ファンタジー異世界って・・・どういうことだっ!?
第16話 蒼天白夜
アレンは一歩踏み出すと同時に自分の後方へと向けて魔力を解き放ち、目にもとまらぬ勢いでゼウスへ向けて突進した。
ーキィン!!
「っ!?」
とっさに反応し、まさにぎりぎりのところでアレンの剣を受け止めるゼウス。受け流すほどの余裕は、もう残されていなかった。
「剣圧が…上がっている…?いや、能力が上がってるのかな…あれは。」
はたで見ていたハデスが、ぼそぼそと呟く。
「え…?アレン、強くなってるの?」
それを近くで聞いたクローディアが、ハデスへと聞き返す。
「そうだね。まさに…二人の愛のなせる技…というところだろうね…。いや、お熱いことで何よりだよ…しかし、二人とも、【コール】なら念じるだけでもよかったのに、大声で叫ぶなんて…もうおなかいっぱいだったよ。僕は…。独り者には、きついものがあるよね。」
「へっ!?わ、私たち、声に出しちゃってましたか!?」
「ばっちり聞こえてたぞ…。一語一句たがわず諳んじることもできそうだ…。まったく、見せつけてくれるな、お前たちは。」
「ヴァ、ヴァイルまで…!!」
いつの間にか隣に居たヴァイルが、クローディアとリリアの後ろから声を掛ける。
その言葉に二人は羞恥からか、顔をますます真っ赤にさせ、顔を両手で覆ってしまった。
「ほ、ほかの人に聞かれるなんて…い、意外と恥ずかしいわね…これ…」
「そ、そうですねぇ……。あぁ、穴があったら入りたいです…!」
二人がしゃがみこんだその瞬間、アレンの怒りの雄叫びが聞こえた。
『ウオオオオオオオォォォオッッ!!』
アレンの怒気が、覇気が、闘気がドーム状の白い部屋の中に蒼い魔力となって吹き荒れる。
鋭い眼光に射抜かれた最高神ゼウスは体が一瞬硬直してしまう。アレンのあふれんばかりの圧倒的魔力が、ついにゼウスを超えた瞬間だった。
アレンの視界の端で、ログが更新された。
ー【超越する意思】の発動を確認ー
ー【神殺し】の効果が自動発動されますー
ーイベント008の改変を確認 条件解除ー
ー革命イベント001 【最高神】 開始されますー
ー個人名 アレン の能力限界突破。真名 <白井源示朗> により、固有スキルが付加されますー
ー固有スキル【白ノ領域『神域ー白ー』】 【世界ヲ繋グ】 【元素"オリジン"自動生成】 【天ヲ示ス者】【蒼ノ領域『神域ー蒼ー』】 が付加されましたー
ー行動ボーナス 【愛の力】 付与されましたー
ーイベント改変 ※※※ データ開示不能 ※※※ー
ー強制イベント改変 ×××【愛の力】により×× × ××-
ー【蒼天白夜】 降臨ー
だが、それに気を取られる訳にはいかない。変なスキルがいくつか身に付き、さらに力が増大した気がするが、今は目の前の敵を倒すだけ。アレンはろくにログを見もせず、ゼウスに斬りかかる。
アレンの剣が、ゼウスの剣にあたった瞬間、おぞましいまでの圧倒的な力がゼウスの全身を包み込む。
ゼウスは思う。どういうことだ…。と。確かに、今までは互角ぐらいの戦いをしていたはず。しかしそれがなぜか、戦っているうちに魔力が、戦闘能力が見る見るうちに向上していくアレンは、ゼウスの眼から見ても異常な者だった。
何が、彼をここまで強くさせるのか。
何が、彼をここまで奮い立たせるのか。
何が、彼を【神】へと昇華させたのか。
ゼウスは分からない。本気でほかの者を愛したことのないゼウスには。
アレンの心にある…二人の嫁への愛は、ゼウスにはわからなかったのだ。
