しおんの花
友達
入学式が終了後、
各自教室に戻り簡単な自己紹介が行われた。
人の前に立つのが苦手な紫苑にとっては
まさに地獄のような時間だった。
「佐藤紫苑です…。えっと…、よろしくお願いします……。」
静かな空間の中に、小さな拍手。
とても気まずい。
最悪だ、と紫苑は思った。
そんな不穏な空気を壊したのが
いずれ友達になる奏多なのであった。
「黒宮奏多です!中学ん時からバスケしてます!
気軽に声掛けてくれると嬉しい!!
よろしくお願いしますー!!」
みんなの前であんなに堂々と話せる奏多を見て、
紫苑は関心しかなかった。
自己紹介終了後には、既に奏多の周りには
たくさんの人が集まっていた。
容姿も悪くなかった為か女の子が多かった。
「僕とは違うな」
そう思い、接することもないだろうと思っていた。
だが、次の日に奏多は紫苑に声を掛けてきた。
「ねえねえ、なに読んでんの?」
「えっ、あ…この小説のこと?」
「そーそー…なんか難しそうだな。」
「ちょっと難しいけど…結構面白いよ…。
本、好きなの?」
「これでも結構好きだよ、バスケで怪我して
しばらく出来ないってなった時にずっと読んでたくらいだけど。」
「バスケで怪我?今はもう平気なの…?」
「ん!今はだいじょーぶ!」
奏多は見た目に反して、凄く話しやすい少年だった。
「紫苑、って呼んでもいい?」
「い、いいよっ」
「俺のことは好きに呼んでもらって大丈夫だよ。」
「じゃあ、奏多って呼ぶね…!」
他愛もない話で仲良くなった奏多は
後々、バスケ部に入部し瀧澤先輩と紫苑を
繋げてくれるキューピットのような存在になった。
各自教室に戻り簡単な自己紹介が行われた。
人の前に立つのが苦手な紫苑にとっては
まさに地獄のような時間だった。
「佐藤紫苑です…。えっと…、よろしくお願いします……。」
静かな空間の中に、小さな拍手。
とても気まずい。
最悪だ、と紫苑は思った。
そんな不穏な空気を壊したのが
いずれ友達になる奏多なのであった。
「黒宮奏多です!中学ん時からバスケしてます!
気軽に声掛けてくれると嬉しい!!
よろしくお願いしますー!!」
みんなの前であんなに堂々と話せる奏多を見て、
紫苑は関心しかなかった。
自己紹介終了後には、既に奏多の周りには
たくさんの人が集まっていた。
容姿も悪くなかった為か女の子が多かった。
「僕とは違うな」
そう思い、接することもないだろうと思っていた。
だが、次の日に奏多は紫苑に声を掛けてきた。
「ねえねえ、なに読んでんの?」
「えっ、あ…この小説のこと?」
「そーそー…なんか難しそうだな。」
「ちょっと難しいけど…結構面白いよ…。
本、好きなの?」
「これでも結構好きだよ、バスケで怪我して
しばらく出来ないってなった時にずっと読んでたくらいだけど。」
「バスケで怪我?今はもう平気なの…?」
「ん!今はだいじょーぶ!」
奏多は見た目に反して、凄く話しやすい少年だった。
「紫苑、って呼んでもいい?」
「い、いいよっ」
「俺のことは好きに呼んでもらって大丈夫だよ。」
「じゃあ、奏多って呼ぶね…!」
他愛もない話で仲良くなった奏多は
後々、バスケ部に入部し瀧澤先輩と紫苑を
繋げてくれるキューピットのような存在になった。
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