ゾンビになって生き返ったので 復讐してやる

カイガ

53話「宣伝活動」/おまけ


 俺の幻術で心を壊して絶命した兵士がほとんど。ギリギリ生きているが、もう返ってこられないだろうな奴が少々、ってところだ。
 まずは、まだ生きている兵士どもに止めを刺しにいく。
 全員死んだことを確認した次は、アイテム“屍族転生の種(アンデッド・シード)”を取り出す。

 こいつの特徴は他にもあった。念じた数の分だけ、きっちり発現するというところだ。
 この種を死んだ兵士の分だけ増やして、全ての死体に植える。
 しばらくして、大量のゾンビ兵士ができた。こいつらを使ってなにをするのかというと、王国に対する「宣伝活動」だ。



―甲斐田皇雅がこの王国を滅ぼしに来るぞ―と



 そろそろ俺の存在をあのゴミクズ王族どもに知らせてもいい頃だろう。あいつらが、俺が生きていて、しかもこれから殺しに来るって知ったらどんなリアクションをしてくれるのだろうな?やっぱり殺したあいつらと同じ、俺を完全に嘗めてかかるだろうか。
 同じ展開にも飽きてきたし、少しシチュエーションを変えよう。

 あらかじめ、音信不通の兵士たちと、救世団(笑)のメンバー8名は、甲斐田皇雅が殺したということを広める。その役目が、このゾンビ兵士どもだ。
 これから俺は一旦アレンたちがいる竜人族国サラマンドラに戻って休憩する。
 その間、こいつらにはドラグニア王国に行かせて、王宮内に着いた直後に、宣伝活動をさせる。
 仕事が済んだら、テキトーに自爆させるか。
 これで少しは俺に対して警戒を抱いてくれるかな?そして自覚するかな?テメーらが俺にしてしまったことを。
 早速作業に取り掛かる。ゾンビ兵士全員に命令をとばす。


―今から隊列をつくってドラグニア王国へ帰還しろ。王宮内へ入ったら、
“派遣した兵士たちと救世団8名は甲斐田皇雅が全員殺した。そしてこの後ここにいる王族どもも皆殺しにする。待っていろ”―と叫んで回れ。その後は勝手にしろ―


 命令し終えると、ゾンビ兵士どもは隊列をつくって、軍隊行進で村を出た。
 その異様な光景を見た村民たちが戸惑っていた。
 一応あの惨劇は、誰一人見ていなかったようだ。俺の存在に気付く奴もいない。
 「迷彩」で姿と気配を消して堂々と村を出る。アレンたちのもとへ帰ろう。

 「あ~次が楽しみだなぁ!こんなに充実した日々が続くなんて!!さっさと殺しに行きたいなぁ!」

 初めての遠足を待ち遠しく思う小学生のような気分で、意気揚々と歩いて行った。

 復讐は、まだまだ続く―。




(第3章 完)





おまけ

主人公除くクラスメイト一覧(名前と職業)

青木智貴《あおきともたか》(砲撃手)
安藤久美(魔術師) 
石倉大輔《いしくらだいすけ》(銃剣士) 
井上詩愛《いのうえしあ》(双剣士) 
宇川雅《うかわみやび》(ガンナー) 
江島葵《えしまあおい》(錬成術師)) 
大西雄介(両手剣士) 
小川奨貴《おがわしょうき》(暗器使い) 
柿本太郎《かきもとたろう》(剣闘士) 
片上敦基(槍使い) 
木戸涼介《きどりょうすけ》(ヘビーファイター) 
久野朝霞《くのあさか》(両手剣士) 
小林大記(魔術師) 
阪本渉《さかもとわたる》(薙刀使い) 
里中優斗(格闘家) 
柴田《しばた》あいり(召喚術師) 
鈴木貞三郎《またさぶろう》賢者 
鈴木保子(軍略家) 
須藤賢也(銃剣士) 
瀬戸希里穂《せときりほ》(斧使い) 
曽根美紀《そねみき》(盾戦士) 
高園縁佳(狙撃手) 
津村日色《つむらひいろ》(格闘家) 
堂丸勇也《どうまるゆうや》(ガンシューター) 
中西晴美《なかにしはるみ》(プリースト)  
野口将輝《のぐちしょうき》(暗器使い) 
原田勇気《はらだゆうき》(砲撃手) 
早川《はやかわ》たかし(太刀剣士) 
村瀬音夢《むらせねむ》(笛使い) 
森川巧《もりかわたくみ》(双剣士) 
山崎勇希《やまさきゆうき》(錬金術師) 
山本純一(拳闘士) 
米田小夜《よねださや》(呪術士) 
和田奈央《わだなお》(弓使い)  


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