最強の勇者ですし魔王も倒したんでパーティーメンバーにセ◯レになってもらおう思います。《フラれました辛い》

吟遊詩人

闇夜の森でこの気持ちを伝えよう。

これは【これから起こる】物語の【実に三ヶ月前】、
魔王を倒した凄まじく間の抜けた男の視点から始まる…


月明かりが暗闇を照らす。
闇夜の森、切り株に腰掛け【彼女】を待つ。
ここには、まだ俺しかいない。

整った容姿、前髪のサイドをツーブロックに刈り上げ、後ろ髪を纏めた髪型、
軽い革鎧に腰には持ち手、鞘だけですら分かる程の名剣。
遠目から見るなら道楽で冒険者稼業を行う貴族のようにすら見えるが、
手のマメ、甲の打痕、目の下の小さな傷や左耳の切れ跡…
大きく目立ちはしないが軽装備の上からでも分かる小さな傷痕が身体中にあり、その青年のそれが道楽によって負ったものでは無いことは見れば見るほど明らかだろう。

青年は【彼女】との待ち合わせにこの闇夜の森を選んだ。

パートナーであり、親友とすら思っている存在であり、一生を捧げて欲しいと心から思う異性。

【聖女 マリー・ホワイト】

彼女にこの気持ちを伝えるのはこの場所しかないと、そう思った。

…小枝を踏み折る音が聞こえる。
まだ彼女に伝えた時間の30分も前だ。

邪魔は…されたく無いんだがな。
初心者の修練場に使われることが多いこの森、【ウッドチップ】とはいえど夜にはリトルウルフ(状況適合種の繁殖に適した狼で成獣になっても小柄)が現れることもある。
…だが、足音は1つ…?
そんなことを考え、右手で剣をいつでも引き抜ける用に少し警戒をする。

だが、現れたのは心から望み、選択をすることを選んだその人物だった。

「ととっ…ゆっ勇者…様…?」

…そうだったな。
いつも、彼女は俺達より早く準備をしたり集合場所で待っていたりした。

そんな彼女に待ってもらいたくなくて、
いつの間にか彼女と一緒にいる時間が多くなった。

【待ってもらっている時間を一緒にいる時間に変えようと思った。】

…そうか、ならば
「こんばんは。よい夜だな」
彼女に微笑み、そう言った。

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