ファンタジー異世界って・・・どういうことだっ!?
第24話 ネコ探し2
「それでは、こちらの依頼を受けていただけるんですね?」
受付嬢が私に尋ねてきたので、大きくうなずいた。
「ええ。次は依頼者の話が聞きたいのだけれど…どこにいるの?」
私は受付嬢に依頼者の場所を聞いた。
通常の依頼は、依頼を受けた後依頼者と話をし、情報を集める。
討伐系の依頼はそんなことはないが、モノ探しや、採集依頼の場合は、依頼者と話をするかどうか選べるのだ。
すると、受付嬢は自分を指で指示しながら、言い放つ。
「私です!」
「へ?あなたが?」
私は間抜けな声を出してしまう。
普通であれば、冒険者ギルドの職員が出す依頼は、依頼を受けたきりいなくなった冒険者の捜索か、ギルドに深く関係のある依頼だけだと私は聞いていたので、びっくりしてしまったのだ。
「そうです。私が依頼者です!……実は、飼い猫が二日前に外に出たまま帰ってこないんです……いつもだったら朝外に出たら、夜くらいには帰ってくるのに…」
よほど大事な猫だったのだろう…受付嬢の眼には涙がたまっていた。
私は胸をドンとたたき、言い放った。
「私に任せなさい!猫なら話も通じるし…ところで、なんていう名前なのかしら?」
「あ、ありがとうございますぅ!私、あの子がいないとだめなんです…猫の名前は、ばはむーと、って言います。強そうでしょう?あと、真っ白です。」
私はその口から出た名前に疑問を覚えたが、すぐに頭を切り替える。
ペットの名前なんてそんなものだ。自分がいいと思えば、それでいいのだと私は自分に言い聞かせる。
「そ、そうね…ばはむーとくん?」
「いえ、ばはむーとちゃんです。女の子です。」
「お、女の子でその名前なの…?」
私は思わず突っ込みを入れてしまう。語感からしてそれは完全に男の子だろう…という思いが、つい口に出てしまったが、受付嬢には聞こえていなかったようだ。
「何かおっしゃいました?」
「いえ…なんでもないわよ!?いいわ!必ず、ばはむーとちゃんを連れて帰ってくるわね!」
「よろしくお願いしますっ!」
私はそそくさと冒険者ギルドを出て、猫の捜索に向かったのだった。
(掲示板には捜索依頼はこれしかなかったみたいだし、緊急性のあるものは私じゃ受けれないランクだった…ホント、ちょうどいいくらいの依頼だったわね…)
―――――――
「にゃあ!にゃにゃぁ!?フーーッ!『なんだてめぇニャ!やんのかニャ!?ここは俺の縄張りニャ!』」
なぜか、私は猫にいちゃもんをつけられていた。
あのあと、冒険者ギルドの裏手の路地を歩いていくと、一匹の猫に出逢ったのだ。
その茶色く、縞々な猫は、私を見るなり威嚇してきたので、私もそれ相応の態度で返す。
「にゃあ…?にゃぁあ!?『いいの…?ぶっ殺すわよっ!?』」
「にゃああ!?にゃんにゃあぁ…『ひぃっニャ!?ごめんなさいニャ…』」
私にはこう聞こえているので問題ないが、ほかの人族が私たちを見たら、きっと引くんでしょうね…。
あ、ばはむーとちゃんの行先を知ってるかしら?
