ファンタジー異世界って・・・どういうことだっ!?
第9話 予兆
翌朝。
「ほら、アレン。早くおきないとだめよ?」
とんとんと肩をたたきながら、アレンの顔を覗き込むクローディア。
「ん・・・んん・・・もうちょっと・・・」
常人であれば言わないような寝言をいいながらクローディアを抱き寄せるアレン。
「きゃっ!?ちょっ!アレン!?起きて!!ひゃっ///にゃあんっ!!」
さわさわと絶妙な力加減でクローディアの体を撫でまわすアレン。
ホントにコイツ、寝ているのか・・・?
「・・・すぅすぅ・・・」さわさわ
ホントに寝ているのだが、体が勝手に動いているようだ。生粋の変態である。
クローディアは真っ赤になってへとへとになっている。
ものすごく扇情的だ。
「すばらしい・・・抱きごこち・・・ハッ!!」
「ふにゅぅうぅううう・・・・///」
(な、なぜ俺の腕の中にクローディアが・・・?というか・・・かわいい!!)
息が荒くなるアレン。再びクローディアの柔肌をまさぐりだすアレンの手。
びくびくするクローディア。もう声も出ないようだ。
「おい、お前ら、朝・・・だ・・・ぞ・・・」
テントを開けたヨーグは硬直する。
目が合うアレンとヨーグ。
アレンの背中を冷たい汗が流れる。
アレンはにっこりと笑顔を作り、冷や汗をだらだら垂らしながら、まずは一声。
「おはよ「こんのクッソガッキがぁああああああああああ!!!」
アレンは無理やりクローディアから引き離され、立たされたあと、思いっきりヨーグにアッパーカットを食らわされる。
どこかでゴングがなった・・・。
—————
「ホント、すんっませんっした!!」
テントから出たアレンは、まだ痛むあごの下をかばいながら、見事な土下座をしていた。
「もう!アレン!次やったらダガーで刺すからね!!」
心の広いクローディアたんは許してくださったようだ。
「ちっ・・・今度こそ殺してやろうかと・・・「おい、親方、こえぇんだけど。」
不穏なことをつぶやくヨーグに本気を感じ取ったアレンは、再び冷や汗を流す。
「え、本気じゃないよね!?ね!?」
「ふん!!まぁいい、ほら、町で買ってきておいた水だ。顔を洗うといい。」
言いながら、樽に入った水と柄杓を出すヨーグ。
バシャバシャと音を立てながら顔を洗う3人。
朝の身支度を済ませた後、朝食を食べた。
一通り終わったので、今日の予定を話し始めるヨーグ。
「機能の時点で実は、基礎的な部分は終わってんだよなぁ・・・あとは、俺との対人訓練と、ゴブリンとの実戦で終わりだ。」
おし、と立ち上がり準備運動を始めるアレン。
それに習い、クローディアも武器の調子を確かめ始める。
「おう?お前ら、やる気十分だな?」
「いつでもいいぜ、親方。まずはどっちと訓練するんだ?」
やっと殴られっぱなしだったヨーグをぶちのめせると意気込むアレン。
「ん?ああ・・・お前ら一人ずつで俺・・・『鉄壁のヨーグ』に傷をつけられると思ってんのか?2人がかりで来い。めんどくせぇ。」
片手に刃引きした剣、左手に大きなタワーシールドを構えるヨーグ。
「はっ!泣いてもしらねぇぜ?おっさん!!いくぞっ、クローディア!」
「ええ!言われなくても、行くわよっ!!」
—————
「くっそ!!なんでこんなにつぇえんだよっ!?」
あのあと数秒もしないうちに、武器と盾をしまったヨーグに、素手でぼこぼこにされたアレンとクローディア。
クローディアは持ち前の素早さで回り込みながら切りつけようとしていたが、なぜかヨーグに読まれ、動きを封殺されてしまった。
アレンはなんどか隙をついて剣をふるうが、すべてヨーグの鋼のごとき拳に打ち払われる。
「はっはっは!!最初から遅れをとってたまるか!!立ち上がれ!何度でも挑戦を受けるぞ!それとも、戻るのか?アレン?クローディア?お前らの冒険者への思いってのは、そんなもんだったのか?」
その一言で消えそうだった火がまた強く灯される。
「うるせぇ「こんなところで、立ち止まってなんていられないわ!!行くわよ!アレン!あのおっさんを倒しましょう!!」
「おう・・・」
(あれ?クローディアさんの方がなんか強そうじゃね?)
