ファンタジー異世界って・・・どういうことだっ!?

蒼凍 柊一

第19話 クローディアといちゃいちゃ

俺たちは鉱山都市から少し離れた道へと着地し、門まで歩いた。
商業都市から馬車で5日ほどの距離だが、俺たちの空中移動は相当早かったらしく、しばらく飛んだらすぐについたのだ。
そして、目の前にある大きな関所のような場所を見上げる。
その門は鉄製で、重厚なつくりとなっている。ちょっとやそっとじゃ壊れない頑丈な様子に、俺は思わず声を上げる。


「おぉ…ここが、鉱山都市か…」


鉱山都市。そこは字の通り、鉱山のある都市だ。なんでもオリハルコンやミスリルが発掘されるそうで、宝の山とも呼ばれているそうだ。
そして、この都市は発掘ギルドが運営している唯一の都市でもある。
発掘ギルドとは、文字通り、化石の発掘や、鉱石の発掘、遺跡の発掘…などなど、発掘と名のつくものはなんでもやっているギルドだ。


「こんばんは、旅の方。鉱山都市ベルスへいかれるのですね。通行税、入山税として、一人2ギールを徴収しております。」


鉱山都市への門をくぐろうとすると、門の横に立っていたお兄さんがそんなことを言ってきた。
俺は何ともなしに金をだす。人数分だ。


「これで、いいか?あと、宿屋の場所を教えてくれ…値段は気にしない。冒険者ギルドの場所と、最高級の宿を紹介してくれ。」


「はい。確かに…人数分の8ギール頂きました。…それで、宿ですが…門を入ると大通りにつながっておりますので、そこを道なりにまっすぐ行くと、右手に【ゴールド・ベッド】という名の宿屋があります…そこが最高級ですね…お高いですよ?一人10Kキールは見ないといけませんが…。その向かいにギルドもあります。」


「なるほど…教えてくれてありがとう。予算ならあるんだ…ちょっと疲れててね…いい宿で休みたいんだ。それでは。」


俺は青年に一礼し、宿屋へ向かった。




――――――――




その後はギルドにて、クローディアとリリアだけ用があったらしいので、俺とヴァイルは外で待ち、二人だけ何かをしてもらいに行ったようだ。


帰ってきた二人は互いに見つめあい、頷きあっていた。




――――――――


宿屋で手続きをすませ、早めの夕食をとった俺たちは部屋でくつろいでいた。


「ふぅ~食べたな…結構ウマかったな!ここの料理は!」


野菜と肉料理で膨れた腹をさする。


「そうね…山の地方だから、野菜や肉がメインだったけれど、コックの腕が最高だったわね。」


「おなかいっぱいです…」


「ふむ…やはり食事というのはいいものだな…主よ。我は風呂に入ってくる。」


「ああ。わかった。」


ヴァイルがおもむろに椅子から立ち上がり、風呂へと向かった。
俺はヴァイルがいなくなった後、話を切り出す。


「なあ。今日って誰と俺は寝りゃいいんだ?」


その言葉に、クローディアとリリアはびくっ、と飛び上がる。


「そそそそうね!!どうしようかしらね!二人部屋が二つしか取れなかったんだもの!アレンは疲れてるだろうし、ベッドで寝たいわよね!?」


「ど、どうしましょうか…あはは…」


微妙な空気が流れる。
そう、この宿、二人部屋が二つしか取れなかったのだ…。
必然的に俺はヴァイル、クローディア、リリアの誰かと寝ることになる。


「…なんでそんなに挙動不審なんだ?………って…ああ、そういうことか…」


俺は気付いた。いくらいちゃいちゃしていたといっても、二人のどちらかと寝るのは初めてだ。性的な意味でも。
そこで、以外にもリリアが口を開いた。


「クローディアとアレンで寝ればいいんじゃないですか?明日は私と寝てもらいます!!昼からのデート付きで!!」


赤面しながら早口でまくしたてるリリア。


「えっ!?い、いいの?リリア…?」


クローディアも顔を赤くしながらリリアに尋ねている。
なんだこの空間は。俺をキュン死にさせたいのか?
ちなみに、ヴァイルを除いた3人はもう入浴は済ませていた。
準備ばっちりというやつか。なんのだよ。


「…じゃあ、アレン…や、優しくしなさいよね!!」


「……いや、緊張しすぎだろ…まあ、俺もしてるけど……」






―――――――――




その夜。
俺は一人、部屋着でベッドの上に寝そべっていた。


そして、ゆっくりと寝室とリビングを区切っている扉が開かれる。






そこには、赤面している、ものすっごいエロさを放っている猫が、佇んでいた。
服は黒く、ところどころ透けているベビードールという奴か。ガーターも装着済み…ツボをわきまえてますね…さすがクローディアさん…。月明かりに照らされたその体は、いつにもまして色気を帯びていた。
クローディアは小さい声でぼそぼそと恥ずかしそうに言う。


「…あ、アレン…よ、よろしく、お願い、します…」


「何をだよ…ってか、緊張しすぎだし…」


俺はベッドから降りて、扉の前で胸を隠しているクローディアの目の前に立ち、抱きしめる。
ふわっと香るあまい匂いに、頭が瞬時に沸騰してしまう。
だが、急いではならない。


「いい匂いだな…ああ、可愛いなぁっ…」


いつもの癖で体中をなでまわしてしまう。
自然とクローディアの口から声が漏れる。


「ふにゅぅ…あぁん!…やっ、そんなとこ、やだ…にゃ、にゃあああ!」


ふにふにとしたお尻の感触や、ふさふさのしっぽの感触…それらを楽しんでいると、クローディアががくがくと震えているのがわかった。


「え?クローディア?どうした?」


「も、もう!!いきなりなにすんのよぉ…!」


涙目になり、腰が抜けてしまったのか、俺の方にしなだれかかってくるクローディア。
よかった。嫌なわけじゃないみたいだ。


「…べ、ベッドで、しなさいよっ」


その声に、俺の理性は吹き飛んだ。


ベッドに押し倒しながら、深く、甘いキスを交わす。


「ん……にゃぁ…」


未だ慣れないキスに戸惑うクローディア。
段々と体の硬直が取れていくのがわかる。


「愛してる。クローディア…」


俺が耳元でそういうと、クローディアも俺の耳元で囁いてくれた。


「私もよ。アレン…優しく、してね…?」


長い夜の、始まりだった。








―――――――








正直に言おう。
最高だった!!
びくびく震える女の子ってあんなに可愛いんだね!!


なんて思いながら、俺は隣ですやすやと寝息を立てている黒猫の髪の毛をなでる。


「…さすがに最初から5回はやりすぎだろ…何考えてんだ?俺…。」


そう、あれから5回…最初こそクローディアもぎこちなかったが、最後の方はもうノリノリだった…とだけ言っておこう。声とかは事前にそこら辺の石に付呪した範囲防音の効果で漏れてない…はず…!
途中で人様に見せられないような痴態をこの黒猫さんはやってしまったが、詳しいことは言わないぞ!
減るからな!


あまりの幸福感に


「俺、明日死ぬんじゃねぇかな?」


そんなことをつぶやく。


「……どんなことがあっても、お前と、リリアだけは守ってやるからな…あ、もちろんヴァイルもだが、あいつは死なないような感じだからな。」


俺はクローディアを抱きしめながら、窓の外の月を見る。
月は淡い光を放っていて、二人の関係を祝福しているようだった。


俺はクローディアの頬に浅いキスを落し、睡魔に身をゆだねた。

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