「にゃあ。にゃんにゃあ?にゃあん。『許してあげるわ。ところで、ばはむーとちゃんって知ってる?白いネコで、女の子なのだけれど。』」
「なーー。にゃん…にゃあ『えっとニャ…。ああ、あの別嬪の子猫ちゃんのことかニャ?それなら、昨日見かけたニャ。なんかニャ、ご主人からなでられすぎてストレスたまったからしばらく坑道に潜って姿を隠す…なんていってたニャあ』
なんと、クローディアはいきなりあたりを引いたようだ。
(坑道にダンジョン…初めて聞いたわね…まあ、なんとかなるでしょう…私は夜目もきくし。)
「にゃああん。『ありがとう、縞猫さん。』
「にゃあ。『どうってことないニャ。』」
私は、縞猫の彼にお礼を言い、坑道に向けて歩き出すのだった。
――――――――――
私は大通りの先にある坑道の入口手前まで来ていた。
坑道への入り口は騎士団が守っているので、騎士団の男に確認を取ってみることにした。
「ねえ、騎士さん。昨日か、今日、白い猫を見なかった?」
「白いネコ…ですか。うーん…私が担当していた時間にはいなかったなぁ…」
見張りをしていた二人のうち一人が答える…どうやらここには来ていないようだ。
だが、もう一人が驚きの発言をした。
「ああ、その猫なら…俺らの目の前を素通りして、隣の住宅街へと逃げて行ったよ。」
「本当に!?いつごろかわかるかしら?」
「う~ん…昨日の深夜ごろだったかな…?」
「ありがとう!仕事の邪魔して悪かったわね?」
「いや、そんなことはないさ。その猫、君の友達かい?」
「いえ、ギルドの受付嬢の猫よ…依頼があってね。探してるのよ…あ、そろそろ行かないと!」
私は二人に改めて礼を言い、坑道の近くにある住宅街へと向かった。
――――――
「へへっ…!この猫をあの子にプレゼントすれば…きっと俺にも振り向いてくれるはず!」
「にゃあ…」
白猫は籠に入れられていた。
それを見て、不気味に笑うこの男…何を隠そう、冒険者ギルドで騒いでいたあの男である。
暗い路地裏で見つけたその猫は綺麗な毛並みをしており、ひと目見て、あの黒猫の美少女と並べたい…という欲求が男に湧き上がったのだ。
そして自慢のユニークスキルを使い、しびれさせ、捕獲したのだ。
「よし…!じゃああの子を探しに行くとするか…!さっきは驚かしちゃったみたいだったからな…」
男は暗い路地裏を抜け、坑道につながる道へと抜けて出てきたとき、男の眼に、見覚えのある黒髪が移りこんだ…そう、あの黒猫美少女がとんでもないタイミングで自分の目の前に現れたのだ。
男は運命を感じずにはいられない。
すると、クローディアは男にに気付いたようだ。
「あー!!その猫!あんたが捕まえてたのね!?」
「へ!?…あ、ああ!これか!?これは、君にプレゼントしようと思ってな…!」
私は目の前に差し出された、男の持っている籠の中身…白猫に目を奪われる。
とてもきれいな白猫さんだったので、びっくりしてしまったのだ。
「へ?プレゼント?」
「あ、ああ!これを君に上げるから…!さっきのことは許してくれ!そして、俺と結婚してくれ!」
私ははぁ、とため息をつく。
「私はもうあんたとは違う人と結婚してるわ。そして、その猫ちゃんは捜索依頼がだされてた猫ちゃんよ。私が預かるわ。…ふん!!」
私は瞬時に一振りの包丁を太もものホルダーから取り出し、常人では認識できない速度で籠を破壊する。
「うおわっ!?」
「にゃああ!?」
瞬時に空中に放り出された猫を私は抱き留める。
「そして、許さないわ…町中でスキルを使うなんて、馬鹿じゃないの?少しは反省なさい…!」
「くそぉ…どうしても嫌と言うなら…実力こうっ…がはっ!!」
男は剣を構えようとしたので、私は包丁の柄で男を気絶させる。
「にゃあ!にゃー『ふぅ…まったく!どうしてこの手合いの男は減らないのかしら…ねぇ?ばはむーとちゃん?』」
「にゃー『何はともあれ、ありがとうニャ、黒猫さん。ご主人の所に帰ろうと思ったら、変な男につかまってしまったのニャ…』」
白猫さんは結構礼儀正しい猫だったので、私は安堵する。
