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神速の騎士 ~駆け抜ける異世界浪漫譚~

休月庵

天を駆ける

大和 光は森をにらんで立った。




トリスから薬草の自生地を聞き、地図で確認する。
もともと日帰りで行ける距離だ。そんなに離れてはいない。


とはいえ森を歩いていたのでは時間がかかる。
そこで二人で話し合い、作戦をたてた。




作戦は単純。
光が空からロゼリアを探して回り、見つけたらロゼリアを連れて空から帰ってくる。


木々で視界は遮られるため、生存していることを信じて空から声をかけてまわる。


やみくもに森の中を探して回るより、安全、かつ広範囲を探せる方法だ。




「じゃあ、行ってきます。」


「光様、お気をつけて。」




そうトリスとやり取りして、空に上がった。


そして向かう方向に狙いを定めて視線を向けたその時、視界の端に炎が見えた。


見えたと同時に駆け出す光。
轟音とともに空に衝撃波が広がる。
1歩、2歩、3歩。
轟音と衝撃波を残してあっという間に炎の見えた場所にたどり着き、赤髪の少女と、それに食いつこうとする巨大な狼を視認する。


光は地面に向かって天を蹴った。


轟音と衝撃。
光の足は狼の背中を捉えて潰した。


光とロゼリア、数旬、視線が交錯する。




光はロゼリアの後ろにフォレストウルフが迫っているのを確認すると、目の前の空間を蹴った衝撃波で吹き飛ばす。


ロゼリアは光の後ろにフォレストウルフが迫っているのを確認すると、爆炎で吹き飛ばす。




光はロゼリアが手に薬草を掴んでいることを確認すると、ロゼリアに手を差し伸べる。




「逃げるぞ、来い。」




ロゼリアは迷うことなく手をつかんだ。
光はその手を強く握ると、自分に向けて引き寄せて、空に向かって跳躍した。


自然とお姫様だっこの形で抱えられたロゼリアは、下から追いすがってくるフォレストウルフに向かって特大の魔法を放つ。




「さよならよ!風爆!」




大気が破裂し暴風がフォレストウルフを吹き飛ばす。
ついでに木々にうつった炎も消し飛ぶ。
さらについでに何本か木が折れた。




うらめしげに空を仰ぐ狼たちの遠吠えを尻目に、光とロゼリアは天高くのぼっていった。

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