少しおかしな聖女さまのVRMMO日常記

ガブガブ

5話 Aya vs 金熊童子-1

5話






《【剣術】のレベルが9→10に上昇。
 レベルが10になったためアーツ【デュアルスラッシュ】を獲得。
 レベルが10になったため、パッシブスキル【剣装備時STR+1】を獲得》
《イベントポイントを8×1獲得。現在1208ポイント。報酬まで292ポイント》


 現在五分ほどが経過しています。二秒に一体のペースで鬼の狩りを行なっています。なんとですね、鬼を狩っていくうちに、鬼が大量に沸くいわゆる《沸き溜まり》を見つけたんですよ。他のプレイヤーもいませんし、めちゃくちゃ狩れるんですよ!それはもう、笑みが溢れてしまうほどに。


「ふふふふっ、大量ですねー…!【デュアルスラッシュ】」


《イベントポイントを8×2獲得。現在1224ポイント。報酬まで276ポイント》


 二体の鬼の首が、同時にねじ切れました。おお、効率が上がりましたね。あ、お気づきだと思いますがさきほど【剣術】を獲得しました。【反転】の際はこれを使うことになりますし、スキルポイントも有り余っていたので。


 【剣術】…剣を使うことに補正がかかる。一定レベルごとにアーツ、スキルの獲得が可能。
 レベル1:【スラッシュ】【レイジソード】
 レベル5:【ソードパリィ】
 レベル10:【デュアルスラッシュ】【剣装備時STR+1】


「【ソードパリィ】【デュアルスラッシュ】」


《イベントポイントを8×2獲得。現在1240ポイント。報酬まで260ポイント》


 【収穫】のおかげでSPには困りません。なんせ一撃で殺せますからね。鬼はSPが高いらしく、アーツでSPを消費してもすぐに全回復しますから。


「【デュアルスラッシュ】」


 ゴキっという音を立てて鬼の首がへし折れました。あ、斬ったつもりだったのですが、叩いてしまったようですね。流石は西洋剣。日本の刀のようにはいきませんね。斬れるっちゃ斬れるのですけどね…。


《イベントポイントを8×2獲得。現在1256ポイント。報酬まで244ポイント》
《【剣術】のレベルが10→12に上昇》


 さて…、先程から明らかにこの弱い鬼たちよりも強そうな鬼…統率者か何かですかね?が私を見つめて来ているのですが…、いつ殺しにかかってきてくれるのでしょうか。ちょっと試したいことがあるんですが…。まあ、そのうち来てくれるでしょう。






《【剣術】のレベルが14→16に上昇。
 レベル15になったためアーツ【ソードダンス】を獲得しました。
 レベル15になったためアーツ【回転斬り】を獲得しました》
《イベントポイントを8×2獲得。現在1400ポイント。報酬まで100ポイント》


 おや、なにやら面白そうなアーツが手に入りましたね。【ソードダンス】に【回転斬り】ですか。


 【ソードダンス】…剣系統の武器で攻撃した際、クリティカル率+5%。


 【回転斬り】…身体を回転させながら、対象を斬りつける。


 おお、両方とも有能なスキルですね。短剣は剣系統の武器に含まれるのでしょうか?それならもっと使えるのですが…。
 【回転斬り】はおそらく小規模な範囲攻撃ですね。こういう密集地帯なら使えるスキルです。さっそく活用していきましょう。


「グガァァァァァ!!!」


 都合よく六匹の鬼が私を取り囲んでくれました。そして手に持った鈍器を私に振りかぶってきて––––


「【回転斬り】」


 右脚を軸にして、両手で【星剣ミザール】を持ち、体が勝手に回転し始めました。…魔法と違ってなんか不思議な感じですね。リアルに近い分、まるで操られているみたいです。
 【星剣ミザール】は六匹の鬼の胸、腕、腹など様々なのところを斬り裂き深い傷をつくって、最終的には首を跳ね飛ばしました。


《種族レベルが23→24に上昇。
 ステータスポイントを2獲得。
 HPの最大値が20上昇。
 MPの最大値が20上昇。
【剣術】のレベルが16→17に上昇》


《イベントポイントを8×6獲得。現在1448ポイント。報酬まで52ポイント》


 お、種族レベルが上がりましたね。とりあえずINTに振っておきましょうか。さて効率もめちゃくちゃ上がりましたし、どんどん狩っていきましょう。






《【剣術】のレベルが19→21に上昇。
 レベル20になったためアーツ【瞑想】を獲得しました。
 レベル20になったためパッシブスキル【剣装備時STR+2】を獲得しました》
《イベントポイントを8×6獲得。現在1640ポイント。報酬まであと360ポイント》
《一定レベル以上の鬼系統魔物を通算200体を超えたため称号【鬼キラー】を獲得しました》


 【瞑想】…両目を閉じて座ることで発動する。一秒経つごとにHP及びSPを10回復させる。


 【鬼キラー】…鬼系統魔物に対する攻撃力が+5%アップ。


 ……おお。なかなか有能なスキルが…これ言うの何回目ですかね。マジレスすると【瞑想】は【収穫】があるので現状はどうにかなっていますし、【鬼キラー】なんてあったらオーバーキルになっちゃいますよね。まあ持っておいて損はないんですけどね。


