転生したら妖狐な幼女神になりました~前世の記憶と時空創造者~
アリエスはメイドたちとのんびり会話を楽しみたい
廊下を歩いていくと、途中途中で仕事をしているメイドたちに出くわす。
当然といえば当然なんだけど、歩きながら彼女たちの様子を見ていると、実に楽しそうに屋敷内で仕事をしているのがわかる。
何でそんなに楽しそうなのかは分からない。
でも、壺一つ磨くのもニコニコ笑顔で優しく拭き拭き。
よくわからない像も笑顔で拭き拭きしているのだ。
ちなみにボクが見たよくわからない像は、頬に手を当てて何かを叫んでいるように見える造形をしている。
とても奇妙だけど面白いとは思う。
怖いけど……。
ちなみにこれを拾ってきたのはエメだ。
エメがいうには森の奥にひっそりと置かれていたので持って帰ってきたらしい。
よくこんなものを持って帰ってくる気になったよね……。
「アリス様だ! 今日もお可愛らしい」
「アリオス様の時も素敵でしたが、今世も素敵ですわ」
「アリエス様って、昔から不思議なところがあったけど、全能神様の直系の孫なら納得です。全能神様もなかなかに不思議な方ですから」
と、ボクを見かけるたびにメイドたちが挨拶をしてくるわけだけど、同時にボクに関する話題も漏れ聞こえてくる。
そういえば、ボク自身のことはまだちゃんと話してなかったっけ。
ボクことアリエスは、メイドたちからはアリスという愛称で呼ばれることが多い。
髪の毛の色は青を基調とした銀髪で、青銀色とでも呼んでもいいかもしれない。
ヘアスタイルは伸ばしっぱなしの状態なので、背中まで伸びるロングヘア状態だ。
いずれちゃんとしたヘアスタイルにはしたいけど、街で人気のヘアスタイルには、低年齢女児用のヘアスタイルは存在していない。
前世で男だったといっても、今世では女の子なのだからそういうところはしっかりしておきたいと思う。
身長は平均より低めで、一メートルもいってない。
言い換えれば百センチ未満だ。
体重は軽く、十六キロほどかな?
瞳の色は紅色で、ボクのベースとなっている種族に準拠したものとなっている。
若干たれ目なのはなんでだろう? あと声は高めかな?
他の特徴としては、青銀色の狐耳が頭の上に乗っていたり、腰からふさふさした青銀色の尻尾が生えているくらいだろうか。
その見た目は、人間寄りの獣人って感じだろうね。
そうそう、ボク自身は人間ではない。
神と人間の合いの子だったデミゴッドのアリオスと、妖狐族という狐の獣人のような不思議な力を持った種族の娘である、ルナの遺伝子を掛け合わせて作られたホムンクルス体が、今世のボクの体なんだ。
そのため、ボク自身は人間の姿にも妖狐の姿にもなることが出来る。
まぁ、元々この体は『娘』となる存在のために用意されていたわけだけど、転生する際にお爺様に工作されてアリオスの魂がこの体に入ることになった。
健康に育つようにと色々な技術を使い、強靭な身体に強力な力を宿す形で強化していった『娘』の体だけあって、お爺様であっても魂を定着させるのに二百年もかかったらしい。
そんなわけでボクは二百年後の世界に生まれ変わることになったのだ。
ちなみに、この二百年の間にエリュシオンでは、初の狐の獣人が誕生していた。
この種族は人界である『アーレシオン』には存在しないため、エリュシオン独自の種族となる。
その原因は妖狐族で、妖狐族の一部が人間と結婚、その子供が獣人と結婚して誕生した。
妖狐族自体、神界とは違う『神郷』と呼ばれる世界からやってきており、そもそも人界には存在していない。
なので、人界には妖狐族も狐の獣人も存在しないのである。
何でこんな話をしたかって?
簡単なことだよ、ボク自身は人間の姿にも妖狐の姿にもなることができる。
人界には狐の獣人みたいなのがいないので、それ以外の種族の姿を取るしかない。
でも、エリュシオンには存在するため、妖狐の姿でいることが可能なのだ!