その後休憩をはさみながら、日が暮れるまで素手のヨーグを相手していたアレンたち。
そして、何度かヨーグがきわどくなる場面が多々見られるようになったときついに局面は動く。
「はっ!!大分成長したな!!普通、だったらこんなに早く成長、しないぜっ・・・っとあぶねぇ!!よし、俺も、獲物を出すか!!」
「やっと・・・武器を出させたぞ・・・長かった・・・」
「アレン!何ぼーっとしてるの!!続けていくわよっ!」
「あ、あぁ!わりぃ!行くぞっ!うおおおぉおおおおお!!」
リリアからもらったロングソードを構えるアレン。闘気がその刀身に宿り、青く輝きを放つ。
それを見たヨーグは信じられないという顔をした。
それもそのはず、アレンの纏う青い闘気は本当に剣術の素質がないと出せないものだ。だがどんなに素質があろうとまだ実戦もしていない駆け出しの冒険者では気のつかい方もわからないので、出せないはず・・・だったがアレンはそれをやってのけた。しかも純度の高い青い闘気だ。普通の下級一般剣士では興奮にまかせた赤い闘気になってしまうが、アレンは冷静さを保ち、しかし獰猛さをも合わせもった青い闘気・・・まさしくそれは【剣豪】の闘気になっていた。。
ヨーグは思う。記憶を失う前はどんな化け物だったんだ。と
一般剣士の赤い闘気は【STR上昇】だが、【剣豪】の放つ青い闘気は【身体能力上昇】の効果がある。
だが、それの維持には気力のほかに魔力が必要だ。アレンの魔力は250。それを維持するのは30秒が限界というところか。
『行くぞ(わよ)!!』
最初に動いたのはクローディアだった。
付呪が活性化することにより放たれる赤い光が両手の短剣から発生し、クローディアの全身を覆う。
持ち前のスピードをいかし、回り込むクローディア。
クローディアが回り込んでいるうちに、前に出るアレン。
いまだ、様子を見ているヨーグ。
後ろから迫る黒猫と前方から迫るクソガキを見て、ヨーグは笑みを浮かべる。
「ほぅ・・・なかなかいい動きだな・・・だが」
両手で巧みに武器と盾をヨーグは操り、アレンの渾身の一振りを剣で受け、クローディアのすさまじい剣戟を盾で受ける。
それを予見していたのか、アレンは横に跳び、もう一度、剣を構え、渾身の一撃を放つ。
クローディアは一度離脱し加速をつけて切り込む。
「見え見えなんだよっ!!【シールドバッシュ】!!」
スキルを発動させるヨーグ。
大きな盾を武器にして、すさまじい速さで自分を中心にし円形に一回転する。
(やばい!!よけられない!?いや!これだ!)
