じゃんじゃん死のう!から始まってしまいましたね異世界生活え? この流れで? えっと頑張ってマスター いや、これタイトル? あ、これ四人で言ってます さてと 俺の台詞は・・・

日ノ丸太郎

1話 異世界に転移したと思う

 真っ暗な視界の中、彼が感じるのは山で感じるのような、涼しくも暖かい風。

(あの痛みはどこえやら、あれは夢か幻か、はたまた現実か)

恐ろしいほど冷静な自分に若干ヒヤッとしながらも、ゆっくりその瞼を開けた。

「わお」

そこに広がったのは青空。 この風にこの空ときたら、ここが天国かと思うのは自然の流か、 そんなことを思いながら自分の心が本当に整理つくまで真助は、そっと瞼を閉じた。

時に寝返りをし、時に右手で目を隠し、そっと空を眺める。 寝返りをうった時に見えたのは景色はなく、映ったものは無尽蔵にはえわたる雑草だけ、きっとここは草原なのだろうと真助は思うのだった。

(しかしまぁ 人間というものはどこまでも怠惰なものなんですね~)

勢いよく起き上がる真助。 左右を見渡すがその瞳に映ったのは風の波に力なく流され続ける草原。 彼の探しているものの姿はなかった。

(おやおや? どうしたのかな? もしかして、僕のこと探してる?)

肩がぴくり動く真助。

「何処だ! 何処にいやがる! 姿を現しやがれ! この悪魔!」

(あはは、それは無理だよ真助君。 だって僕は今別の時空にいるからね)

「てことは、よくある脳に直接ってやつか、クソ」

(その通りだよ。 いや~それにしてもどうだい? 異世界に来た気分は?)

「やっぱりここは異世界、何だな?」

(勿論だよ、契約に対しては嘘はつかないよ僕達は)

真助は立ち上がる。 そして一度唾を飲み込み口を再び開けた。

「ステータスオープン」

真助がそう言葉を発した途端に目の前に半透明の黒い板状のものが出現した。




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名前 齋藤真助          種族人間


MP0          


スキルなし



加護なし



称号 最弱者


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「は? いや、マジ?」

(現実だよ少年)

「ふざけんな、これは夢だろ」

(いやいや、現実だよ)

真助は大きく溜め息をつく。

「え? 何? じゃあ俺はついさっきまでの俺と変わんないわけですか?」

(うん)

「何のためにこの世界に来たんだよ俺はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

真助という男が人生でもっとも大きく叫んだ瞬間である。

(え? 異世界に来たかったんじゃないの?)

「あぁ こんな叫んだことなかったから何かすっきりした。 あとな、俺は、美少女とイチャイチャしたくて異世界に来たかったんだ、誰が死ぬために来るか馬鹿野郎」

(馬鹿野郎は君でしょ? ちゃんとそう言うのは言っておかないと)

「・・・」

(あはは、ま、何か可哀想だし、僕から君に一つだけ能力をあげるよ。 反応が面白かったからその褒美ということで)

「な!? マジか! 以外といいやつだな悪魔は!」

(手のひらくるくるだね)

その瞬間、真助の体が青く光る。

「おお! それっぽいぞ! で、どんなチート能力何だ?」

(えっとね、能力名は継承。細かく言うと、これから君は死んでも生き返ります。 だけど、死に戻りではないからご注意をね、で、蘇生ポイントは最後に居た街から、今ならここから再スタート)

「うん、強いけど弱いな」

(あはは、そんな最初から強いなんてつまんないって言ってたのは君じゃないか~)

「ぐ、確かにそうだが、てか、何で知ってるんだよ」

(悪魔ですから、まあいいや、これから頑張ってね真助君。 あ、この世界には魔王居るからね、興味があるなら倒してみれば? じゃ、僕はここら辺でバイバーイ 1ヶ月後にまた連絡してあげる)

「は? え?」

そして、真助の頭の中から悪魔の声がパット消えた。

一人になった真助には先程までは感じなかった孤独感が、今更襲ってきたのだった。


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