実際ボクは、妻だったルナのもふもふした尻尾を気に入っていたし、ボク自身にもそれが存在していると知って毎日自分でもふもふを心行くまで手入れしていたりする。
だからエリュシオンに居る時は基本的にボクは妖狐の姿をとるのだ。
それに、ボクがいるこの地区には妖狐族が集まって住んでおり、他所よりももふもふ率が高くなっている。
「アリス様の可愛らしい尻尾、お触りしてもよろしいでしょうか?」
メイドの一人がボクにそう問いかけてくる。
ボクとしては触らせてあげたいところだけど、ここは心を鬼にする必要があった。
「後でならいいよ? 今からアクアたちとのお茶会だからね」
「本当ですか!? 絶対! 絶対ですからね!!」
「う、うん……」
あまりの迫力にボクは若干しり込みする。
ずいっと身を乗り出し、顔をボクに近づけてそう言ってくるのだ。
「お、落ち着いて。わかった。わかったから!」
「あの子いいな~。私も混ざろうかしら」
「貴女だって混ざるなら私も混ざりたいわ」
「私も!」
ボクが許可を出したせいか、周りにで仕事をしていたメイドたちもわらわらと集まってきて「私も」と連呼する。
どうやらあとでみんなにもふもふされなければいけないようだ。
「と、とりあえず、あとでね!!」
うちのメイドたちは基本的にこんなものなのである。
「アリス様、あまり触らせますと、アリス様のストレスになることもありますよ?」
「アリス様は優しいですからね~。あの暴れん坊のルビだって、アリス様にかかるとイチコロでしたし」
「そうかな~? まぁみんなにも、もふもふのありがたさを分かってほしいと思ってるよ」
メイドのみんなと別れ、サロン前に向かう。
エメとトパーズと話しながら進んでいくと、あっという間にサロンの扉の前に辿りついた。
「お待ちしておりました。本日は伏見地区で栽培されているお茶の木から摘まれました、新茶と同地区の小倉羊羹をご用意しました」
「おぉ、いいね! ありがとう! アクア」
「いいえ。それでは参りましょう」
アクアたちと共にサロンに入ると、一つのテーブルに案内される。
テーブルの上にはすでに羊羹が置かれており、テーブルの側には、白い髪と黒い髪をしたメイドがいつでもお茶を淹れられるように待機している。
「今日の給仕はダイアとオニキスなんだね」
「はい、アリス様」
「アリス様のために」
ダイアはそう言うと、さっそくお茶を淹れ始める。
まずは人数分の湯呑にお湯を注ぎ、その後、茶葉を急須に入れ、湯呑のお湯を急須に注ぐと一分ほど待ち、頃合いを見て、急須からお茶を人数分の湯呑に少しずつ注いで回していく。
今回は側近に当たるメイドばかりなので、彼女たちの分も同じように淹れている。
メンバーとしては、ボクにアクア、ルビにエメ、トパーズにダイアにオニキスの合計七名だ。
お茶を待つ間にダイアとオニキスの説明をしておこう。
光の精霊王ダイアと闇の精霊王オニキス。
白い髪の毛をツインテールにしている女性がダイアで、黒い髪の毛をツインテールにしているのがオニキスだ。
二人は双子で顔もよく似ている。
共に白い肌をしており、瞳の色は二人とも金色だ。
身長は百五十センチで、胸のサイズも同じ。
トパーズと並べると少女が三人いるように見えるだろう。
見た目の年齢ではこの二人が一番幼かったりする。
料理は好きだが、一番得意なのはお菓子作り。
性格は姉であるダイアのほうが相手に対して丁寧に話す。
ただ、無表情なため冷たい印象を受けやすい。
妹であるオニキスは最低限の単語を話すことがほとんどだ。
無表情であるため、人見知りと思われるかもしれない。
ちなみに本人は好きな人との会話を好む。
「どうされました? 私たちの顔をじっと見て」
「そんなに見つめられると、ボクも恥ずかしい……」
「いや、なんとなくね!」
ボクは軽く誤魔化した。
ちなみに、ダイアの一人称は『私』だけど、オニキスの一人称はボクと同じ『ボク』だ。
紛らわしいかもしれないね。
