神速の騎士 ~駆け抜ける異世界浪漫譚~
レストラン「ロトンダ」
大和 光は冒険者になった。
受付で必要事項を記載し、同意書にサインすれば手続きは終わりだ。
同意書の内容は、自信の身になにかあってもギルドは責任を追わない。依頼者との間でトラブルがあった場合、原則は自分で解決することなど、簡単なものだ。
不思議と文字は読み書きできた。
なんでかはわからないが、転移の特典だろうと深く考えるのはやめる。
すごくあっけなく冒険者になった。
しかし、手元にあるドッグタグ状の冒険者カードが、自分が憧れの存在になったことを教えてくれた。
「ふふふ。そんなに嬉しいのですか?」
トリスは微笑ましいものを見る目で光を見て言う。
今、二人は冒険者ギルド内のレストラン「ロトンダ」で昼食を採っている。
ピザのようなもの、というかそのままピザが有名らしく、店の人気メニューを数点頼んだところだ。
支払いはレドルンドがもってくれるため、高いものを中心にトリスが選んだ。
可愛い顔してちゃっかりしている。
「お気づきですか?光様、先ほどからずっと冒険者カードをみてニヤニヤされてますよ。」
「これはお恥ずかしい。僕の故郷では冒険者は憧れの職業でしたので、つい。」
「この街と同じですね。この街の子供もみな、冒険者に憧れるんですよ。」
「そうみたいですね。」
隣のテーブルの子供が目を輝かせて光の冒険者カードを見ているのは、そういうわけなのだ。
「それで光様、この後はいかがしましょうか。」
「そうですね。僕にもできるクエストがあれば、それを受けてみたいのですが。」
「それでしたら、薬草採取などいかがですか?冒険者になった方は、最初はそこからスタートするんです。」
「薬草採取、ですか……」
光は迷った。
できれば魔物――この世界には魔物がいるのだ――を倒すようなものを受けてみたいと思っていたのだ。
そんな迷いを見抜いたのか、トリスは続ける。
「冒険者は花形の職業。強大な敵との戦いや、ダンジョンでの宝探しなど、つい目立つクエストに惹かれがちですが、こうした地道なクエストも大事なんですよ。薬草採取といっても、魔物と出くわすこともあります。駆け出しの冒険者は、薬草採取を通じて経験を積みつつ資金を蓄え、ステップアップしていくんです。」
光は、トリスは可愛いだけじゃないんだな、と感心した。
「わかりました。薬草採取、受けてみます。というかトリスさん、お詳しいですね。」
「ふふ、メイドのたしなみですわ。」
光はトリスに底知れない何かを感じながら、運ばれてきた料理に手をのばした。
受付で必要事項を記載し、同意書にサインすれば手続きは終わりだ。
同意書の内容は、自信の身になにかあってもギルドは責任を追わない。依頼者との間でトラブルがあった場合、原則は自分で解決することなど、簡単なものだ。
不思議と文字は読み書きできた。
なんでかはわからないが、転移の特典だろうと深く考えるのはやめる。
すごくあっけなく冒険者になった。
しかし、手元にあるドッグタグ状の冒険者カードが、自分が憧れの存在になったことを教えてくれた。
「ふふふ。そんなに嬉しいのですか?」
トリスは微笑ましいものを見る目で光を見て言う。
今、二人は冒険者ギルド内のレストラン「ロトンダ」で昼食を採っている。
ピザのようなもの、というかそのままピザが有名らしく、店の人気メニューを数点頼んだところだ。
支払いはレドルンドがもってくれるため、高いものを中心にトリスが選んだ。
可愛い顔してちゃっかりしている。
「お気づきですか?光様、先ほどからずっと冒険者カードをみてニヤニヤされてますよ。」
「これはお恥ずかしい。僕の故郷では冒険者は憧れの職業でしたので、つい。」
「この街と同じですね。この街の子供もみな、冒険者に憧れるんですよ。」
「そうみたいですね。」
隣のテーブルの子供が目を輝かせて光の冒険者カードを見ているのは、そういうわけなのだ。
「それで光様、この後はいかがしましょうか。」
「そうですね。僕にもできるクエストがあれば、それを受けてみたいのですが。」
「それでしたら、薬草採取などいかがですか?冒険者になった方は、最初はそこからスタートするんです。」
「薬草採取、ですか……」
光は迷った。
できれば魔物――この世界には魔物がいるのだ――を倒すようなものを受けてみたいと思っていたのだ。
そんな迷いを見抜いたのか、トリスは続ける。
「冒険者は花形の職業。強大な敵との戦いや、ダンジョンでの宝探しなど、つい目立つクエストに惹かれがちですが、こうした地道なクエストも大事なんですよ。薬草採取といっても、魔物と出くわすこともあります。駆け出しの冒険者は、薬草採取を通じて経験を積みつつ資金を蓄え、ステップアップしていくんです。」
光は、トリスは可愛いだけじゃないんだな、と感心した。
「わかりました。薬草採取、受けてみます。というかトリスさん、お詳しいですね。」
「ふふ、メイドのたしなみですわ。」
光はトリスに底知れない何かを感じながら、運ばれてきた料理に手をのばした。
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