「これで…決める…!」
アレンがこの戦いに決着をつけようと、剣を構えた瞬間、またもやログが流れる。
ー能力適用完了ー
ー不死族解除不能 命数引き継ぎ 夫婦関係の条件 引き続き適用されますー
ー【不死族化】スキル削除 ※これにより、能力値は変わりませんー
ー【神化ー蒼天白夜ー】スキル追加ー
ー【神化ー蒼天白夜ー】自動発動ー
「なっ!?なんだっ!?」
驚きの声をあげたアレン。それもそのはず。自分の髪が、銀髪の長髪から、深い蒼色の長髪に変わり、体の方も、より一層逞しくなった。
服も変化し、深い蒼と白で構成された、装飾過多な神々しい衣装へと変わる。
「なん…だって…?」
ハデスが呆けたような声を上げる。ヴァイルは絶句し、言葉も出ないようだった。
「なに!?何が起きているの!?」
「アレンが…神々しいんですがっ…!?」
クローディアとリリアも戸惑いの色を隠せない。
「貴様……神へと変われるのかっ!?」
ゼウスですら驚きの声を上げる中、状況は刻一刻と変化していく。
荒れ狂う魔力の波。
ーアレンの戦意が一定以上を超えましたー
ー【白ノ領域『神域ー白ー』】自動発動ー
ー【蒼ノ領域『神域ー蒼ー』】自動発動ー
ー元から発動されていた領域と競合ー
ー領域浸食により、【天ノ領域『神域ー天ー』】が削除されますー
今までいたドーム状の部屋が、一瞬で蒼と白の魔力で満たされる。
それと同時に、ハデスが気付く。
「これは…領域浸食!?ありえない…アレン君は、生まれたての神だぞ…!?」
その声がした後、もうそこには、気絶していたラズエルも、ゼウスも…そしてアレン、クローディア、リリア、ヴァイル、ハデス…全員の姿が消えていた。
いや、この表現は的確ではない。
人と神を除いた領域すべて…すなわち、最高神の居城と周りに広がるその世界そのものが、消失した。
ーキィン!!
「っ!?」
とっさに反応し、まさにぎりぎりのところでアレンの剣を受け止めるゼウス。受け流すほどの余裕は、もう残されていなかった。
「剣圧が…上がっている…?いや、能力が上がってるのかな…あれは。」
はたで見ていたハデスが、ぼそぼそと呟く。
「え…?アレン、強くなってるの?」
それを近くで聞いたクローディアが、ハデスへと聞き返す。
「そうだね。まさに…二人の愛のなせる技…というところだろうね…。いや、お熱いことで何よりだよ…しかし、二人とも、【コール】なら念じるだけでもよかったのに、大声で叫ぶなんて…もうおなかいっぱいだったよ。僕は…。独り者には、きついものがあるよね。」
「へっ!?わ、私たち、声に出しちゃってましたか!?」
「ばっちり聞こえてたぞ…。一語一句たがわず諳んじることもできそうだ…。まったく、見せつけてくれるな、お前たちは。」
「ヴァ、ヴァイルまで…!!」
いつの間にか隣に居たヴァイルが、クローディアとリリアの後ろから声を掛ける。
その言葉に二人は羞恥からか、顔をますます真っ赤にさせ、顔を両手で覆ってしまった。
「ほ、ほかの人に聞かれるなんて…い、意外と恥ずかしいわね…これ…」
「そ、そうですねぇ……。あぁ、穴があったら入りたいです…!」
二人がしゃがみこんだその瞬間、アレンの怒りの雄叫びが聞こえた。
『ウオオオオオオオォォォオッッ!!』
アレンの怒気が、覇気が、闘気がドーム状の白い部屋の中に蒼い魔力となって吹き荒れる。
鋭い眼光に射抜かれた最高神ゼウスは体が一瞬硬直してしまう。アレンのあふれんばかりの圧倒的魔力が、ついにゼウスを超えた瞬間だった。