「さて、若干一名来ないですが、無視して始めま――「うわっとと、遅れたー!!」。ルビ、うるさいですよ? さっさと席に着きなさい」
先に始めようとしたアクアが、冷たい声で慌てて入ってきたルビに注意した。
「うっす!」
ルビはそれだけ言うと、素直に着席したのだった。
当然といえば当然なんだけど、歩きながら彼女たちの様子を見ていると、実に楽しそうに屋敷内で仕事をしているのがわかる。
何でそんなに楽しそうなのかは分からない。
でも、壺一つ磨くのもニコニコ笑顔で優しく拭き拭き。
よくわからない像も笑顔で拭き拭きしているのだ。
ちなみにボクが見たよくわからない像は、頬に手を当てて何かを叫んでいるように見える造形をしている。
とても奇妙だけど面白いとは思う。
怖いけど……。
ちなみにこれを拾ってきたのはエメだ。
エメがいうには森の奥にひっそりと置かれていたので持って帰ってきたらしい。
よくこんなものを持って帰ってくる気になったよね……。
「アリス様だ! 今日もお可愛らしい」
「アリオス様の時も素敵でしたが、今世も素敵ですわ」
「アリエス様って、昔から不思議なところがあったけど、全能神様の直系の孫なら納得です。全能神様もなかなかに不思議な方ですから」
と、ボクを見かけるたびにメイドたちが挨拶をしてくるわけだけど、同時にボクに関する話題も漏れ聞こえてくる。
そういえば、ボク自身のことはまだちゃんと話してなかったっけ。
ボクことアリエスは、メイドたちからはアリスという愛称で呼ばれることが多い。
髪の毛の色は青を基調とした銀髪で、青銀色とでも呼んでもいいかもしれない。
ヘアスタイルは伸ばしっぱなしの状態なので、背中まで伸びるロングヘア状態だ。
いずれちゃんとしたヘアスタイルにはしたいけど、街で人気のヘアスタイルには、低年齢女児用のヘアスタイルは存在していない。
前世で男だったといっても、今世では女の子なのだからそういうところはしっかりしておきたいと思う。
身長は平均より低めで、一メートルもいってない。
言い換えれば百センチ未満だ。
体重は軽く、十六キロほどかな?
瞳の色は紅色で、ボクのベースとなっている種族に準拠したものとなっている。
若干たれ目なのはなんでだろう? あと声は高めかな?
他の特徴としては、青銀色の狐耳が頭の上に乗っていたり、腰からふさふさした青銀色の尻尾が生えているくらいだろうか。
その見た目は、人間寄りの獣人って感じだろうね。
そうそう、ボク自身は人間ではない。
神と人間の合いの子だったデミゴッドのアリオスと、妖狐族という狐の獣人のような不思議な力を持った種族の娘である、ルナの遺伝子を掛け合わせて作られたホムンクルス体が、今世のボクの体なんだ。
そのため、ボク自身は人間の姿にも妖狐の姿にもなることが出来る。
まぁ、元々この体は『娘』となる存在のために用意されていたわけだけど、転生する際にお爺様に工作されてアリオスの魂がこの体に入ることになった。
健康に育つようにと色々な技術を使い、強靭な身体に強力な力を宿す形で強化していった『娘』の体だけあって、お爺様であっても魂を定着させるのに二百年もかかったらしい。
そんなわけでボクは二百年後の世界に生まれ変わることになったのだ。
ちなみに、この二百年の間にエリュシオンでは、初の狐の獣人が誕生していた。
この種族は人界である『アーレシオン』には存在しないため、エリュシオン独自の種族となる。
その原因は妖狐族で、妖狐族の一部が人間と結婚、その子供が獣人と結婚して誕生した。
妖狐族自体、神界とは違う『神郷』と呼ばれる世界からやってきており、そもそも人界には存在していない。
なので、人界には妖狐族も狐の獣人も存在しないのである。
何でこんな話をしたかって?
簡単なことだよ、ボク自身は人間の姿にも妖狐の姿にもなることができる。
人界には狐の獣人みたいなのがいないので、それ以外の種族の姿を取るしかない。
でも、エリュシオンには存在するため、妖狐の姿でいることが可能なのだ!
