、、大好き、、約束よ、、、、」




次回予告

暁「雷真!!!やはり君は!!」

雷真「消え失せろ」

輝夜「ようこそ、小鳥遊雷真君魔導学園へ」

天理「それでも私は彼を守る」

雷真「鳴神、、、翼、、?」

次回 魔導学園へ


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