少しおかしな聖女さまのVRMMO日常記
8話 103人のプレイヤーVS金熊童子-2
8話
「ナイスタイミングだ、アス」
「アルちゃんもナイスタイミング〜!」
赤色のナメッ○星人––––アスが短剣に付着した血を払い、跳ね飛ばされた【金熊童子】の頭に再び短剣を突き刺す。
【金熊童子:48900/200000】
ドスッ、ドスッ、ドスッと何度も何度も突き刺す。
【金熊童子:42600/200000】
「ッ!いってえな!あ、ちょっ、離せやこのっ!」
「ふむ、切り離された部位は再生できないのか。…くっつけたら再生するのか?」
アルフレッドは白銀の剣を動かぬ【金熊童子】の胴体に向けて振り下ろした。
「グッ……」
アルフレッドはまず右腕を斬り落とした。先ほどよりもすんなり刃が入ったということは、【鬼神の加護】にはVITの減少の効果もあるんだろうとアルフレッドは推測した。
「テメエら……」
次にアルフレッドは左脚を斬り落とした。
「いい加減に……!」
次にアルフレッドは左腕を斬り落とした。
「しろやァァァァァァァァァァAAAAAAAAA!!!!」
「ッ!!」
ビクビクビクと、斬り落とされた胴体、右腕、左腕、左脚が突然動き出した。
ジュルジュルジュルという不可解な音を鳴らしながら、その切り離された部位から肉体が生えてきている。
「【流星斬り】」
「【省略アサシネイト】」
アルフレッドとアスが、再生、というより蘇生されていってる肉体を斬りつける。しかしまるで不可視の壁に遮られているかのように、それらの攻撃は通らなかった。
(…ふむ、ここでようやく運営からのプロテクトが入るのか。つまり最終形態への変化…、だろうか。そしてさっきの言葉…、最後のあたりが完全に魔物化していたな。つまり…、暴走状態か?)
「予測通りだ。アス、チェンジだ」
「ほいほーい。すでにチャットはしてあるからー。じゃ、またあとで」
アスは【影潜り】を発動させて、【魔法部隊】のいる場所まで後退していった。
「さて、残り6分…。ラストスパートだ」
アルフレッドは剣と盾をインベントリににしまい、新たにアルフレッドの頭身以上の大きさのある盾を取り出した。
「さあ……いくぞッ!」
「GOAAAAAAAAAA!!!!」
理性を失った【金熊童子】は剣を握らずに、素手でアルフレッドへと突進した。当然それはアルフレッドの盾に受け止められる。【金熊童子】の押す力の方が強いのか、ズザザザザザ、と盾とともにアルフレッドは足をとられてしまう。
とっさの判断でアルフレッドは盾を地面にさして固定して、なんとか押し込んだ。
「ふむ、機動力のないタワーシールドの後ろに回り込むということを考えられる知能もないのか」
アルフレッドはこの状態で【シールドバッシュ】を発動させる。すると盾は【金熊童子】の方へと倒れこみ––––
「GOAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」
「これすらも避けれないのか」
【金熊童子】を押しつぶした。ちょうど、【金熊童子】の上半身が露出するような形で。
【金熊童子:26500/200000】
「いまだっ!【ゴリ押し部隊】!いけぇぇぇぇ!!」
アルフレッドが叫ぶと、空からおよそ50名のプレイヤーが【金熊童子】めがけて降ってきた。
「あっはっは!加速し続ける槍を喰らえー」
「……地形が変わりそう。【錬成:無骨な岩石】×20」
「殺せればよし。それに全員【騎士道精神】取っていますしね。【妖術:土槍】」
––––大量の武器と、魔法などによって作られた大量の岩石などを添えて。
「聞こえてないだろうが…、さよならだ」
数の暴力が、アルフレッドを巻き込みながらも【金熊童子】に直撃した。
【金熊童子:0/200000】
〈ワールドアナウンスです。ただいま、イベントボス【金熊童子】が討伐されました。イベントポイントは貢献度に応じて配布されます〉
「あやちゃんの仇とったどー!」
「とったどー」
参加したプレイヤーたちの歓声が、イベントエリアにこだまする。
そして––––
「想定外だ。まさか地面が崩落するとは思ってなかった」
「そうだねー。うん、まあ、みんなで死ねば怖くない的な?」
「デスペナは痛いんだけどな…」
【ゴリ押し部隊】のメンツは、全員が地面の崩落に飲まれ、アルフレッドさえもHPバーをゼロにして、泡となって消えてしまった。