「にゃあん『抜け出すのはいいけれど、あんまりあなたのご主人様を心配させない方がいいわよ…?さて、おうちに帰りましょうか。』
黒猫の美少女が頭の上に白猫を乗せて、町中を歩く。
その姿はとてもかわいらしいもので、誰もが目を引き付けられた。
―――――――
「見つけたわよー!」
私は白猫さん…ばはむーとを頭の上に乗せたまま、受付嬢に話しかける。
すると、受付嬢は飛び上がって喜んだ。
「ばはむーとちゃん…!!もう!心配したんだから!!…クローディア様!ありがとうございました…!これは、依頼の報酬です…」
私は980D受け取った。
捜索依頼の相場よりだいぶ高い報酬だったので、私はあることを思いつき、受付嬢に提案する。
「いいえ…ねえ、受付嬢さん?仕事が終わったら、お酒でも飲みに行きましょう?私、つれがいるのだけれど、今夜は暇なの。その白ネコさんも混ぜて、ね。」
「え…いいんですか!?ぜひともお願いします!お支払いは私が…「いえ、今回はばはむーとちゃんとも仲良くなりたいから…私におごらせて?遠慮しないで。私、お金結構もってるのよ?」
その後も少し受付嬢が支払いについて食い下がってきたが、最終的に受付嬢4割、クローディア6割で落ち着いた。
受付嬢が私に尋ねてきたので、大きくうなずいた。
「ええ。次は依頼者の話が聞きたいのだけれど…どこにいるの?」
私は受付嬢に依頼者の場所を聞いた。
通常の依頼は、依頼を受けた後依頼者と話をし、情報を集める。
討伐系の依頼はそんなことはないが、モノ探しや、採集依頼の場合は、依頼者と話をするかどうか選べるのだ。
すると、受付嬢は自分を指で指示しながら、言い放つ。
「私です!」
「へ?あなたが?」
私は間抜けな声を出してしまう。
普通であれば、冒険者ギルドの職員が出す依頼は、依頼を受けたきりいなくなった冒険者の捜索か、ギルドに深く関係のある依頼だけだと私は聞いていたので、びっくりしてしまったのだ。
「そうです。私が依頼者です!……実は、飼い猫が二日前に外に出たまま帰ってこないんです……いつもだったら朝外に出たら、夜くらいには帰ってくるのに…」
よほど大事な猫だったのだろう…受付嬢の眼には涙がたまっていた。
私は胸をドンとたたき、言い放った。
「私に任せなさい!猫なら話も通じるし…ところで、なんていう名前なのかしら?」
「あ、ありがとうございますぅ!私、あの子がいないとだめなんです…猫の名前は、ばはむーと、って言います。強そうでしょう?あと、真っ白です。」
私はその口から出た名前に疑問を覚えたが、すぐに頭を切り替える。
ペットの名前なんてそんなものだ。自分がいいと思えば、それでいいのだと私は自分に言い聞かせる。
「そ、そうね…ばはむーとくん?」
「いえ、ばはむーとちゃんです。女の子です。」
「お、女の子でその名前なの…?」
私は思わず突っ込みを入れてしまう。語感からしてそれは完全に男の子だろう…という思いが、つい口に出てしまったが、受付嬢には聞こえていなかったようだ。
「何かおっしゃいました?」
「いえ…なんでもないわよ!?いいわ!必ず、ばはむーとちゃんを連れて帰ってくるわね!」
「よろしくお願いしますっ!」
私はそそくさと冒険者ギルドを出て、猫の捜索に向かったのだった。
(掲示板には捜索依頼はこれしかなかったみたいだし、緊急性のあるものは私じゃ受けれないランクだった…ホント、ちょうどいいくらいの依頼だったわね…)
―――――――
「にゃあ!にゃにゃぁ!?フーーッ!『なんだてめぇニャ!やんのかニャ!?ここは俺の縄張りニャ!』」
なぜか、私は猫にいちゃもんをつけられていた。
あのあと、冒険者ギルドの裏手の路地を歩いていくと、一匹の猫に出逢ったのだ。
その茶色く、縞々な猫は、私を見るなり威嚇してきたので、私もそれ相応の態度で返す。
「にゃあ…?にゃぁあ!?『いいの…?ぶっ殺すわよっ!?』」
「にゃああ!?にゃんにゃあぁ…『ひぃっニャ!?ごめんなさいニャ…』」
私にはこう聞こえているので問題ないが、ほかの人族が私たちを見たら、きっと引くんでしょうね…。
あ、ばはむーとちゃんの行先を知ってるかしら?
