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神速の騎士 ~駆け抜ける異世界浪漫譚~

休月庵

森の中の救出劇

大和 光は見ていた。




光をはねのけて通りすぎた馬車が、しばらく進んで横転した。


かと思えば、後を追っていた馬から男達が降り、馬車の中から女の子を引きずり出した、




(……いったいなんなんだっ!)




光は混乱していた。
初めて見た馬車に、はねのけられた事実に、暴力の雰囲気をまとう男たちに、すべてに混乱していた。




しかし、馬車から引きずり出された女の子を見たとき、頭がクリアになった。


綺麗だった。
金色の長い髪が柔らかく舞い、着ているドレスに負けじと輝いていた。
回りの景色はすべてシャットダウンされ、目を奪われていた。


そんな光のそばに、賊が一人近づいてきた。




「目撃者か。不憫なカギだ。こんなところにいたのが運の尽きだな。」




手に刃物を持ち近づいてくる男。
光はその言葉を聞きながら、しかし目線は馬車から出てきた女の子に釘付けだった。


そして、女の子の服が賊の手によって破かれたのを目にして、弾かれたように動き出した。






なぜそうしたのか、自分でもわからなかった。
今まで喧嘩したことすらないひ弱な身体で、普段ならこういう場面を見ても見て見ぬふりをするだろうことは自分でよくわかっていた。


しかし、目の前の光景を目にし、女の子に対して行われるだろうこれからの行為を反射的に理解した光は、我慢ができなかった。


そして、なぜかは知らないが、この現状を前に、いつもなら絶対にできないようなことを、自分ができることを理解していた。


光はただ一つのことを考え、そして実行にうつした。




(思いっきり、蹴り飛ばす!)




――ヒュッ




光を狙っていた男は、瞬きをした後、光の姿を見失った。

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