ファンタジー異世界って・・・どういうことだっ!?
第1話 手紙
小鳥の鳴き声が窓から聞こえてくる。
時間は朝方といったところか。
天気は晴れ。
とてもいい眺めのその部屋は『商業都市イルガ』の大貴族、ガイゼル・フロウライトの館の一角にある部屋だ。
そとで教会の鐘が遠くに聞こえる。
部屋の中心にある天蓋付のベッドには、人間の体をしているが、頭の上に二つ、ネコ耳がついている美少女…クローディアが眠っていた。そして、その隣には仰向けになっても張りのある大きな胸が特徴で、栗色の長い髪の毛の少女…名をリリアという…も眠っていた。
遠くに聞こえる鐘の音に少女二人は同時に起きる。
寝ぼけた目をこするクローディア。
顔を洗おうとベッドから降りたリリアは同時に言葉を発する。
「……あれ?」
クローディアは昨日の記憶が定かではないが、必死で思い出す。すると、彼…アレンに言われたこと思いだし、顔を真っ赤にさせる。
『クローディア。君が好きだ。世界で一番大好きだ…俺と、結婚してくれ』
枕を抱きしめ、ごろごろし始める黒猫。
その様子をみて、軽く引いてるリリア。
「ねえ、クローディアちゃん…?どうしたんですか?」
次の言葉に、リリアは聞かなきゃよかったと後悔することになった。
「えっと…ね。アレンに…結婚、してくれ…って言われたの…一番大好きだっ…って…ふふっ…」
クローディアはまだ寝ぼけているようで、顔を赤くしながらふへへ…とか言ってにやにやしている。
リリアは思う。
(…もしかして、私が告白したのって…アレン君がクローディアちゃんに告白したその直後ってこと…!?)
そして、同時に思う。それが本当だったとしたら、なんて私は間抜けなんでしょう、と。
だが、やっちまったものはしょうがない。
その事実をクローディアに話そうと決意するリリアはまず、目の前の黒猫を起こさないといけなかった。
「…クローディアちゃん。ほら起きてください!アレン君にそんな姿みせるんですか?」
こういえばクローディアは一発で目を覚ます。
前に宿屋で一緒に寝たとき、試しに言ってみたらすさまじい勢いで起きだしたのだ。
そして、今回もすさまじい勢いでベッドから降り、立ち上がるクローディア。
「そんな訳にはいかないわ!!…って…リリア?……もしかして…「聞きましたよ。全部。」
あっという間にまたもや顔を真っ赤にするリリア。
枕を抱いて、顔を隠す。
そして、言い訳がましくもがもがと言葉を紡ぐ。
「あ、あああ、あれはアレンが言ってきたのよ!?べ、別に私はそんなつもりはな「クローディアちゃん。私、アレン君に告白しちゃった。」
思いもよらぬ発言に静まり返る室内。
口を開いたのはクローディアだった。
「……まずは、朝食をいただきましょう…アレンを起こしてからね…」
部屋に備え付けてあった魔道器具…ひねると水が出てくるようになっているようなものがあったので、それを使い、身支度を整える二人。
それは終始無言だったという。
―――――――――――
クローディアとリリアは先日アレンがいた部屋を訪ねようと屋敷の廊下を歩いていた。
すると、向かい側から金髪少女…エルが現れた。
彼女はこの屋敷の主…ガイゼルの娘だ。
「おはようございますですの。クローディアさん。リリアさん。」
そのエル声に元気よく返す二人。
「おはよう!エル!」
「おはようございます。エルさん。」
「…クローディアさん。リリアさん。お二人にお話があるってお父様が言っていましたの。朝食のついでに、と。」
クローディアとリリアはエルのただならぬ様子に気づく。
「まず、アレンを起こしてきてもいい?」
クローディアが聞くと、エルは首を横に振り、答えた。
「いえ、アレンさんはこの屋敷にはもういませんの。…とにかく、お父様にあってください。すべてはそこからですの。」
思いもよらないエルの言葉に衝撃を受ける二人。
「…アレン…また約束をやぶったのね…」
「クローディアちゃん…ほら、アレン君のことですし、何か考えがあってのことじゃないですか…?」
