神速の騎士 ~駆け抜ける異世界浪漫譚~
冒険者ギルド
大和 光は日本男児の聖地に足を踏み入れた。
と、思ったらちょうど中から出てきた女の子とぶつかった。
「ごめんなさい、お兄さん。急いでいるの。」
長い赤髪をポニーテールにした、活発そうな少女だ。
「いえ、お構い無く。」
光の返事を聞いているのかどうか、少女は小走りで去っていった。
「光様、大丈夫ですか?」
心配してくれるのは、レドルンドが案内につけてくれたメイドだ。
トリスと言う名の光と同年代の少女で、落ち着いた茶髪をシニヨンにしたかわいらしい子だ。
レドルンド曰く、君は強いらしいから護衛はいらないだろうが、街に詳しい者は必要だろう?とのことだ。
あと、トリスは器量良しで街でも人気があり、そろそろ特定の相手が欲しいと悩んでいると言っていた。
ウィンクまでしてきた。
(いったい何を企んでいるのやら……)
光は快活に言うレドルンドの思惑がわからなかったが、確かにトリスは可愛かったため、深くは考えずに好意を受けることにした。
「ええ、大丈夫です。しかし流石は迷宮都市の冒険者ギルドですね。外観からすごく立派な建物だと思っていましたが、入ってみるとまたすごい。」
足を踏み入れた瞬間に無数の鋭い視線に射抜かれ、強面の筋骨隆々としたハゲ頭に絡まれる、なんてことはなかった。
冒険者ギルドは光のイメージとは違ったが、なにも残念なことはなかった。
むしろ、その一流ホテルのごとき佇まいに高揚していた。
外観はレンガ造り、大きな扉に大きな窓、中に入れば吹き抜けの天井に噴水、上の方にはステンドグラスまで備え付けてある。
口を明けてキョロキョロと屋内を見渡す光に、トリスは自慢げに、しかし控えめに話す。
「ふふ、このロアの街の冒険者ギルドはこの街のシンボルなのです。ダンジョンを軸に発展したこの街では、冒険者は花形の職業。自然と冒険者の数は増え、冒険者ギルドはそれにふさわしい姿になりました。今ではこの街の観光資産でもあるんですよ。」
言われて回りを見てみれば、確かに冒険者ではなさそうな人も結構な割合でいる。
見分け方は簡単だ。武器を持ってる人が冒険者だ。……だと思う。
さっきぶつかった女の子も武器を持っていたから、きっと冒険者だろう。
「観光客向けにレストランも中にあるんですよ。今日は冒険者登録をされたいとのことでしたので、それが終わったら、ここでランチにすることをおすすめします!ご主人様から経費が出るので、食べ放題ですよ!」
ふんっ!と鼻息荒く両手を握って力説するトリスは、背の低さと相まってとても可愛らしかった。
「そうですね。じゃあ、そうしましょうかね。」
光は微笑みながら答え、冒険者ギルドの受付へと足を向けた。
と、思ったらちょうど中から出てきた女の子とぶつかった。
「ごめんなさい、お兄さん。急いでいるの。」
長い赤髪をポニーテールにした、活発そうな少女だ。
「いえ、お構い無く。」
光の返事を聞いているのかどうか、少女は小走りで去っていった。
「光様、大丈夫ですか?」
心配してくれるのは、レドルンドが案内につけてくれたメイドだ。
トリスと言う名の光と同年代の少女で、落ち着いた茶髪をシニヨンにしたかわいらしい子だ。
レドルンド曰く、君は強いらしいから護衛はいらないだろうが、街に詳しい者は必要だろう?とのことだ。
あと、トリスは器量良しで街でも人気があり、そろそろ特定の相手が欲しいと悩んでいると言っていた。
ウィンクまでしてきた。
(いったい何を企んでいるのやら……)
光は快活に言うレドルンドの思惑がわからなかったが、確かにトリスは可愛かったため、深くは考えずに好意を受けることにした。
「ええ、大丈夫です。しかし流石は迷宮都市の冒険者ギルドですね。外観からすごく立派な建物だと思っていましたが、入ってみるとまたすごい。」
足を踏み入れた瞬間に無数の鋭い視線に射抜かれ、強面の筋骨隆々としたハゲ頭に絡まれる、なんてことはなかった。
冒険者ギルドは光のイメージとは違ったが、なにも残念なことはなかった。
むしろ、その一流ホテルのごとき佇まいに高揚していた。
外観はレンガ造り、大きな扉に大きな窓、中に入れば吹き抜けの天井に噴水、上の方にはステンドグラスまで備え付けてある。
口を明けてキョロキョロと屋内を見渡す光に、トリスは自慢げに、しかし控えめに話す。
「ふふ、このロアの街の冒険者ギルドはこの街のシンボルなのです。ダンジョンを軸に発展したこの街では、冒険者は花形の職業。自然と冒険者の数は増え、冒険者ギルドはそれにふさわしい姿になりました。今ではこの街の観光資産でもあるんですよ。」
言われて回りを見てみれば、確かに冒険者ではなさそうな人も結構な割合でいる。
見分け方は簡単だ。武器を持ってる人が冒険者だ。……だと思う。
さっきぶつかった女の子も武器を持っていたから、きっと冒険者だろう。
「観光客向けにレストランも中にあるんですよ。今日は冒険者登録をされたいとのことでしたので、それが終わったら、ここでランチにすることをおすすめします!ご主人様から経費が出るので、食べ放題ですよ!」
ふんっ!と鼻息荒く両手を握って力説するトリスは、背の低さと相まってとても可愛らしかった。
「そうですね。じゃあ、そうしましょうかね。」
光は微笑みながら答え、冒険者ギルドの受付へと足を向けた。
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