うちよそ村

とある学園の教師

ノアと

「ローゼン、どうしたの」
「いえ、お互い姉同士仲良くできないかなーって。うふふ」
「ふふ、良いことよ。私も貴女とは話してみたかったのよ。クロー君のこともあって、ね」
「ここは天国よ。何も隠すことは無いしね」
「そうね。でも、私の妹ももう生きてないから、どこかで見てるかも」
「私の弟はまだ生きてるからその心配は無いわ」
「ふふ、それでも、よ。包み隠さずに話すのは難しいのよ。恥ずかしいしね」
「そんなものかしら。まぁ良いわ。上で弟を見ていられるもの」
「私も、アレイシア達を見ていられるのなら良いわ」
「アレイシア?」
「私の親友よ。仲違いして、それっきりだけどね」
「そう、色々あるのね」
「不関心は悪い事よ」
「私、学者じゃないもの。知の探求は趣味じゃないのわ」
「ふふ、そう。でも良いわ。そんな貴女も嫌いじゃない」
「私達似てるわね、前世は姉妹かしら」
「貴女程昔に生きていた訳じゃないもの、わからないわ。何より、原初の世界というものに生きていた筈の貴女の全身が、私の前身と姉妹だなんて有り得ないわよ」
「マジレスしないでよぅ………でも、始まりの星だなんて実感湧かないわ」
「そんなの、当たり前だと思う」
「思う、ね。弟が居ればどうでも良かったけど、そう上手くはいかないわよね」
「研究に生きた私の意見よ。貴女と違くて当たり前だもの」
ノアが慰めの言葉をかける。
「私はノア、貴女よりも長く存在している。だけどこうして未熟さを晒しているのよ」
「良いじゃない。私だって、少なくとも幼さを残している。あの過酷な場所で、大したものを見いだせていない」
「それは、お互い様なのね」
「そうよ、だからせめて」
大切な者の結末を見届けよう。
そう言って、2人は笑った。

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