「はぁぁああ!!」
空中へ空高くジャンプするアレン。前方宙返りといったところか。
「みえみえよっ!おっさん!」
「なにっ!?よけられた・・・だと!?」
近場の木の上へ飛びすさるクローディア。
着地したアレンはすかさず、スキルを全力で使った後のヨーグの隙を見て、襲いかかる。
「うぉおおおおおお!!【瞬光】!!」
この戦いの中で覚えたアレンの新スキル【瞬光】。すさまじい速さでの一撃を放つ技だ。
それに合わせ、クローディアも木の上から強襲する。
「はぁあぁあああ!!【短剣突貫】!!」
クローディアも新スキル【短剣突貫】を覚えていた。二振りの短剣を使い、一度に突きつける攻撃力の高い技だ。
ヨーグは二人を相手にして、初めて焦りを浮かべる。
「ちぃぃいいいっ!!」
交錯する三人。
ーキィィイイイィイイン
高い音が鳴り、ヨーグの着ていた防具が、欠ける。
それを見たヨーグは
「ちっ・・・お前らの・・・勝ちだな。」
顔を見合わせる二人。
そして、その言葉を理解した時、2人は目に涙を浮かべ最高の笑顔になった。
「やったあああああああ!!ついにっ!ついに一撃いれたぞおおおおお!!クローディア!ありがとう!一時はどうなるかと思ったけどっ!」
「え、えぇ!やったのね・・・やっと一撃、入れられたのね!!」
「・・・まさかこんなに早く突破されちまうとはな・・・まぁ、俺もヤキが回ったってぇことか。」
「ふはははっは!!この俺に不可能はな「調子に乗るなクソガキ!!」
すぐ調子に乗るアレン。とてもウザいのだ。
ーガツン
「いってぇえええ!!」
容赦のない親方の鉄拳がアレンの頭蓋をゆらす。
「いいからさっさと野営の準備だ!もう真っ暗になりそうだぞ!!」
「私はご飯作るから、アレンとヨーグさんはテントを張ってくださいなっ」
その後はクローディアの作ったパスタをすすりながら、談笑する3人。
すっかり二人が寝静まった頃、ヨーグは先ほどの戦いを思い出す。
(アレンの野郎・・・アイツいったい何もんなんだ?最初はど素人みたいな動きだったくせして、最終的には達人の域まで成長してやがった。ほかの能力値がまだ低いからまだそれほど脅威じゃあないが・・・いつかあいつは大物になる気がするぜ・・・)
もの思いにふけるヨーグ。
しかし、ある異変に気付く。
(ん・・・?森が静かすぎねぇか?いつもだったら動物の動く音や、鳴き声が聞こえてくるはずなんだが・・・)
そこまで思考したヨーグはある可能性に思い当たる。
(強い魔物が現れるとそこに居る動物たちはみんないなくなっちまうっていう話を聞いたことがあるな・・・だが、この辺で強い魔物ってぇと・・・デーモングリズリーあたりか?・・・まぁ、周囲を警戒してりゃ大丈夫だろう。)
そう結論付け、夜通し寝ずの番をするヨーグ。今回は途中でアレンとクローディアに変わり、よく注意するよう言い含め、目を閉じた。
「ほら、アレン。早くおきないとだめよ?」
とんとんと肩をたたきながら、アレンの顔を覗き込むクローディア。
「ん・・・んん・・・もうちょっと・・・」
常人であれば言わないような寝言をいいながらクローディアを抱き寄せるアレン。
「きゃっ!?ちょっ!アレン!?起きて!!ひゃっ///にゃあんっ!!」
さわさわと絶妙な力加減でクローディアの体を撫でまわすアレン。
ホントにコイツ、寝ているのか・・・?
「・・・すぅすぅ・・・」さわさわ
ホントに寝ているのだが、体が勝手に動いているようだ。生粋の変態である。
クローディアは真っ赤になってへとへとになっている。
ものすごく扇情的だ。
「すばらしい・・・抱きごこち・・・ハッ!!」
「ふにゅぅうぅううう・・・・///」
(な、なぜ俺の腕の中にクローディアが・・・?というか・・・かわいい!!)
