神速の騎士 ~駆け抜ける異世界浪漫譚~

休月庵

待ち人来たらず

トリスは光の帰りを待っていた。




様子見なので、その日のうちに帰ると光は言っていた。
だからトリスは夕食の時間には帰ってくると思っていた。


だが、夕食の時間を過ぎても光は戻ってこなかった。




初めてのダンジョンということで、ロゼリアと景気付けに飲みに行っているのかもしれない。
そう思って、トリスは夜中まで光を待った。


だが、朝になっても光は戻ってこなかった。




まさかロゼリアといい雰囲気になって、そのまま街の宿屋で二人は熱い夜をすごして……なんて思って、昼過ぎまで待ってみた。


だが、昼を過ぎても光は帰ってこなかった。




不安になったトリスは、ダンジョンの受付に行き、【森の赤鷲】がダンジョンから戻っているか確認した。


【森の赤鷲】はダンジョンから戻っていなかった。




これは何かあったに違いない。
トリスは急いで冒険者ギルドに向かい、光とロゼリアの救助依頼を出した。




そうしてその日のうちに救助隊が向かったが、光とロゼリアは見つからなかった。

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