アレンの視界の端で、ログが更新された。
ー【超越する意思】の発動を確認ー
ー【神殺し】の効果が自動発動されますー
ーイベント008の改変を確認 条件解除ー
ー革命イベント001 【最高神】 開始されますー
ー個人名 アレン の能力限界突破。真名 <白井源示朗> により、固有スキルが付加されますー
ー固有スキル【白ノ領域『神域ー白ー』】 【世界ヲ繋グ】 【元素"オリジン"自動生成】 【天ヲ示ス者】【蒼ノ領域『神域ー蒼ー』】 が付加されましたー
ー行動ボーナス 【愛の力】 付与されましたー
ーイベント改変 ※※※ データ開示不能 ※※※ー
ー強制イベント改変 ×××【愛の力】により×× × ××-
ー【蒼天白夜】 降臨ー
だが、それに気を取られる訳にはいかない。変なスキルがいくつか身に付き、さらに力が増大した気がするが、今は目の前の敵を倒すだけ。アレンはろくにログを見もせず、ゼウスに斬りかかる。
アレンの剣が、ゼウスの剣にあたった瞬間、おぞましいまでの圧倒的な力がゼウスの全身を包み込む。
ゼウスは思う。どういうことだ…。と。確かに、今までは互角ぐらいの戦いをしていたはず。しかしそれがなぜか、戦っているうちに魔力が、戦闘能力が見る見るうちに向上していくアレンは、ゼウスの眼から見ても異常な者だった。
何が、彼をここまで強くさせるのか。
何が、彼をここまで奮い立たせるのか。
何が、彼を【神】へと昇華させたのか。
ゼウスは分からない。本気でほかの者を愛したことのないゼウスには。
アレンの心にある…二人の嫁への愛は、ゼウスにはわからなかったのだ。
「これで…決める…!」
アレンがこの戦いに決着をつけようと、剣を構えた瞬間、またもやログが流れる。
ー能力適用完了ー
ー不死族解除不能 命数引き継ぎ 夫婦関係の条件 引き続き適用されますー
ー【不死族化】スキル削除 ※これにより、能力値は変わりませんー
ー【神化ー蒼天白夜ー】スキル追加ー
ー【神化ー蒼天白夜ー】自動発動ー
「なっ!?なんだっ!?」
驚きの声をあげたアレン。それもそのはず。自分の髪が、銀髪の長髪から、深い蒼色の長髪に変わり、体の方も、より一層逞しくなった。
服も変化し、深い蒼と白で構成された、装飾過多な神々しい衣装へと変わる。
「なん…だって…?」
ハデスが呆けたような声を上げる。ヴァイルは絶句し、言葉も出ないようだった。
「なに!?何が起きているの!?」
「アレンが…神々しいんですがっ…!?」
クローディアとリリアも戸惑いの色を隠せない。
「貴様……神へと変われるのかっ!?」
ゼウスですら驚きの声を上げる中、状況は刻一刻と変化していく。
荒れ狂う魔力の波。
ーアレンの戦意が一定以上を超えましたー
ー【白ノ領域『神域ー白ー』】自動発動ー
ー【蒼ノ領域『神域ー蒼ー』】自動発動ー
ー元から発動されていた領域と競合ー
ー領域浸食により、【天ノ領域『神域ー天ー』】が削除されますー
今までいたドーム状の部屋が、一瞬で蒼と白の魔力で満たされる。
それと同時に、ハデスが気付く。
「これは…領域浸食!?ありえない…アレン君は、生まれたての神だぞ…!?」
その声がした後、もうそこには、気絶していたラズエルも、ゼウスも…そしてアレン、クローディア、リリア、ヴァイル、ハデス…全員の姿が消えていた。
いや、この表現は的確ではない。
人と神を除いた領域すべて…すなわち、最高神の居城と周りに広がるその世界そのものが、消失した。
コメント