息が荒くなるアレン。再びクローディアの柔肌をまさぐりだすアレンの手。
びくびくするクローディア。もう声も出ないようだ。
「おい、お前ら、朝・・・だ・・・ぞ・・・」
テントを開けたヨーグは硬直する。
目が合うアレンとヨーグ。
アレンの背中を冷たい汗が流れる。
アレンはにっこりと笑顔を作り、冷や汗をだらだら垂らしながら、まずは一声。
「おはよ「こんのクッソガッキがぁああああああああああ!!!」
アレンは無理やりクローディアから引き離され、立たされたあと、思いっきりヨーグにアッパーカットを食らわされる。
どこかでゴングがなった・・・。
—————
「ホント、すんっませんっした!!」
テントから出たアレンは、まだ痛むあごの下をかばいながら、見事な土下座をしていた。
「もう!アレン!次やったらダガーで刺すからね!!」
心の広いクローディアたんは許してくださったようだ。
「ちっ・・・今度こそ殺してやろうかと・・・「おい、親方、こえぇんだけど。」
不穏なことをつぶやくヨーグに本気を感じ取ったアレンは、再び冷や汗を流す。
「え、本気じゃないよね!?ね!?」
「ふん!!まぁいい、ほら、町で買ってきておいた水だ。顔を洗うといい。」
言いながら、樽に入った水と柄杓を出すヨーグ。
バシャバシャと音を立てながら顔を洗う3人。
朝の身支度を済ませた後、朝食を食べた。
一通り終わったので、今日の予定を話し始めるヨーグ。
「機能の時点で実は、基礎的な部分は終わってんだよなぁ・・・あとは、俺との対人訓練と、ゴブリンとの実戦で終わりだ。」
おし、と立ち上がり準備運動を始めるアレン。
それに習い、クローディアも武器の調子を確かめ始める。
「おう?お前ら、やる気十分だな?」
「いつでもいいぜ、親方。まずはどっちと訓練するんだ?」
やっと殴られっぱなしだったヨーグをぶちのめせると意気込むアレン。
「ん?ああ・・・お前ら一人ずつで俺・・・『鉄壁のヨーグ』に傷をつけられると思ってんのか?2人がかりで来い。めんどくせぇ。」
片手に刃引きした剣、左手に大きなタワーシールドを構えるヨーグ。
「はっ!泣いてもしらねぇぜ?おっさん!!いくぞっ、クローディア!」
「ええ!言われなくても、行くわよっ!!」
—————
「くっそ!!なんでこんなにつぇえんだよっ!?」
あのあと数秒もしないうちに、武器と盾をしまったヨーグに、素手でぼこぼこにされたアレンとクローディア。
クローディアは持ち前の素早さで回り込みながら切りつけようとしていたが、なぜかヨーグに読まれ、動きを封殺されてしまった。
アレンはなんどか隙をついて剣をふるうが、すべてヨーグの鋼のごとき拳に打ち払われる。
「はっはっは!!最初から遅れをとってたまるか!!立ち上がれ!何度でも挑戦を受けるぞ!それとも、戻るのか?アレン?クローディア?お前らの冒険者への思いってのは、そんなもんだったのか?」
その一言で消えそうだった火がまた強く灯される。
「うるせぇ「こんなところで、立ち止まってなんていられないわ!!行くわよ!アレン!あのおっさんを倒しましょう!!」
「おう・・・」
(あれ?クローディアさんの方がなんか強そうじゃね?)
その後休憩をはさみながら、日が暮れるまで素手のヨーグを相手していたアレンたち。
そして、何度かヨーグがきわどくなる場面が多々見られるようになったときついに局面は動く。
「はっ!!大分成長したな!!普通、だったらこんなに早く成長、しないぜっ・・・っとあぶねぇ!!よし、俺も、獲物を出すか!!」
「やっと・・・武器を出させたぞ・・・長かった・・・」
「アレン!何ぼーっとしてるの!!続けていくわよっ!」
「あ、あぁ!わりぃ!行くぞっ!うおおおぉおおおおお!!」
リリアからもらったロングソードを構えるアレン。闘気がその刀身に宿り、青く輝きを放つ。
それを見たヨーグは信じられないという顔をした。
それもそのはず、アレンの纏う青い闘気は本当に剣術の素質がないと出せないものだ。だがどんなに素質があろうとまだ実戦もしていない駆け出しの冒険者では気のつかい方もわからないので、出せないはず・・・だったがアレンはそれをやってのけた。しかも純度の高い青い闘気だ。普通の下級一般剣士では興奮にまかせた赤い闘気になってしまうが、アレンは冷静さを保ち、しかし獰猛さをも合わせもった青い闘気・・・まさしくそれは【剣豪】の闘気になっていた。。
ヨーグは思う。記憶を失う前はどんな化け物だったんだ。と
一般剣士の赤い闘気は【STR上昇】だが、【剣豪】の放つ青い闘気は【身体能力上昇】の効果がある。
だが、それの維持には気力のほかに魔力が必要だ。アレンの魔力は250。それを維持するのは30秒が限界というところか。
『行くぞ(わよ)!!』
最初に動いたのはクローディアだった。
付呪が活性化することにより放たれる赤い光が両手の短剣から発生し、クローディアの全身を覆う。
持ち前のスピードをいかし、回り込むクローディア。
クローディアが回り込んでいるうちに、前に出るアレン。
いまだ、様子を見ているヨーグ。
後ろから迫る黒猫と前方から迫るクソガキを見て、ヨーグは笑みを浮かべる。
「ほぅ・・・なかなかいい動きだな・・・だが」
両手で巧みに武器と盾をヨーグは操り、アレンの渾身の一振りを剣で受け、クローディアのすさまじい剣戟を盾で受ける。
それを予見していたのか、アレンは横に跳び、もう一度、剣を構え、渾身の一撃を放つ。
クローディアは一度離脱し加速をつけて切り込む。
「見え見えなんだよっ!!【シールドバッシュ】!!」
スキルを発動させるヨーグ。
大きな盾を武器にして、すさまじい速さで自分を中心にし円形に一回転する。
(やばい!!よけられない!?いや!これだ!)