悲しそうにつぶやくクローディアを見て、リリアが励ます。
「アレンさんが何を考えているかはお父様が知っていますの…早く食堂へ…お父様が待っていますの。」
そう促されたリリアとクローディアは早足で食堂へと向かった。
そのあとをぴったりとエルもついていった。
――――――――
バン、と扉を勢いよく開けるクローディアは奥に座っているガイゼルを見つけ、問いかける。
「ねぇ!ガイゼルさん!一体どういう事なの?アレンがいなくなったって!?」
「説明しますの!お父様!」
「ガイゼルさん…いったい何があったんですか?」
矢継ぎ早に質問する三人をガイゼルは目で黙らせる。
そして、その目とは正反対の声で、
「まずは、落ち着くのだ。彼なら心配いらない…詳しい話は食事を終えた後にする。」
パンパンと手を鳴らすと次々に料理が運ばれてきた。
エルが呟く。
「こうなったお父様はてこでも動きませんの…リリアさん、クローディアさん…まずは食事にしますの…いただきますですの。」
その後は無言で食事を口に運ぶエル。
リリアとクローディアはガイゼルが悠然と食事しているのを見ていたが、話す気はないと悟ったらしく、料理に手を付け始めた。
「いただきます………おいしい…」
よく考えてみたら、先日の晩から何も食べてないことに気付いたリリアとクローディアはすさまじい勢いで朝食を平らげていく。
―――――――
食事がひと段落した後、紅茶まで飲み干したクローディアはガイゼルの方を見る。
「さっきは取り乱してごめんなさい…で?アレンはどこへいったのかしら?」
「…彼は本当に愛されているな…」
何事かガイゼルが呟くが、リリアとクローディアの耳には届かなかった。
「エルには手紙が届いたからいいとして…リリアさん、クローディアさん。アレン君からこれを預かっている。」
二人に手紙らしきものを見せるガイゼル。それを取ろうと立ち上がるリリアとクローディアだったが、ガイゼルは言葉を続ける。
「まぁ、待つのだ。アレン君からの伝言だ…『この手紙を受け取ったら、クローディア。リリア。君達は後悔するかもしれない。危険なことに巻き込んでしまうかもしれない…それでもいいんだったら受け取ってくれ…』ということだが?…おっと…フフフッ…」
ガイゼルの言葉が終わると同時にさっと手紙を同時に手に取るクローディアとリリア。
それを見て、微笑むガイゼル。
二人は手紙を急いで開け、中身を読む。
そこにはアレンの思いが綴られていた。
時間は朝方といったところか。
天気は晴れ。
とてもいい眺めのその部屋は『商業都市イルガ』の大貴族、ガイゼル・フロウライトの館の一角にある部屋だ。
そとで教会の鐘が遠くに聞こえる。
部屋の中心にある天蓋付のベッドには、人間の体をしているが、頭の上に二つ、ネコ耳がついている美少女…クローディアが眠っていた。そして、その隣には仰向けになっても張りのある大きな胸が特徴で、栗色の長い髪の毛の少女…名をリリアという…も眠っていた。
遠くに聞こえる鐘の音に少女二人は同時に起きる。
寝ぼけた目をこするクローディア。
顔を洗おうとベッドから降りたリリアは同時に言葉を発する。
「……あれ?」
クローディアは昨日の記憶が定かではないが、必死で思い出す。すると、彼…アレンに言われたこと思いだし、顔を真っ赤にさせる。
『クローディア。君が好きだ。世界で一番大好きだ…俺と、結婚してくれ』
枕を抱きしめ、ごろごろし始める黒猫。
その様子をみて、軽く引いてるリリア。
「ねえ、クローディアちゃん…?どうしたんですか?」
次の言葉に、リリアは聞かなきゃよかったと後悔することになった。
「えっと…ね。アレンに…結婚、してくれ…って言われたの…一番大好きだっ…って…ふふっ…」
クローディアはまだ寝ぼけているようで、顔を赤くしながらふへへ…とか言ってにやにやしている。
リリアは思う。
(…もしかして、私が告白したのって…アレン君がクローディアちゃんに告白したその直後ってこと…!?)