「にゃあ。にゃんにゃあ?にゃあん。『許してあげるわ。ところで、ばはむーとちゃんって知ってる?白いネコで、女の子なのだけれど。』」
「なーー。にゃん…にゃあ『えっとニャ…。ああ、あの別嬪の子猫ちゃんのことかニャ?それなら、昨日見かけたニャ。なんかニャ、ご主人からなでられすぎてストレスたまったからしばらく坑道に潜って姿を隠す…なんていってたニャあ』
なんと、クローディアはいきなりあたりを引いたようだ。
(坑道にダンジョン…初めて聞いたわね…まあ、なんとかなるでしょう…私は夜目もきくし。)
「にゃああん。『ありがとう、縞猫さん。』
「にゃあ。『どうってことないニャ。』」
私は、縞猫の彼にお礼を言い、坑道に向けて歩き出すのだった。
――――――――――
私は大通りの先にある坑道の入口手前まで来ていた。
坑道への入り口は騎士団が守っているので、騎士団の男に確認を取ってみることにした。
「ねえ、騎士さん。昨日か、今日、白い猫を見なかった?」
「白いネコ…ですか。うーん…私が担当していた時間にはいなかったなぁ…」
見張りをしていた二人のうち一人が答える…どうやらここには来ていないようだ。
だが、もう一人が驚きの発言をした。
「ああ、その猫なら…俺らの目の前を素通りして、隣の住宅街へと逃げて行ったよ。」
「本当に!?いつごろかわかるかしら?」
「う~ん…昨日の深夜ごろだったかな…?」
「ありがとう!仕事の邪魔して悪かったわね?」
「いや、そんなことはないさ。その猫、君の友達かい?」
「いえ、ギルドの受付嬢の猫よ…依頼があってね。探してるのよ…あ、そろそろ行かないと!」
私は二人に改めて礼を言い、坑道の近くにある住宅街へと向かった。
――――――
「へへっ…!この猫をあの子にプレゼントすれば…きっと俺にも振り向いてくれるはず!」
「にゃあ…」
白猫は籠に入れられていた。
それを見て、不気味に笑うこの男…何を隠そう、冒険者ギルドで騒いでいたあの男である。
暗い路地裏で見つけたその猫は綺麗な毛並みをしており、ひと目見て、あの黒猫の美少女と並べたい…という欲求が男に湧き上がったのだ。
そして自慢のユニークスキルを使い、しびれさせ、捕獲したのだ。
「よし…!じゃああの子を探しに行くとするか…!さっきは驚かしちゃったみたいだったからな…」
男は暗い路地裏を抜け、坑道につながる道へと抜けて出てきたとき、男の眼に、見覚えのある黒髪が移りこんだ…そう、あの黒猫美少女がとんでもないタイミングで自分の目の前に現れたのだ。
男は運命を感じずにはいられない。
すると、クローディアは男にに気付いたようだ。
「あー!!その猫!あんたが捕まえてたのね!?」
「へ!?…あ、ああ!これか!?これは、君にプレゼントしようと思ってな…!」
私は目の前に差し出された、男の持っている籠の中身…白猫に目を奪われる。
とてもきれいな白猫さんだったので、びっくりしてしまったのだ。
「へ?プレゼント?」
「あ、ああ!これを君に上げるから…!さっきのことは許してくれ!そして、俺と結婚してくれ!」
私ははぁ、とため息をつく。
「私はもうあんたとは違う人と結婚してるわ。そして、その猫ちゃんは捜索依頼がだされてた猫ちゃんよ。私が預かるわ。…ふん!!」
私は瞬時に一振りの包丁を太もものホルダーから取り出し、常人では認識できない速度で籠を破壊する。
「うおわっ!?」
「にゃああ!?」
瞬時に空中に放り出された猫を私は抱き留める。
「そして、許さないわ…町中でスキルを使うなんて、馬鹿じゃないの?少しは反省なさい…!」
「くそぉ…どうしても嫌と言うなら…実力こうっ…がはっ!!」
男は剣を構えようとしたので、私は包丁の柄で男を気絶させる。
「にゃあ!にゃー『ふぅ…まったく!どうしてこの手合いの男は減らないのかしら…ねぇ?ばはむーとちゃん?』」
「にゃー『何はともあれ、ありがとうニャ、黒猫さん。ご主人の所に帰ろうと思ったら、変な男につかまってしまったのニャ…』」
白猫さんは結構礼儀正しい猫だったので、私は安堵する。
「にゃあん『抜け出すのはいいけれど、あんまりあなたのご主人様を心配させない方がいいわよ…?さて、おうちに帰りましょうか。』
黒猫の美少女が頭の上に白猫を乗せて、町中を歩く。
その姿はとてもかわいらしいもので、誰もが目を引き付けられた。
―――――――
「見つけたわよー!」
私は白猫さん…ばはむーとを頭の上に乗せたまま、受付嬢に話しかける。
すると、受付嬢は飛び上がって喜んだ。
「ばはむーとちゃん…!!もう!心配したんだから!!…クローディア様!ありがとうございました…!これは、依頼の報酬です…」
私は980D受け取った。
捜索依頼の相場よりだいぶ高い報酬だったので、私はあることを思いつき、受付嬢に提案する。
「いいえ…ねえ、受付嬢さん?仕事が終わったら、お酒でも飲みに行きましょう?私、つれがいるのだけれど、今夜は暇なの。その白ネコさんも混ぜて、ね。」
「え…いいんですか!?ぜひともお願いします!お支払いは私が…「いえ、今回はばはむーとちゃんとも仲良くなりたいから…私におごらせて?遠慮しないで。私、お金結構もってるのよ?」
その後も少し受付嬢が支払いについて食い下がってきたが、最終的に受付嬢4割、クローディア6割で落ち着いた。
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