「はぁぁああ!!」
空中へ空高くジャンプするアレン。前方宙返りといったところか。
「みえみえよっ!おっさん!」
「なにっ!?よけられた・・・だと!?」
近場の木の上へ飛びすさるクローディア。
着地したアレンはすかさず、スキルを全力で使った後のヨーグの隙を見て、襲いかかる。
「うぉおおおおおお!!【瞬光】!!」
この戦いの中で覚えたアレンの新スキル【瞬光】。すさまじい速さでの一撃を放つ技だ。
それに合わせ、クローディアも木の上から強襲する。
「はぁあぁあああ!!【短剣突貫】!!」
クローディアも新スキル【短剣突貫】を覚えていた。二振りの短剣を使い、一度に突きつける攻撃力の高い技だ。
ヨーグは二人を相手にして、初めて焦りを浮かべる。
「ちぃぃいいいっ!!」
交錯する三人。
ーキィィイイイィイイン
高い音が鳴り、ヨーグの着ていた防具が、欠ける。
それを見たヨーグは
「ちっ・・・お前らの・・・勝ちだな。」
顔を見合わせる二人。
そして、その言葉を理解した時、2人は目に涙を浮かべ最高の笑顔になった。
「やったあああああああ!!ついにっ!ついに一撃いれたぞおおおおお!!クローディア!ありがとう!一時はどうなるかと思ったけどっ!」
「え、えぇ!やったのね・・・やっと一撃、入れられたのね!!」
「・・・まさかこんなに早く突破されちまうとはな・・・まぁ、俺もヤキが回ったってぇことか。」
「ふはははっは!!この俺に不可能はな「調子に乗るなクソガキ!!」
すぐ調子に乗るアレン。とてもウザいのだ。
ーガツン
「いってぇえええ!!」
容赦のない親方の鉄拳がアレンの頭蓋をゆらす。
「いいからさっさと野営の準備だ!もう真っ暗になりそうだぞ!!」
「私はご飯作るから、アレンとヨーグさんはテントを張ってくださいなっ」
その後はクローディアの作ったパスタをすすりながら、談笑する3人。
すっかり二人が寝静まった頃、ヨーグは先ほどの戦いを思い出す。
(アレンの野郎・・・アイツいったい何もんなんだ?最初はど素人みたいな動きだったくせして、最終的には達人の域まで成長してやがった。ほかの能力値がまだ低いからまだそれほど脅威じゃあないが・・・いつかあいつは大物になる気がするぜ・・・)
もの思いにふけるヨーグ。
しかし、ある異変に気付く。
(ん・・・?森が静かすぎねぇか?いつもだったら動物の動く音や、鳴き声が聞こえてくるはずなんだが・・・)
そこまで思考したヨーグはある可能性に思い当たる。
(強い魔物が現れるとそこに居る動物たちはみんないなくなっちまうっていう話を聞いたことがあるな・・・だが、この辺で強い魔物ってぇと・・・デーモングリズリーあたりか?・・・まぁ、周囲を警戒してりゃ大丈夫だろう。)
そう結論付け、夜通し寝ずの番をするヨーグ。今回は途中でアレンとクローディアに変わり、よく注意するよう言い含め、目を閉じた。
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