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身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。

がおー

111C 「何、これ、このメニューの中から、食べたい物選べって?」

僕がそう聞くと、オブジェは『はい』と短く答えた。

メニューを見ると、僕側の世界の食べ物は無く、千尋千歳ちゃん側の世界の食べ物風の物ばかりだった。

「私達の世界の食事ばかりだねー。私の時代の物は無いけど、面影はあるというか」

「そうですね、ソルフィ達魔族が食べる食事もありますわ、大分、内容が変わっていますが」

「もう、お兄さんの世界に慣れたから、お兄さんの世界の食事が良いかも、カレーとかラーメンとか出せないの?」

『申し訳ありません、そこのメニューにある物以外は出せません。・・・が、材料と作り方さえ教えていただければ、私が大体の予想をして、食事を作り出す事が出来ます』

「・・・だって、お兄さん・・・好きな物選んじゃいましょうよ!」

気の利くコンピューターだ。お言葉に甘える事にする。

「じゃあ、イカ墨タコライス頼んじゃおうかなー」

また、千歳ちゃんのゲテ物趣味が始まった。

「頼んだものは全部喰えよ?千歳ちゃん」

「失礼な、ちゃんと全部食べますって!」

「でも・・・私達が作り方を知っている物じゃないと作り出せないっぽいよ・・・?」

「・・・うーん、千尋さん以外料理出来る人居ませんし・・・」

「そもそも、食べる体は僕一人なんだから、僕が食べる前提で注文してね?」

色々悩んだ挙句、僕らは無難にカレーを頼んだ。

材料と作り方は千尋ちゃんがオブジェに教えている。

『承知しました。では、注文された料理を作成します』

とオブジェは言い、僕の目の前に青い光りが眩く光った・・・かと思えば、目の前にはカレーが現れた。

「おおー、カレーが・・・!凄い、どこから出したんだ?どんな魔法なんだ?」

『施設内にある物の物質の原子配合を変えて、カレーなる料理の材料を生み出し、そこから、指定された調理法で調理された後の状態を想定した物を出力しました。注文の料理はこれでよろしいですか?』

目の前には、出来立てほやほやのカレーが湯気を立てて、鎮座している。

「ああ、いいよ、ごくろう・・・・・・食べて良いかい?」

『どうぞ』

オブジェのお許しが出たので早速食べてみる事にする。

「おお~」

どう食べてもカレーだった。美味しい。

「美味しいですね!お兄さん!」

どうやら、僕の味覚は3人にも感じているのか、3人にも好評だ。

僕は(僕らは?)暫く、未来異世界のカレーを食べる事にした。

その食事の間に、オブジェに、僕が眠ってしまった以降のこの世界の歴史を教えてもらった。

僕が眠った後、数千年間、人類と魔族はまた何度も戦争をし、その都度和平を繰り返し、人間と魔族の連合国家まで出来、そしてまた戦争し和平をし、すっかり、人間と魔族は溶け込み合い、種族間での対立はすっかり無くなった様だ。

しかし、その後は国家間の対立が頻発する様になる。

魔法の技術も発展し、人は自由に空を飛び、何十年経っても若々しい肉体を持ち、魔力ロボットによって悠々自適の生活を手に入れたが、戦争をやめる事はせず、大陸を吹っ飛ばす魔法爆弾を相互に打ち合い、何万何億台の魔力ロボットの軍団が戦い合い、魔族含む人類の人口は4500億人は居たのに、オブジェが最期に記憶している頃になると30万人まで激減していた様だ。それでも人類は戦争を止めなかった、いや、戦闘システムを全て魔力ロボットに委託して、制御する術を失っていたので、止め様が無かった。

ここからは憶測だが、オブジェが機能を停止した後に、人類は滅んでしまったんだろう。オブジェも、他の施設が生きている事は絶望的と言っていたし

あまりに荒唐無稽な話過ぎて、感慨も沸かなかった。

「身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

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