ちなみにだが避難が間に合わなかった【魔術部隊】の人たちも崩落に巻き込まれたそうな。
……アルフレッドは無敵時間が切れるまで、土に飲み込まれた状態で数分の間過ごすことになったが。
私は現在、あの喫茶店でフレンチトーストをもぐもぐと食べています。フレンチトーストにはやはりコーヒーが合いますね。あ、因みにですが私は無糖派です。この苦味と酸味がいいのです。
〈ワールドアナウンスです。ただいま、イベントボス【金熊童子】が討伐されました。イベントポイントは貢献度に応じて配布されます〉
「……終わったみたいですね」
流石に【金熊童子】さんも数の暴力(?)には敵いませんでしたか。さて…、私の貢献度はどれくらいなのでしょうか。見間違いでなければ9万ダメージ近く与えていたと思いますし…、上位には食い込んでいて欲しいですね。
《イベントボス【金熊童子】討伐の貢献度の結果が出ました。ご覧になりますか?YES/NO》
YESですね。私は軽くてを拭いてからYESをタップします。…別に手を拭く必要はないのですが、まあ気分的に。
《【貢献度一覧】
・【ダメージ貢献度一位】
・【親睦度一位】
・【称号ボーナス】》
《イベントポイント【ダメージ貢献度一位】で1000ポイント【親睦度一位】で100ポイント【称号ボーナス】で100ポイント【ボス討伐達成】で500ポイント、計1700ポイント獲得。現在のポイント3340。報酬まであと160ポイント》
おお、結構獲得できましたね。まあボスを討伐したんですし当然といえば当然なのでしょうけど。あ、因みにですが私はポイントの報酬を受け取っていません。なにやら【報酬を貯める】という謎の項目があったので。…そんなことはどうでもいいですね。
「さて、デスペナが切れるまで暇ですし…。なにしましょうか」
デスペナは死亡してから一時間、全ステータスが1になるという優しい仕様です。前のVR MMOなんて死んだらデータが消えるというやつばっかりでしたからね。それと比べたら…。
アルさんならステータスオール1でもPSでなんとか出来るらしいですけど…、私にはそこまでのことは出来ません。多分。
「……あ。ステータスが最低でも状態異常の効果は変わりませんでしたよね…?」
思わず口に出してしまったのはご愛嬌ということで。…周りの人がこっちを見ているのは無視です無視。
私は席を立ち上がり、フレンチトーストとコーヒーの代金を払ってから喫茶店を後にしました。
…さて、くふさんたちを探しましょうか。今のうちにフレンド登録を済ませちゃいましょう。
というわけで私は【第1都市】に向かうことにしました。
「ナイスタイミングだ、アス」
「アルちゃんもナイスタイミング〜!」
赤色のナメッ○星人––––アスが短剣に付着した血を払い、跳ね飛ばされた【金熊童子】の頭に再び短剣を突き刺す。
【金熊童子:48900/200000】
ドスッ、ドスッ、ドスッと何度も何度も突き刺す。
【金熊童子:42600/200000】
「ッ!いってえな!あ、ちょっ、離せやこのっ!」
「ふむ、切り離された部位は再生できないのか。…くっつけたら再生するのか?」
アルフレッドは白銀の剣を動かぬ【金熊童子】の胴体に向けて振り下ろした。
「グッ……」
アルフレッドはまず右腕を斬り落とした。先ほどよりもすんなり刃が入ったということは、【鬼神の加護】にはVITの減少の効果もあるんだろうとアルフレッドは推測した。
「テメエら……」
次にアルフレッドは左脚を斬り落とした。
「いい加減に……!」
次にアルフレッドは左腕を斬り落とした。
「しろやァァァァァァァァァァAAAAAAAAA!!!!」
「ッ!!」
ビクビクビクと、斬り落とされた胴体、右腕、左腕、左脚が突然動き出した。
ジュルジュルジュルという不可解な音を鳴らしながら、その切り離された部位から肉体が生えてきている。
「【流星斬り】」
「【省略アサシネイト】」
アルフレッドとアスが、再生、というより蘇生されていってる肉体を斬りつける。しかしまるで不可視の壁に遮られているかのように、それらの攻撃は通らなかった。
(…ふむ、ここでようやく運営からのプロテクトが入るのか。つまり最終形態への変化…、だろうか。そしてさっきの言葉…、最後のあたりが完全に魔物化していたな。つまり…、暴走状態か?)
