うちよそ村

とある学園の教師

アレイシアと5

「や、やめろー!」
アレイシアが喘ぐ。
わざとらしさの混じったものだ。
「やめねーよ」
クローヴェルが、彼女に躙り寄る。
「なんでだ!貴公はそんな人間じゃないと信じてたのに!」
「う、うるせー!これは俺の使命だ。大人しく身を差し出せ………!」
「アイスを横取りする事の何処が使命だ!そんなので屈する訳が………」
「それ二つ買ってやる」
「だったら自分で買ってこい!私は今食べたいんだ!」
「俺もそうだよ!くっ………買ってくるしかないのか………」
「おう!買ってこい!気をつけてな!」
「くそぅ………出費が嵩む……」
「それなら2つ買うとか言うなよ……」
彼の悲しそうな背中を見つめて、彼女は呟いた。



「買ってきました!」
「そうか。私は食べ終わったが」
「おかわり買ってきたぞ」
彼女アレイシアが彼の顔を見る。
「出費が云々って言ってたのは?」
「ああ、金おろしてきた」
「幾ら?」
「下世話だなぁ………20万」
「パッと思いついて引き出せる値段じゃないな………」
「稼ぎだけはあるんでな」
アイスとスプーンを放り投げる。
「あぶなっ」
音を切って渡されるソレを受け止める。
「ナイスキャッチ」
彼が笑って、自分のアイスも取り出す。
「うわ、新しい味か」
「嫌か?」
「プレーンの方が好きだ」
「そうか、食え」
「まぁ、有難く受け取っておく」
「そうしとけ」
「今度はプレーンな」
「わーったよ」
「ありがとな」
「おうよ」


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