 突然私に向かって、一陣の風が吹きつけてきました。あまりに強い風だったので、思わず目を瞑ってしまいました。目を開けると、そこには––––剣を振りかぶりながら私に迫る、先ほどまで一切動かなかった統率個体がいました。


「ッ【ソードパリィ】!」


 私はふりかぶられた剣を、なんとか【ソードパリィ】を使って弾きます。【ソードパリィ】の判定はなかなかシビアですが慣れればほぼ毎回発動させられます。


「いざ尋常に、勝負だァァァァ!」
「いやいやいや、奇襲かけてきたくせに尋常もクソもないでしょう」


 ツッコミを入れてみましたが無反応です。悲しいですね。


〈ワールドアナウンスです。ただいま、イベント【上級】の会場に、イベントボス【金熊童子】が出現しました。プレイヤーで協力して、ボスを討伐しましょう!〉
《イベントボス討伐大型パーティが編成されました。参加人数1/--》


 ふむ、鬼型のボスなら…、きっとイベントポイントをたくさん獲得できますよね!貢献度一位などの報酬もきっと美味しいでしょうし…。やってしまいましょう。


「私利私欲ですみませんが、貴方を殺させてもらいます」
「はんッ!やれるもんならやってみやがれ!聖女の卵がッ」


 【星剣ミザール】と、【金熊童子】の持つ剣がぶつかり合い、大きな音を立てました。


「オラオラオラオラオラァァァァァ!!!」
「【ソードパリィ】【ソードパリィ】【ソードパリィ】【ソードパリィ】【ソードパリィ】」


 【金熊童子】の繰り出してくる剣戟を全て弾き返して、防ぎます。お、【剣術】のスキルレベルが上がりましたね。それだけこの鬼のレベルが高いのでしょうか。……ん?このスキルは…。


「どうしたどうしたどうしたぁぁ!!防いでばっかじゃつまんねえぞォォォォ!!」
「うるさいですね。こっちにも考えがあるのですよ」


 これとこれを組み合わせて使えば…、大ダメージを与えられそうですね。やりますか。


「【デュアルスラッシュ】」


 私は鬼の剣を弾いた際に出来た隙––––いや、わざとつくられた隙に、【デュアルスラッシュ】を撃ち込む。


【金熊童子:200000/200000】


「ハハハハハハハハ!!ようやく攻めてきたな…、でもな…、そんなヤワなもんじゃ俺に跳ね返されるだけだぞォォォォ!」


 私は計算通りに、いまだ健在している建物に弾き飛ばされました。さて…、ここからですね。
 私は空中で体制を整えて、その建物に足の裏がつくような姿勢を取ります。
 そして、私は建物に衝突しそうになり––––


「【グラスホッパー】」


 私はその運動エネルギーを保ったまま、さらに加速して【金熊童子】に迫ります。やばいですよ、ジェットコースターにシートベルトをしないで乗ってるような感じです。


 【グラスホッパー】…消費SP100。運動エネルギーを保った状態で、一直線上に跳ぶことができる。


「ははははは!!面白れぇ!かかってこいやぁぁぁぁ!!!」


 【金熊童子】は腕を広げて腰を落として、私を見据えてきました。……ただ突っ込んでいくだけと思ってるんですかね?この鬼さん。


「【星の爪】」


 私の剣は、先ほどまで全く歯が立たなかったといって良いほど丈夫だった【金熊童子】の胸に、大きな傷を作りました。おおきく抉れています。


 【金熊童子:140000/200000】


 ……たった六万ダメージしか与えられませんでしたか……。


「く、ははははは!!効いた、効いたぞぉぉぉぉ!!俺も、ガチで相手してやるゼェ」
「……勘弁願いたいのですが」


 【金熊童子】の言葉に、私は冗談まじりの声色で言いました。
 正直言ってもう時間があまりありません。残り三分ほどですね。……誰か来てくれませんかね…。一人ではきついです。
私は金熊童子の剣戟を弾きながら、チラリとここに来るための道を見ます。誰も……、来ていませんね。目で見る限りは。


「死ィィィねェェェェ!!!」
「【ソードパリィ】【ソードパぃッ?!」


 突然剣にかかる負荷が重くなり、弾くととは出来ましたが私は思いっきり体制を崩してしまいました。
 ニヤリと【金熊童子】が笑い、そのまま剣を振りかぶって来ました。あー…、おそらく死にましたね。二割くらいの確率で。


「ははははは!久しぶりに楽しめたぜぇぇぇ!また会おうや、聖女の卵」
「ええ。また会いましょうね」


 私はとある魔法を発動させます。さて、気づかないでいてくれますかね?私の体……いえ、私の体を模した人形は、それにより真っ二つに裂かれました。


「…終わりかァ」




「【星の爪】」




「……あァ?」


 ゾブリと、【金熊童子】の頭に【星剣ミザール】が貫通して刺さりました。
人は集中していた事が終わると、そのあと少しだけ注意力が散漫になります。この鬼もそうだったようですね。


 【金熊童子:110000/200000】


 ……頭貫通して生きてるんですか……。さすが魔物(?)ですね。

















「少しおかしな聖女さまのVRMMO日常記」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「SF」の人気作品

コメント

コメントを書く