実際ボクは、妻だったルナのもふもふした尻尾を気に入っていたし、ボク自身にもそれが存在していると知って毎日自分でもふもふを心行くまで手入れしていたりする。
だからエリュシオンに居る時は基本的にボクは妖狐の姿をとるのだ。
それに、ボクがいるこの地区には妖狐族が集まって住んでおり、他所よりももふもふ率が高くなっている。
「アリス様の可愛らしい尻尾、お触りしてもよろしいでしょうか?」
メイドの一人がボクにそう問いかけてくる。
ボクとしては触らせてあげたいところだけど、ここは心を鬼にする必要があった。
「後でならいいよ? 今からアクアたちとのお茶会だからね」
「本当ですか!? 絶対! 絶対ですからね!!」
「う、うん……」
あまりの迫力にボクは若干しり込みする。
ずいっと身を乗り出し、顔をボクに近づけてそう言ってくるのだ。
「お、落ち着いて。わかった。わかったから!」
「あの子いいな~。私も混ざろうかしら」
「貴女だって混ざるなら私も混ざりたいわ」
「私も!」
ボクが許可を出したせいか、周りにで仕事をしていたメイドたちもわらわらと集まってきて「私も」と連呼する。
どうやらあとでみんなにもふもふされなければいけないようだ。
「と、とりあえず、あとでね!!」
うちのメイドたちは基本的にこんなものなのである。
「アリス様、あまり触らせますと、アリス様のストレスになることもありますよ?」
「アリス様は優しいですからね~。あの暴れん坊のルビだって、アリス様にかかるとイチコロでしたし」
「そうかな~? まぁみんなにも、もふもふのありがたさを分かってほしいと思ってるよ」
メイドのみんなと別れ、サロン前に向かう。
エメとトパーズと話しながら進んでいくと、あっという間にサロンの扉の前に辿りついた。
「お待ちしておりました。本日は伏見地区で栽培されているお茶の木から摘まれました、新茶と同地区の小倉羊羹をご用意しました」
「おぉ、いいね! ありがとう! アクア」
「いいえ。それでは参りましょう」
アクアたちと共にサロンに入ると、一つのテーブルに案内される。
テーブルの上にはすでに羊羹が置かれており、テーブルの側には、白い髪と黒い髪をしたメイドがいつでもお茶を淹れられるように待機している。
「今日の給仕はダイアとオニキスなんだね」
「はい、アリス様」
「アリス様のために」
ダイアはそう言うと、さっそくお茶を淹れ始める。
まずは人数分の湯呑にお湯を注ぎ、その後、茶葉を急須に入れ、湯呑のお湯を急須に注ぐと一分ほど待ち、頃合いを見て、急須からお茶を人数分の湯呑に少しずつ注いで回していく。
今回は側近に当たるメイドばかりなので、彼女たちの分も同じように淹れている。
メンバーとしては、ボクにアクア、ルビにエメ、トパーズにダイアにオニキスの合計七名だ。
お茶を待つ間にダイアとオニキスの説明をしておこう。
光の精霊王ダイアと闇の精霊王オニキス。
白い髪の毛をツインテールにしている女性がダイアで、黒い髪の毛をツインテールにしているのがオニキスだ。
二人は双子で顔もよく似ている。
共に白い肌をしており、瞳の色は二人とも金色だ。
身長は百五十センチで、胸のサイズも同じ。
トパーズと並べると少女が三人いるように見えるだろう。
見た目の年齢ではこの二人が一番幼かったりする。
料理は好きだが、一番得意なのはお菓子作り。
性格は姉であるダイアのほうが相手に対して丁寧に話す。
ただ、無表情なため冷たい印象を受けやすい。
妹であるオニキスは最低限の単語を話すことがほとんどだ。
無表情であるため、人見知りと思われるかもしれない。
ちなみに本人は好きな人との会話を好む。
「どうされました? 私たちの顔をじっと見て」
「そんなに見つめられると、ボクも恥ずかしい……」
「いや、なんとなくね!」
ボクは軽く誤魔化した。
ちなみに、ダイアの一人称は『私』だけど、オニキスの一人称はボクと同じ『ボク』だ。
紛らわしいかもしれないね。
「さて、若干一名来ないですが、無視して始めま――「うわっとと、遅れたー!!」。ルビ、うるさいですよ? さっさと席に着きなさい」
先に始めようとしたアクアが、冷たい声で慌てて入ってきたルビに注意した。
「うっす!」
ルビはそれだけ言うと、素直に着席したのだった。
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
23252
-
-
11128
-
-
1
-
-
52
-
-
49989
-
-
2
-
-
768
-
-
125
-
-
0
コメント