そして、同時に思う。それが本当だったとしたら、なんて私は間抜けなんでしょう、と。
だが、やっちまったものはしょうがない。
その事実をクローディアに話そうと決意するリリアはまず、目の前の黒猫を起こさないといけなかった。
「…クローディアちゃん。ほら起きてください!アレン君にそんな姿みせるんですか?」
こういえばクローディアは一発で目を覚ます。
前に宿屋で一緒に寝たとき、試しに言ってみたらすさまじい勢いで起きだしたのだ。
そして、今回もすさまじい勢いでベッドから降り、立ち上がるクローディア。
「そんな訳にはいかないわ!!…って…リリア?……もしかして…「聞きましたよ。全部。」
あっという間にまたもや顔を真っ赤にするリリア。
枕を抱いて、顔を隠す。
そして、言い訳がましくもがもがと言葉を紡ぐ。
「あ、あああ、あれはアレンが言ってきたのよ!?べ、別に私はそんなつもりはな「クローディアちゃん。私、アレン君に告白しちゃった。」
思いもよらぬ発言に静まり返る室内。
口を開いたのはクローディアだった。
「……まずは、朝食をいただきましょう…アレンを起こしてからね…」
部屋に備え付けてあった魔道器具…ひねると水が出てくるようになっているようなものがあったので、それを使い、身支度を整える二人。
それは終始無言だったという。
―――――――――――
クローディアとリリアは先日アレンがいた部屋を訪ねようと屋敷の廊下を歩いていた。
すると、向かい側から金髪少女…エルが現れた。
彼女はこの屋敷の主…ガイゼルの娘だ。
「おはようございますですの。クローディアさん。リリアさん。」
そのエル声に元気よく返す二人。
「おはよう!エル!」
「おはようございます。エルさん。」
「…クローディアさん。リリアさん。お二人にお話があるってお父様が言っていましたの。朝食のついでに、と。」
クローディアとリリアはエルのただならぬ様子に気づく。
「まず、アレンを起こしてきてもいい?」
クローディアが聞くと、エルは首を横に振り、答えた。
「いえ、アレンさんはこの屋敷にはもういませんの。…とにかく、お父様にあってください。すべてはそこからですの。」
思いもよらないエルの言葉に衝撃を受ける二人。
「…アレン…また約束をやぶったのね…」
「クローディアちゃん…ほら、アレン君のことですし、何か考えがあってのことじゃないですか…?」
悲しそうにつぶやくクローディアを見て、リリアが励ます。
「アレンさんが何を考えているかはお父様が知っていますの…早く食堂へ…お父様が待っていますの。」
そう促されたリリアとクローディアは早足で食堂へと向かった。
そのあとをぴったりとエルもついていった。
――――――――
バン、と扉を勢いよく開けるクローディアは奥に座っているガイゼルを見つけ、問いかける。
「ねぇ!ガイゼルさん!一体どういう事なの?アレンがいなくなったって!?」
「説明しますの!お父様!」
「ガイゼルさん…いったい何があったんですか?」
矢継ぎ早に質問する三人をガイゼルは目で黙らせる。
そして、その目とは正反対の声で、
「まずは、落ち着くのだ。彼なら心配いらない…詳しい話は食事を終えた後にする。」
パンパンと手を鳴らすと次々に料理が運ばれてきた。
エルが呟く。
「こうなったお父様はてこでも動きませんの…リリアさん、クローディアさん…まずは食事にしますの…いただきますですの。」
その後は無言で食事を口に運ぶエル。
リリアとクローディアはガイゼルが悠然と食事しているのを見ていたが、話す気はないと悟ったらしく、料理に手を付け始めた。
「いただきます………おいしい…」
よく考えてみたら、先日の晩から何も食べてないことに気付いたリリアとクローディアはすさまじい勢いで朝食を平らげていく。
―――――――
食事がひと段落した後、紅茶まで飲み干したクローディアはガイゼルの方を見る。
「さっきは取り乱してごめんなさい…で?アレンはどこへいったのかしら?」
「…彼は本当に愛されているな…」
何事かガイゼルが呟くが、リリアとクローディアの耳には届かなかった。
「エルには手紙が届いたからいいとして…リリアさん、クローディアさん。アレン君からこれを預かっている。」
二人に手紙らしきものを見せるガイゼル。それを取ろうと立ち上がるリリアとクローディアだったが、ガイゼルは言葉を続ける。
「まぁ、待つのだ。アレン君からの伝言だ…『この手紙を受け取ったら、クローディア。リリア。君達は後悔するかもしれない。危険なことに巻き込んでしまうかもしれない…それでもいいんだったら受け取ってくれ…』ということだが?…おっと…フフフッ…」
ガイゼルの言葉が終わると同時にさっと手紙を同時に手に取るクローディアとリリア。
それを見て、微笑むガイゼル。
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