「予測通りだ。アス、チェンジだ」
「ほいほーい。すでにチャットはしてあるからー。じゃ、またあとで」
アスは【影潜り】を発動させて、【魔法部隊】のいる場所まで後退していった。
「さて、残り6分…。ラストスパートだ」
アルフレッドは剣と盾をインベントリににしまい、新たにアルフレッドの頭身以上の大きさのある盾を取り出した。
「さあ……いくぞッ!」
「GOAAAAAAAAAA!!!!」
理性を失った【金熊童子】は剣を握らずに、素手でアルフレッドへと突進した。当然それはアルフレッドの盾に受け止められる。【金熊童子】の押す力の方が強いのか、ズザザザザザ、と盾とともにアルフレッドは足をとられてしまう。
とっさの判断でアルフレッドは盾を地面にさして固定して、なんとか押し込んだ。
「ふむ、機動力のないタワーシールドの後ろに回り込むということを考えられる知能もないのか」
アルフレッドはこの状態で【シールドバッシュ】を発動させる。すると盾は【金熊童子】の方へと倒れこみ––––
「GOAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」
「これすらも避けれないのか」
【金熊童子】を押しつぶした。ちょうど、【金熊童子】の上半身が露出するような形で。
【金熊童子:26500/200000】
「いまだっ!【ゴリ押し部隊】!いけぇぇぇぇ!!」
アルフレッドが叫ぶと、空からおよそ50名のプレイヤーが【金熊童子】めがけて降ってきた。
「あっはっは!加速し続ける槍を喰らえー」
「……地形が変わりそう。【錬成:無骨な岩石】×20」
「殺せればよし。それに全員【騎士道精神】取っていますしね。【妖術:土槍】」
––––大量の武器と、魔法などによって作られた大量の岩石などを添えて。
「聞こえてないだろうが…、さよならだ」
数の暴力が、アルフレッドを巻き込みながらも【金熊童子】に直撃した。
【金熊童子:0/200000】
〈ワールドアナウンスです。ただいま、イベントボス【金熊童子】が討伐されました。イベントポイントは貢献度に応じて配布されます〉
「あやちゃんの仇とったどー!」
「とったどー」
参加したプレイヤーたちの歓声が、イベントエリアにこだまする。
そして––––
「想定外だ。まさか地面が崩落するとは思ってなかった」
「そうだねー。うん、まあ、みんなで死ねば怖くない的な?」
「デスペナは痛いんだけどな…」
【ゴリ押し部隊】のメンツは、全員が地面の崩落に飲まれ、アルフレッドさえもHPバーをゼロにして、泡となって消えてしまった。
ちなみにだが避難が間に合わなかった【魔術部隊】の人たちも崩落に巻き込まれたそうな。
……アルフレッドは無敵時間が切れるまで、土に飲み込まれた状態で数分の間過ごすことになったが。
私は現在、あの喫茶店でフレンチトーストをもぐもぐと食べています。フレンチトーストにはやはりコーヒーが合いますね。あ、因みにですが私は無糖派です。この苦味と酸味がいいのです。
〈ワールドアナウンスです。ただいま、イベントボス【金熊童子】が討伐されました。イベントポイントは貢献度に応じて配布されます〉
「……終わったみたいですね」
流石に【金熊童子】さんも数の暴力(?)には敵いませんでしたか。さて…、私の貢献度はどれくらいなのでしょうか。見間違いでなければ9万ダメージ近く与えていたと思いますし…、上位には食い込んでいて欲しいですね。
《イベントボス【金熊童子】討伐の貢献度の結果が出ました。ご覧になりますか?YES/NO》
YESですね。私は軽くてを拭いてからYESをタップします。…別に手を拭く必要はないのですが、まあ気分的に。
《【貢献度一覧】
・【ダメージ貢献度一位】
・【親睦度一位】
・【称号ボーナス】》
《イベントポイント【ダメージ貢献度一位】で1000ポイント【親睦度一位】で100ポイント【称号ボーナス】で100ポイント【ボス討伐達成】で500ポイント、計1700ポイント獲得。現在のポイント3340。報酬まであと160ポイント》
おお、結構獲得できましたね。まあボスを討伐したんですし当然といえば当然なのでしょうけど。あ、因みにですが私はポイントの報酬を受け取っていません。なにやら【報酬を貯める】という謎の項目があったので。…そんなことはどうでもいいですね。
「さて、デスペナが切れるまで暇ですし…。なにしましょうか」
デスペナは死亡してから一時間、全ステータスが1になるという優しい仕様です。前のVR MMOなんて死んだらデータが消えるというやつばっかりでしたからね。それと比べたら…。
アルさんならステータスオール1でもPSでなんとか出来るらしいですけど…、私にはそこまでのことは出来ません。多分。
「……あ。ステータスが最低でも状態異常の効果は変わりませんでしたよね…?」
思わず口に出してしまったのはご愛嬌ということで。…周りの人がこっちを見ているのは無視です無視。
私は席を立ち上がり、フレンチトーストとコーヒーの代金を払ってから喫茶店を後にしました。
…さて、くふさんたちを探しましょうか。今のうちにフレンド登録を済ませちゃいましょう。
というわけで私は【第1都市】に向かうことにしました。
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