身の覚えの無い妹が出来てしまった。しかも、誰も存在を認知できないんだから驚きだ!いやーどうしよう、HAHAHAHAHA!!・・・どーすんのよ、マジで・・・。

がおー

109C 地下に続く長い長い階段を僕らは歩いてゆく。

狭い通路だ。大人1人分しか通る隙間が無い。

本当に長い、20分は歩いている気がする。

こんな所で、延々と歩いていると段々不安な気持ちになる。

「わっ!!」

急に僕の耳元で声が成り響いた。

「うっわあああああああああああ!!」

「ひゃああああああああああああ!!」

「きゃああああああああああああ!!」

僕と僕の中に居る嫁達は、ただ驚きすくんだ。驚きで、階段を踏み外す所だった、危ない危ない。

「あ・・・・・・すいません、何か暇だったので、ちょっと驚かせてみようと思ったんですけど、皆さん、すっごく驚いてしまって・・・いえ、すいません」

僕の中で千歳ちゃんが、申し訳無さそうに謝る。

「ち・・・千歳ちゃんなあ・・・、肝試しに来てるんじゃないんだぞ?僕らは未知のダンジョンに来ているんだから、もっと緊張感というのをだな・・・」

「ごめんなさい・・・」

千歳ちゃんは、真面目な奴だけど、イタズラ好きな所がある。いっつもえっちなイタズラをして来るのが千歳ちゃんだ。それに対抗してソルフィちゃんが色仕掛けしてきて、遅れて千尋ちゃんも参戦するのが、いつもの僕らのいちゃつきだ。

「んもー、千歳さん、一応、騎士なんだから、騎士っぽく、ビシっとしててよ~、ダンジョン探索中に、イタズラなんてしないでよ~」

「ごめんごめん、騎士からお兄さんの従兄弟件嫁になって、もう、全然鈍っちゃって」

「この階段、長いですね。魔王討伐していた頃もこんな感じの魔邪神殿がありましたけど・・・」

「うーん・・・そうですわね。ソルフィ達が居た時代から大分経っているのですから、エスカレーターぐらい作っていて欲しいのですけど、大分アナログですわ」

「どっちにしろ、電力も通ってないんだから、動かないよ・・・んっ」

前方に扉が見えた。

「この先にあるんだろな。この建物の管理が纏められていた所は・・・」

僕は、扉を開けた。

扉は錆を食っていて、年数を感じさせるものだった。

そこには・・・大きな広場があり、そして、中心に、・・・円錐状の黒い塊があり、それらは、パイプやらコードに繋がれていたものがあった。それは大きく、10mはある。

「・・・ふむ・・・、何か、美術館で意味不明の巨大なオブジェの作品を見ている気分ですわ・・・、この建物を管理する部分と聞いたから、何か、情報らしきものがあるかと思えば・・・」

僕は、周りを見渡す。

広い室内だが、巨大オブジェ以外にパイプしか見当たらない。

「こんな、オブジェの芸術作品以外何も無い場所がどうして、この建物の管理が出来ていたんでしょうね。私達の未来の人達・・・謎ですね・・・」

「この世界の現状の手がかりがあるかと思って、長い階段を歩いたっていうのに、収穫0か」

「うーん・・・困ったね・・・お兄ちゃん・・・」

気疲れしたので、一休みする為、オブジェに背を預ける、

『・・・・・・ヴウウウウウウウウウウ・・・・』

突然オブジェが緑色に発光し、軋む様な音を響かせた。

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